-進化した戦略、意欲的な目標、変革を引き起こす実行力、
VISION実現への揺るぎない決意-
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、このたび「経営計画2021」(2021年度~2025年度)を新たに策定しましたので、お知らせします。
アステラス製薬の代表取締役社長CEOの安川健司は、「経営計画2018に沿って進めてきたこの 3 年間で、科学の進歩を革新的な治療法へと変え、患者さんにとって真に「価値」*1のある製品を提供し続けてきました。これまでの歩みは、正しい道筋であったと確信しています。経営計画2021では、従来の取り組みを進化・発展させた戦略を実行することによって意欲的な成果目標を達成していきます」と述べています。
1. VISION実現への揺るぎない決意
アステラス製薬のVISIONは、「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」というものです。このVISION実現に向けて、経営計画2021では、経営計画2018の基本戦略を引き継ぎつつ、各戦略を進化・発展させ、より実行力を高めていきます。
経営計画2021では、新たに策定した組織健全性目標のもと、イノベーションの促進、人材の活躍、コラボレーションの浸透が相まった企業文化を醸成し、戦略の実行力を高めていきます。また、研究開発戦略「Focus Areaアプローチ*2」をさらに強化してPrimary Focus*3を加速、拡大し、患者さんの「価値」を最大化する戦略目標によって、意欲的な成果目標達成を目指します。
2. 経営計画2021の概要
成果目標
経営計画2021では、以下の成果目標を設定しています。
I. XTANDI®および重点戦略製品の売上*4:1.2兆円以上(2025年度)
II. Focus Areaプロジェクトからの売上:5,000億円以上(2030年度)
III. コア営業利益率:30%以上(2025年度)
これらの成果目標達成により、足元の利益を大きく改善しつつ、将来の力強い成長をもたらすパイプラインの存在を確固たるものにすることで、2025年度に株式時価総額7兆円以上を達成することが可能になります。
成果目標を達成するため、以下の4つの戦略目標を設定しています。
戦略目標1:「患者さんのより良いアウトカムの実現」
中長期的な成長を牽引するXTANDI®および重点戦略製品について、計画しているスケジュールから遅滞のない承認申請やグローバル展開までの期間短縮、洗練された発売計画を実行していくことなどによって、「価値」最大化を図ります。これらの製品のピーク時売上予想は下記の通りです。今回、XTANDI®、fezolinetant、ゾスパタ®の売上予想を上方修正し、エベレンゾ®とAT132については新たに開示しました。これらの製品のさらなる成長により、成果目標の2025年度に1.2兆円以上の売上達成を目指します。
製品 | ピーク時売上予想 (グローバル、億円) |
XTANDI® (エンザルタミド) |
6,000-7,000 |
fezolinetant | 3,000-5,000 |
PADCEV® (エンホルツマブ ベドチン) |
3,000-4,000 |
ゾスパタ® (ギルテリチニブ) | 1,000-2,000 |
ゾルベツキシマブ | 1,000-2,000 |
エベレンゾ® (ロキサデュスタット) |
500-1,000 |
AT132 (resamirigene bilparvovec) |
500-1,000 |
戦略目標2:「科学の進歩を確かな「価値」へ」
研究開発戦略上のPrimary Focusに優先的に経営資源を投下し、パイプライン価値を高めます。バイオ医薬品における最先端のイノベーションを効果的に探索し、革新的な医薬品を創出するためのFocus Areaアプローチの実行を新たな次元へ進めます。Primary FocusやPrimary Focus Candidatesの中で、2025年度末までに臨床での有効性確認(Proof of Concept:POC)の見極め時期を迎える予定のプロジェクトが、現時点で約30あります。これにより、2030年度において5,000億円以上の売上貢献を期待しています。
戦略目標1と2の実行により、売上は年平均成長率で約8%の拡大を見込む一方で、新製品の発売準備や販売促進活動、デジタルトランスフォーメーションなどへの投資は重点的に行いつつ、効率性を追求するための取り組みを推進し、2025年度の販管費を2020年度と同水準の約3,900億円に抑え、販管費率は21%(2020年度:31%)に低下する見込みです。売上成長を見込むことから、研究開発費については2025年度に対売上比率で19%(2020年度:18%)、絶対額としては3,500億円まで増額しても目標としているコア営業利益率30%以上を達成できます。
戦略目標3:「Rx+®ビジネス*5の進展」
Rx+®ビジネスは、経営計画2021において事業創成に向けた取り組みが実を結ぶステージに入ります。科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを引き続き追求します。糖尿病を対象としたデジタルセラピューティクスであるBlueStar®の日本展開や、腹部および骨盤内手術時に尿管を可視化する蛍光造影剤であるASP5354の上市など、本経営計画期間中に複数のプロジェクトで事業化を予定しています。
革新的なテクノロジーへの投資を続けながら、2025年度までにRx+®ビジネスを損益分岐点に到達させ、2030年度までには3桁億円半ばの売上規模を見込んでいます。
戦略目標4:「サステナビリティ向上の取り組みを強化」
アステラス製薬は患者さんに貢献するコアビジネスにおいて、社会に「価値」を提供し続けています。さらに、今後はサステナビリティ向上への取り組みの重要性を認識し、社会およびアステラス製薬の持続可能性向上に努めます。特に、「保健医療へのアクセス向上」と「環境(気候変動対策)」を重点テーマとし、ステークホルダーからの信頼獲得を目指します。
3. キャピタルアロケーション
今後、中長期的な利益成長トレンドへ向かう見込みのもと、2021年度は増配予想額をこれまでより一段引き上げ、8円としました。成長を実現するための事業投資を最優先とするのは従来の方針通りですが、利益・資金計画および実績に基づき、本経営計画期間を通じて配当水準を引き上げます。加えて、余剰資金が生じた際は、自己株式取得を機動的に実施することで、資本効率と株主還元水準のさらなる向上を図ります。
4. 経営計画2021の詳細
経営計画2021の詳細については、当社ウェブサイト
(https://www.astellas.com/jp/ja/investors/strategic-plan)をご覧ください。
以上