アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、FLT3(FMS-like tyrosine kinase 3)阻害剤XOSPATA®(製品名、一般名:gilteritinib、以下「ギルテリチニブ」)について、10月24日に1日1回経口投与による成人の再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia: AML)の治療薬として欧州委員会(European Commission: EC)から販売承認を取得しました。

 XOSPATA®は、AMLにおける最も一般的な遺伝子変異(FLT3 ITDおよびFLT3 TKD*1, 2)を伴う患者さんの転帰を改善する可能性を有しています*3。なお、XOSPATA®は、2018年1月にECからオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けているほか*4、本年2月の承認申請時に欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)から迅速審査の指定を受けており*5、承認までの審査期間が短縮されました。

 このたびの販売承認は、再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性AML患者を対象にギルテリチニブと救援化学療法を比較した第III相ADMIRAL試験の結果に基づいています。本試験における全生存期間(中央値)は、救援化学療法群の 5.6 カ月に対し、ギルテリチニブ投与群は 9.3 カ月と有意な延長が認められました(ハザード比=0.64(95%信頼区間 0.49, 0.83), P=0.0004)。1年生存率は、救援化学療法群の17%に対し、ギルテリチニブ投与群は37%でした*6, 7

 イタリアS.Orsola-Malpighi大学病院Institute of HematologyのGiovanni Martinelli, M.D.は、「希少がんであるAMLにおいて、特にFLT3遺伝子変異陽性の患者さんの予後は不良であり、標準治療である救援化学療法による全生存期間の中央値は6カ月未満です。XOSPATA®は、欧州におけるFLT3遺伝子変異陽性AMLの治療をさらに前進させる、臨床上重要な新規の治療選択肢です」と述べています。

 AML患者さんにおけるFLT3遺伝子変異陽性の状態は、AML治療の過程で、再発後においても変化する可能性があります*8。FLT3遺伝子変異陽性AMLの予後は不良のため、患者さんのFLT3遺伝子変異の状態を確認することは、最善の治療を行うための情報となります*8, 9, 10

 なお、本件による業績への影響は、2020年3月期連結業績予想に織り込み済みです。

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