- 第18回WORLDSymposiumTM2022の年次総会で発表 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、本日、AT845を評価する第I/II相試験(FORTIS試験)の中間解析において良好な安全性データが得られたことをお知らせします。AT845は、遅発型ポンぺ病(Late-Onset Pompe Disease:LOPD)の成人患者を対象に筋肉細胞内で酸性α-グルコシダーゼ(Acid alpha-glucosidase:GAA)を直接発現する機能性GAA遺伝子を送達するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)遺伝子置換療法です。本安全性データは、第18回WORLDSymposiumTM2022の年次総会で発表されます(抄録番号# 206)。

 ポンぺ病は、希少で重篤な常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の代謝異常疾患で、進行性の筋変性を特徴としています。GAA遺伝子の変異により、GAAタンパク質の産生または機能が阻害されることにより発症します。GAAはグリコーゲンの代謝を担っており、このタンパク質の機能不全または欠損があると主に骨格および心筋にグリコーゲンが蓄積し、その組織構造や機能に損傷を与えます。現在承認されているポンぺ病の治療法は、血漿からGAA酵素を組織内に取り込むことに依存する酵素補充療法のみで、2週間に1回の静脈内投与を長期間行うことが必要です。

 FORTIS試験は、多施設、非盲検、用量漸増の第I/II相試験で、LOPDの成人患者を対象にAT845の安全性と忍容性を評価するために現在進行中です。登録された被験者は、AT845の末梢静脈内投与を1回受けた後、1年間にわたり安全性、筋肉内のGAAタンパク質発現量、酵素活性などの臨床的評価項目および生化学的評価項目を注意深くモニタリングし、加えて4年間の長期安全性をモニタリングします。

 本試験の主要評価項目は、安全性と忍容性、および筋肉GAAタンパク質発現と酵素活性のベースラインからの変化を含む有効性の測定です。副次評価項目では、呼吸器系、持久力、および生活の質の改善を評価します。

 データカットオフ日の2021年12月3日時点での、FORTIS試験に組み入れられた4名の被験者の安全性および忍容性の最新の結果が報告されます。結果には、3 x 1013 vg/kg (コホート1)の被験者2名の最大24週間の経過観察データと、6 x 1013 vg/kg (コホート2)の被験者2名の予備データが含まれています。

 最大24週間の経過観察を行ったコホート1の被験者2名において、AT845は良好な安全性データを示しました。重要な点として、データカットオフ時点で、4名の被験者のいずれにも投与後の重篤な有害事象は認められませんでした。被験者のうち1名はトランスアミナーゼの上昇を示しました。投与後という発現時期、ステロイド減量時の上昇、およびステロイド再開による低下等から、本事象は投与に関連する一般的な免疫応答反応と考えられています。

 アステラス製薬は2020年にAudentes Therapeutics Inc.を買収し、その後Astellas Gene Therapiesを設置し、遺伝子治療のCenter of Excellenceと位置付けました。アステラス製薬は、著名な専門家達と連携して、人生を変える可能性のある遺伝子治療のポートフォリオを構築する、この領域におけるリーダーを目指しています。アステラス製薬は、いまだ治療法のない病気で苦しむ遺伝性疾患の患者さんへ革新的な治療法を届けるため、日々取り組んでいます。

 本件については、米国において現地時間2月7日に対外発表しています。

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