- 化学療法群と比較し全生存期間および無増悪生存期間を有意に延長 –
- New England Journal of Medicine とASCO GU 2021で発表 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、「Seagen社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)であるPADCEV®(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))に関して、PADCEV®投与群を化学療法群と比較した第III相試験(EV-301試験)の主要な結果を、New England Journal of Medicineおよび2021年米国臨床腫瘍学会 泌尿生殖器がんシンポジウム(American Society of Clinical Oncology Genitourinary Cancers Symposium:ASCO GU)で発表しました(抄録番号#393)。

 EV-301試験では、白金製剤を含む化学療法およびPD-1またはPD-L1阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がんの成人患者を対象としました。本試験において事前に設定されていた中間解析の時点で、全生存期間(Overall Survival:OS)の中央値はPADCEV®投与群で12.9カ月、化学療法群で9.0カ月であり(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.56, 0.89、p=0.001)、PADCEV®投与群は化学療法群に比べ、中央値で3.9カ月長い生存期間を示しました。なお、PADCEV®投与群において、患者の5%以上で認められた頻度の高いグレード3以上の治療と関連のある有害事象は、斑状丘疹状発疹、疲労および好中球数減少症でした。

 さらにPADCEV®投与群では、すべての副次的評価項目において、以下の通り改善が認められました。

  • 無増悪生存期間(Progression-Free Survival:PFS)の中央値は、PADCEV®投与群5.6カ月に対し、化学療法群3.7カ月でした(ハザード比:0.62、95%信頼区間:0.51、0.75、p<0.00001)。
  • 客観的奏効率(Objective Response Rate:ORR)は、PADCEV®投与群40.6%に対し、化学療法群17.9%でした(p<0.001)。
  • 病勢コントロール率(Disease Control Rate:DCR)は、PADCEV®投与群71.9%に対し、化学療法群53.4%でした(p<0.001)。

 その他の安全性所見は以下の通りです。

  • 治療と関連のある重篤な有害事象の発現率は、両群間で同程度(PADCEV®投与群23%、化学療法群23%)でした。
  • グレード3以上で治療と関連のある有害事象は、両群いずれも患者の約50%に発現しました。PADCEV®投与群において患者の5%以上で発生したグレード3以上で治療と関連のある有害事象は、斑状丘疹状発疹(PADCEV®投与群7%、化学療法群0%)、疲労(同6%、4.5%)および好中球減少症(同6%、13%)でした。

 EV-301試験の結果は、本剤が2019年に取得した米国における迅速承認後の検証試験として、本年3月末までに米国食品医薬品局(FDA)に提出される予定です。また、米国のみならず、その他の地域の承認申請にも使用される予定です。

 なお、日本と欧州において、エンホルツマブ べドチンは承認申請に向けた開発段階にあります。

 本件については、米国において現地時間2月12日に対外発表しています。

以上

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