アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米国ニューヨーク州)と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体伝達阻害剤であるXTANDI®(一般名:エンザルタミド)について、化学療法施行歴のない、アンドロゲン除去療法(Androgen Deprivation Therapy:ADT)が無効の、無症状または軽度の症状を有する転移性去勢抵抗性前立腺がん(metastatic Castration-Resistant Prostate Cancers:mCRPC)に対する治療薬として、11月18日に、中国の国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration:NMPA)から承認を取得しました。

 このたびの承認は、以下2つの試験結果に基づいています。

  1. ADT治療後に病勢進行を認め、無症状または軽度の症状を有する進行性かつ転移性の前立腺がん患者を対象としたエンザルタミドのアジア国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相Asian PREVAIL試験(9785-CL-0232)*1
  2. 中国人の健康成人を対象としたエンザルタミドの単回投与による体内動態試験(9785-CL-0013)

 また、本承認は、米国、カナダ、欧州、オーストラリア、ロシア、イスラエルおよび日本を含むアジア諸国の施設において、ADTが無効となった化学療法施行歴のない転移性前立腺がん患者1,700名以上が組入れられた第III相PREVAIL試験の結果により裏付けられています*2

 Asian PREVAIL試験では、両側精巣摘除術後もしくはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)療法併用下で、プラセボを投与した群とエンザルタミド(160mg/日)を投与した群を比較しました。本試験には約200名の中国人を含むアジア地域の患者が組入れられており、その結果は、同様の前立腺がん患者を対象としたPREVAIL試験の結果と概ね一致していました*2

 エンザルタミドを投与した群では、前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen:PSA)の上昇リスクが統計学的に有意に低下しました(ハザード比=0.38 [95%信頼区間:0.27、0.52], P<0.0001)。PSAが上昇するまでの期間の中央値は、プラセボを投与した群の2.86カ月に対し、エンタルザミドを投与した群は8.31カ月でした。また、エンタルザミドを投与した群はプラセボを投与した群に比べ、画像診断上の病勢進行や死亡のリスクが統計学的に有意に低下しました(ハザード比=0.31 [95%信頼区間:0.20、0.46], P<0.0001)。また、エンザルタミドを投与した群は、プラセボを投与した群に比べ、統計学的に有意に全生存期間を延長し、死亡のリスクが67%低下しました(ハザード比=0.33 [95%信頼区間:0.16、0.67], P=0.0015)。

 Asian PREVAIL試験における安全性プロファイルは、これまでにmCRPC患者を対象に実施した臨床試験の結果と概ね一致していました*2。エンザルタミド投与群において、頻度が高く(プラセボに比べ2%以上高い発現率)、最もよく見られた有害事象(発現率が10%以上)は、無力症/疲労、食欲減退、ほてり、関節痛、非回転性/回転性のめまい、高血圧、頭痛、体重低下でした。

 エンザルタミドは現在、日本、米国および欧州などで去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として販売されています。また、日本、米国、欧州では、転移性ホルモン感受性前立腺がんに関する適応追加の承認申請をしています。

 前立腺がんは、全世界で男性が罹患するがんの中で2番目に発症率が高く*3、また、中国では男性の尿路悪性腫瘍の中で最も多いがんとなっています*4。アステラス製薬は、このたびの承認取得により、新たな治療選択肢としてXTANDI®を提供することで、中国における前立腺がん治療に貢献をしていきます。

以上
 

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