-補助内分泌療法中のステージ0からIIIのホルモン受容体陽性乳がん患者の中等度から重度のVMSを対象として、fezolinetantを評価するHIGHLIGHTTM 1試験 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、補助内分泌療法中の乳がん患者の中等度から重度の血管運動神経症状(Vasomotor Symptoms、以下「VMS」)に対する経口の非ホルモン治療剤として開発中のfezolinetantに関し、ピボタル試験である第III相HIGHLIGHTTM 1試験において最初の患者への投与を開始しました。

 乳がんは世界中の女性で最も多いがんであり、2022年には世界で約2,300,000人が新たに乳がんと診断されています1。ホットフラッシュ(顔のほてり・のぼせ等)や寝汗に代表されるVMSは、乳がんの補助内分泌療法の最も一般的な副作用として知られています。乳がん患者の約77%は、タモキシフェンやアロマターゼ阻害剤などを用いた補助内分泌療法を受けており2、最大97%が、ホットフラッシュや寝汗を経験しています3

 アステラス製薬のVice President兼Head of BioPharma DevelopmentであるMarci Englishは、「VMSは、補助内分泌療法中の乳がん患者の生活の質や治療の継続に悪影響を及ぼす可能性があるものの、現在承認された治療法は存在しません。このアンメットメディカルニーズの充足に向けた第III相HIGHLIGHTTM 1試験を開始できることを嬉しく思います」と述べています。

以上

HIGHLIGHTTM 1試験について
HIGHLIGHTTM 1試験(NCT06440967)は、ホルモン受容体陽性、ステージ0からIIIで補助内分泌療法中の乳がん患者の、中等度から重度のVMSの治療におけるfezolinetantの有効性と安全性を評価するためのプラセボ対照無作為化二重盲検試験です。約540人の被験者が試験に組み入れられ、世界中の最大100の施設で、fezolinetant群とプラセボ群に1:1で割り付けられる予定です(本試験の実施国に日本は含まれておりません)。主要評価項目は、中程度から重度のVMSの頻度と重症度のベースラインからの変化量で、投与後4週時点と12週時点で評価します。患者は52週間治療を受け、最終評価は55週目に行われます。

fezolinetantについて
fezolinetantは、補助内分泌療法中の乳がん患者の、中等度から重度のVMSの治療のために開発中の、経口の非ホルモン治療剤です。VMSはホットフラッシュ(顔のほてり・のぼせ等)や寝汗を特徴とします。fezolinetantは、KNDy(キスペプチン/ニューロキニンB/ダイノルフィン)ニューロンに結合するニューロキニンB(NKB)をブロックし、脳の体温調節中枢(視床下部)のバランス回復を助け、ホットフラッシュや寝汗の回数や重症度を軽減します4,5,6。fezolinetantは開発中であり、この適応において承認を受ける、あるいは市販される保証はありません。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

参考資料
1 World Cancer Research Fund International. Breast cancer statistics. https://www.wcrf.org/cancer-trends/breast-cancer-statistics/.
2 American Cancer Society. Breast Cancer Facts & Figures 2022-2024. Atlanta: American Cancer Society, Inc. 2022.
3 Fenlon D, Morgan A, Khambaita P, et al. NCRI CSG Breast Cancer Symptom Working Party. Management of hot flushes in UK breast cancer patients: clinician and patient perspectives. J Psychosom Obstet Gynaecol. 2017 Dec;38:276-83.
4 Depypere H, Timmerman D, Donders G, et al. Treatment of menopausal vasomotor symptoms with fezolinetant, a neurokinin 3 receptor antagonist: a phase 2a trial. J Clin Endocrinol Metab. 2019;104:5893-5905.
5 Fraser GL, Lederman S, Waldbaum A, et al. A phase 2b, randomized, placebo-controlled, double-blind, dose-ranging study of the neurokinin 3 receptor antagonist fezolinetant for vasomotor symptoms associated with menopause. Menopause. 2020;27:382-392.
6 Fraser GL, Hoveyda HR, Clarke IJ, et al. The NK3 receptor antagonist ESN364 interrupts pulsatile LH secretion and moderate levels of ovarian hormones throughout the menstrual cycle. Endocrinology. 2015;156:4214-4225.

 

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