– EV-103試験コホートHの最新データをASCO GU 2022で発表 –

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、「Seagen社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate: ADC)PADCEV®(製品名、一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))について、シスプラチン不適応の筋層浸潤性膀胱がんの患者への単剤療法を評価したEV-103試験コホートHにおける初回の解析結果を発表しました。最新データは、2月18日(現地時間)に開催される2022年米国臨床腫瘍学会 泌尿生殖器がんシンポジウム(American Society of Clinical Oncology Genitourinary Cancers Symposium: ASCO GU)で口頭発表される予定です(抄録番号435)。

 筋層浸潤性膀胱がんは、膀胱がんのステージのうち腫瘍が膀胱壁の筋層にまで広がっている状態のものを指します。筋層浸潤性膀胱がんは、通常、シスプラチンをベースにした化学療法と手術を組み合わせて治療されます。第Ib/II相試験であるEV-103試験コホートHでは、外科的治療が適応可能なもののシスプラチン不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者が組み入れられました。対象患者には、3週間の1日目と8日目にエンホルツマブ ベドチンを投与する術前療法が3サイクル行われました。

 22名の患者を対象とした予備的な解析の結果、36.4%が主要評価項目である病理学的完全奏効を示し、手術時に採取された組織細胞の顕微鏡検査でがんの兆候が無いことが確認されました。また、副次評価項目である病理学的ダウンステージ、すなわち腫瘍サイズの縮小は50%の患者で認められました。全ての患者が手術を受け、エンホルツマブ ベドチン投与による手術の遅延はありませんでした。20%以上の割合で発生したエンホルツマブ ベドチン投与に関連する主な有害事象は、倦怠感(45.5%)、脱毛症(36.4%)、味覚障害(36.4%)、下痢(27.3%)、末梢神経障害(27.3%)、ドライアイ(22.7%)および斑状丘疹状皮疹(22.7%)であり、エンホルツマブ ベドチンの既知の安全性プロファイルと同様でした。

 また、アステラス製薬とSeagen社は、本年のASCO GUにおいて、エンホルツマブ ベドチンに関して進行中の様々な臨床試験の中から、以下の4題をポスター発表します。

  • EV-302試験:治療歴がない進行性尿路上皮がんへのエンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法と化学療法を比較する2群非盲検無作為化第III相試験(試験実施中)
  • EV-103試験コホートL:シスプラチン不適応の筋層浸潤性膀胱がんの周術期におけるエンホルツマブ ベドチン単剤療法の評価(試験実施中)
  • 進行性尿路上皮がんおよびその他の悪性固形がんに対するエンホルツマブ ベドチンの臨床薬理学的効果
  • 局所進行性または転移性尿路上皮がんに対する一次療法のシステマティックレビューおよびネットワークメタアナリシス

 学会に先立って発表された抄録の演題はこちらからご覧いただけます。

 本件については、米国において現地時間2月14日に対外発表しています。

以上

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