- 2023年米国泌尿器科学会年次総会で発表-

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米国ニューヨーク州、以下「Pfizer」)と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤であるXTANDI®(一般名:エンザルタミド)に関し、生化学的再発(Biochemical Recurrence: BCR)のリスクが高い非転移性ホルモン感受性前立腺がん(non-metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer: nmHSPC、または非転移性去勢感受性前立腺がん(non-metastatic Castration-Sensitive Prostate Cancer: nmCSPC)としても知られる)患者を対象に実施した第III相EMBARK試験において、3つの投与群(エンザルタミド+リュープロレリン(エンザルタミド併用群,n=355)、プラセボ+リュープロレリン(プラセボ群,n=358)、エンザルタミド単剤群(n=355))を評価した試験の解析結果を、2023年米国泌尿器科学会年次総会(2023 American Urological Association Annual Meeting)(4月29日(土))で発表しました。主要評価項目であるエンザルタミド併用群とプラセボ群とを比較した無転移生存期間(Metastasis-Free Survival: MFS)において、病勢の進行または死亡のリスクを58%低減しました(HR=0.42, [95%信頼区間[Cl]: 0.30-0.61], p<0.0001])。

 主な副次評価項目においても、主要評価項目と一貫した結果を示し、エンザルタミド併用群とエンザルタミド単剤群の両群で統計的に有意な改善が認められました。具体的には、エンザルタミド単剤群では、プラセボ群と比較して病勢進行または死亡のリスクを37%低減(HR=0.63, [95%信頼区間[Cl]: 0.46-0.87], p=0.0049])しました。また、前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen: PSA)増悪までの期間および新しい抗腫瘍治療の開始までの期間については、エンザルタミド併用群、エンザルタミド単剤群いずれにおいても、統計学的に有意な改善が認められました。PSA増悪までの期間に関し、エンザルタミド併用群およびエンザルタミド単剤群は、プラセボ群と比較して、それぞれ93%(HR=0.07, [95%信頼区間[Cl]: 0.03-0.14], p<0.0001)および67%(HR=0.33, [95%信頼区間[Cl]: 0.23-0.49], p<0.0001)のリスクの低減がみられました。新しい抗腫瘍治療の開始までの期間に関してはプラセボ群と比較して、エンザルタミド併用群で64%(HR=0.36, [95%信頼区間[Cl]: 0.26-0.49], p<0.0001)、エンザルタミド単剤群で46%(HR=0.54, [95%信頼区間[Cl]: 0.41-0.71], p<0.0001)、それぞれ増悪のリスクの低減がみられました。

 主な副次評価項目である全生存期間(Overall Survival:OS)においては、観察期間は十分でないですが、エンザルタミド併用群で改善の傾向が認められました。引き続き被験者を経過観察し、OSの最終解析を実施します。

 最も多く見られた有害事象は、エンザルタミド併用群で疲労、ほてりおよび関節痛、エンザルタミド単剤群で疲労、女性化乳房および関節痛であり、新たな安全性シグナルは観察されておらず、既知の安全性プロファイルと一致していました。

 本試験の詳細な結果については、医学専門誌へ論文投稿する予定です。さらに、本適応症におけるXTANDIの2023年中の申請をサポートするため、米国食品医薬品局(FDA)を含む規制当局と協議します。

 本件は、米国において現地時間4月29日に対外発表しています。

以上

 

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