- VMSの頻度および重症度の有意な改善とQOL向上 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状(顔のほてり・のぼせ等(ホットフラッシュ):Vasomotor Symptoms、以下「VMS」)に対する経口の非ホルモン治療薬として開発中のfezolinetantについて、第III相ピボタル試験であるSKYLIGHT1TM試験の結果を医学専門誌のThe Lancet(以下「Lancet誌」)で発表しました1。本試験のデータは、3月13日付のオンライン版に掲載されました。

 本試験では、fezolinetant 30 mgおよび45 mgを1日1回投与したいずれの群においても、4つ全ての主要評価項目を達成し、プラセボ投与群と比較して、投与後4週時および12週時における中等度から重度のVMSの頻度および重症度がベースラインから統計学的に有意な改善を示しました。これらの改善はfezolinetant投与後1週時から認められ、その効果は52週の投与期間中、維持されました。二重盲検期間中、fezolinetant 30 mg投与群で37%、45 mg投与群で43%、プラセボ投与群で45%の患者において、治験薬投与下の有害事象(Treatment Emergent Adverse Events:TEAE)が報告されました。40週の継続投与期間に示されたfezolinetantの安全性プロファイルは、12週のプラセボ対照期間と一致していました。52週の試験期間中、最も多くみられたTEAEは頭痛と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でした。本試験の12週時における有効性と安全性のデータは、2022年米国産婦人科学会(American College of Obstetricians and Gynecologists: ACOG)年次総会で初めて発表されました。

 主な副次的評価項目は、睡眠障害を評価する患者報告アウトカム(Patient-Reported Outcomes Measurement Information System Sleep Disturbance – Short Form 8b: PROMIS SD SF 8b)で、総スコアのベースラインから12週時までの平均変化を評価しました。12週時点でいずれの用量においても睡眠障害の改善が認められましたが、統計学的な有意差は示されませんでした。睡眠に関する別の指標(Patient Global Impression of Change in Sleep Disturbance: PGI-C SDとPatient Global Impression of Severity in Sleep Disturbance: PGI-S SD)を用いた解析では、fezolinetant 30 mgおよび45 mg投与群において、4週時および12週時でプラセボ投与群と比較して高い割合の患者で改善が報告されました。閉経期特有の生活の質(Quality of Life: QOL)に関する質問票(Menopause-specific Quality of Life Questionnaire: MENQOL)2,3を用いた解析では、4週時および12週時において有意かつ臨床的に意義のあるQOLの向上が認められ、52週まで維持されました。

 なお、Lancet誌に加え、SKYLIGHT 2試験およびSKYLIGHT 4試験の結果が、医学専門誌のThe Journal of Clinical Endocrinology & MetabolismObstetrics & Gynecologyにそれぞれ掲載されました4,5

 fezolinetantは、選択的ニューロキニン3(NK3)受容体拮抗薬で、閉経に伴う中等度から重度のVMSの治療薬として、 米国や欧州、オーストラリアで承認申請中です。承認された場合、閉経に伴うVMSの頻度と重症度を軽減する、ファーストインクラスの非ホルモン治療薬となります。

 アステラス製薬は、QOLに大きな影響を及ぼすVMSを有する患者さんに非ホルモン療法という新たな治療選択肢を提供するため、fezolinetantの開発を進めていきます。

以上

 

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