アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)患者を対象とした遺伝子治療薬AT132の臨床試験(ASPIRO試験)について、自主的にスクリーニングと投薬を一時停止しました。

 この決定は、ASPIRO試験に参加した患者さんにおいてAT132投与の数週間後に観察された、肝機能検査値の異常という重篤な有害事象(Serious Adverse Event: SAE)の報告に基づいています。アステラス製薬は自主的にスクリーニングと投薬を一時停止し、このSAEについて米国食品医薬品局(FDA)に報告し、協議を行っています。現時点では、臨床試験の差し止めに関するFDAからの通知は発出されていません。

 この患者さんには、一部のXLMTM患者さんでも報告されている間欠的胆汁うっ滞の病歴がありましたが、投薬前の肝超音波検査において正常であり、また肝機能検査においては適格基準の範囲内であることを確認していました。アステラス製薬は、引き続きこの患者さんの状態を注視していきます。

 ASPIRO試験では、これまでに24人の患者さんがAT132を投与されています(1.3x1014 vg/kgの低用量で7人、3.5x1014 vg/kgの高用量で17人)。高用量を投与された患者さんのうち3人が、進行性胆汁うっ滞性肝炎、その後に非代償性肝不全を発症し、この肝不全を起因とする敗血症(2人)または消化管出血(1人)で亡くなられました。

 2020年12月に、低用量への変更を含むASPIRO試験プロトコルの変更がFDAによって確認され、臨床試験の差し止めが解除されました。解除後の2021年夏に低用量のAT132を投与された患者さんにおいて、今回のSAEが観察されました。肝機能検査値の上昇は、投与後1カ月以内に最初に認められました。アステラス製薬は、治験責任医師ともに、本試験に登録されたすべての患者さんの状態をこれまで通り注意深く観察していきます。

 XLMTMは、重度の筋力低下と呼吸障害により若くして死に至る、重篤で致死的な神経筋疾患です。アステラス製薬は、現在治療法のないXLMTMと共に生きる患者さんとそのご家族のためにAT132を安全に開発することにコミットしています。今後、適切な時期に追加情報をお知らせします。

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