アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)とJuventas Therapeutics(本社:米国オハイオ州、CEO:Rahul Aras、以下「Juventas社」)は、Juventas社が有する遺伝子治療プログラムであるJVS-100の中国を除く全世界における独占的なオプションおよびライセンス契約を締結しましたので、お知らせします。

 本契約に基づき、アステラス製薬は、前期第II相試験からJVS-100の研究開発を行う独占的権利を取得するとともに、その後の開発・商業化のためにJuventas社からJVS-100を買い取る独占的オプション権を取得します。アステラス製薬は、便失禁を対象にJVS-100の開発を進めていく予定です。

 便失禁は、液状便または固形便が無意識または自分の意思に反して漏れる症状であり、社会的および衛生的な観点から患者さんの生活の質に大きな影響を及ぼします。便失禁は、加齢、筋肉や神経の損傷、出産など、さまざまな要因によって起こりますが、現在、有効な治療法はありません。

 JVS-100は、内因性組織修復経路*1を活性化するシグナル伝達タンパク質であるSDF-1(Stromal cell-Derived Factor-1)を発現する非ウイルス性の遺伝子治療プログラムです。JVS-100は抗原性を持たないDNAプラスミド*2であり、損傷組織に直接投与するように設計されています。これまでの臨床試験において、JVS-100は良好な忍容性を示し、反復投与が可能であることが確認されています。また、便失禁の動物モデルにおいて、JVS-100の筋肉内投与により、肛門括約筋の機能的、組織学的改善を促進する可能性が示唆されています。

 アステラス製薬の経営戦略担当役員である岡村 直樹は、「本提携は、さまざまな最先端の科学、技術を積極的に取り込み、患者さんの価値に変えていくというアステラス製薬の戦略に基づく取り組みです。私たちは、世界中の患者さんのアンメットメディカルニーズに応える新たな治療法となり得るJVS-100の研究開発を進めてまいります」と述べています。

 Juventas社のPresident & CEOであるRahul Aras, Ph.D.は、「JVS-100は複数の臨床試験において良好な忍容性が確認されており、内因性の再生過程を回復させ、組織機能を改善する可能性が示されています。私たちは便失禁治療プログラムを進めていくためにアステラス製薬と提携したことを嬉しく思います」と述べています。

 本契約に基づき、アステラス製薬は契約一時金を支払うほか、オプション権行使時に、その対価を支払います。また、アステラス製薬は、前臨床試験および臨床試験の費用を負担し、Juventas社と共同で便失禁を対象とした臨床試験を進めていきます。

 なお、住友商事株式会社の子会社であるSummit Pharmaceuticals International Corporationは、本件に関するJuventas社のアドバイザーを務めました。

 本件によるアステラス製薬の2019年3月期業績への影響は軽微です。

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