- 第19回WORLDSymposiumTM2023で発表 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、遺伝子治療薬AT845を評価する第I/II相試験(FORTIS試験)において、予備的な安全性と有効性に関する追加のデータが得られたことをお知らせします。本データは、第19回WORLDSymposiumTM2023で発表します(ポスター番号#95)。AT845は、遅発型ポンぺ病(Late-Onset Pompe Disease:LOPD)の成人患者を対象に酸性α-グルコシダーゼ(Acid alpha-glucosidase:GAA)を発現する機能性GAA遺伝子を筋肉細胞内に直接送達するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)遺伝子補充療法です。

 FORTIS試験は、多施設、非盲検、用量漸増の第I/II相試験で、LOPDの成人患者を対象にAT845の安全性と忍容性に加え、探索的に有効性を評価しています。データカットオフ日の2022年9月15日時点で、FORTIS試験に被験者4名が組み入れられ、AT845の投与(単回、静脈内注入)を受けています。そのうち、2名は3x1013 vg/kg、他2名は6x1013 vg/kgの用量が投与され、最大78週間までの安全性が経過観察されています。被験者4名のうち3名は、AT845投与後にLOPDの標準治療である酵素補充療法(Enzyme Replacement Therapy:ERT)の投与を中止しました。ERT投与中止後、それぞれ19、44、51週時に測定された身体機能に関する指標は安定していました。ERTを投与中止した被験者を含む全4名の継続的な評価では、努力肺活量や6分間歩行試験などの身体機能に関する評価項目において、引き続き安定していることが示されました。また、ポンペ病特異的な疲労や日常生活動作についての患者報告アウトカムも安定していました。

 AT845の忍容性はおおむね良好で、AT845投与下の有害事象(Treatment Emergent Adverse Events:TEAE)のほとんどは軽度(グレード1)であり、AT845との関連性はないと考えられています。1名の被験者で、注射部位反応と思われる事象が見られましたが、ジフェンヒドラミンとアセトアミノフェンの経口投与で改善しました。被験者3名が軽度から中等度の一過性の高トランスアミナーゼ血症を発症し、AT845に関連している可能性があると判断されましたが、3例ともステロイド投与量を変更することで改善しました。6x1013 vg/kgを投与された被験者1名にグレード2の末梢性感覚多発性ニューロパチーの事象が報告され、2022年6月に米国食品医薬品局(FDA)から臨床試験の差し止め指示を受けましたが、2023年1月に差し止めは解除されました。

 アステラス製薬は、アンメットメディカルニーズの高いポンペ病患者さんのために、AT845の開発に引き続き取り組んでいきます。

 本件は、米国において現地時間2月22日に対外発表しています。

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