-    去勢抵抗性前立腺がんに加え、転移性去勢感受性前立腺がんの治療薬としてFDAが承認 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米国ニューヨーク州)と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤であるXTANDI®(製品名、一般名:エンザルタミド)に関し、転移性去勢感受性前立腺がん(Castration-Sensitive Prostate Cancer:CSPC)の追加適応について、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得しました。このたびの承認により、XTANDI®は米国において、既に承認を取得している非転移性および転移性の去勢抵抗性前立腺がん(Castration-Resistant Prostate Cancer:CRPC)に加えて、転移性CSPCの適応症を有する初めてかつ唯一の経口治療薬となります。

 このたびの承認は、転移性CSPC患者1,150 名を対象に実施した第III相ARCHES試験の結果に基づいています。本試験において、主要評価項目である画像診断による無増悪生存期間(radiographic Progression-Free Survival: rPFS)を有意に延長しました。

 ARCHES試験の治験責任医師であるDuke Cancer Institute’s Center for Prostate and Urologic CancersのAndrew Armstrong医師は、「転移性CSPCの治療においては複雑な判断を迫られます。治療方針を決定する際には、医師や患者がその選択肢についてできるだけ多くの情報を得ることが重要です。FDAの承認を裏付けるARCHES試験の結果は、XTANDI®が転移性CSPCに対する治療選択肢であるという説得力のあるエビデンスを医師に提供するものです」と述べています。

 ARCHES試験では、アンドロゲン除去療法(Androgen Deprivation Therapy: ADT)とエンザルタミド併用投与群を、ADTとプラセボ併用投与群と比較して評価しました。エンザルタミドを投与した群はプラセボを投与した群と比べ、主要評価項目である画像診断上の病勢進行または死亡のリスクが有意に61%低下しました(1,150例; HR=0.39 [95%信頼区間: 0.30-0.50]; P<0.0001)。rPFS解析の時点で全生存期間(OS)に関するデータは解析に必要なイベント数に達していませんでした。

 ARCHES試験の安全性解析において、エンザルタミドの安全性プロファイルは、CRPCを対象としてこれまでに実施した試験結果と概ね一致していました。プラセボを投与した群に比べて、エンザルタミドを投与した群で多く報告された一般的な有害事象(グレード1から4の有害事象で発現率が5%以上)は、ほてり(27% vs 22%)、無力症(24% vs 20%)、高血圧(8.0% vs 5.6%)、骨折(6.5% vs 4.2%)、筋骨格系疼痛(6.3% vs 4.0%)でした。

 エンザルタミドは現在、日本、米国および欧州などでCRPCの治療薬として販売されているほか、中国では転移性CRPCの承認を取得しています。また、転移性CSPCについては、このたびの米国での承認取得のほか、日本および欧州で追加適応の承認申請をしています。

 米国における転移性CSPCの患者数は、2019年において40,000人以上と推計されています。アステラス製薬は、転移性CSPCに対する新たな治療選択肢としてXTANDI®を提供することにより、米国における前立腺がん治療に一層の貢献をしていきます。

 なお、本件については、米国において、現地時間12月16日に対外発表しています。

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