アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)と、結核と戦うために即効性のある低価格な治療手段を見出すことを目標とする非営利団体であるTBアライアンス(本部:米国ニューヨーク州、代表:Mel Spigelman)は、新規結核治療薬のリード化合物創出に向けた共同研究契約を締結しました。

 結核は結核菌によって起こり、最悪の場合には死に至ります。2019年には全世界で1,000万人が結核に罹患し、140万人もの命が失われました。結核は、経済発展に悪影響を与え、家族、地域社会、さらには国全体を巻き込む貧困をもたらす原因となります。さらに近年、既存の結核治療薬に対する耐性を持つ結核菌が出現し、その治療がますます困難になっており、画期的な新薬が望まれています*1

 アステラス製薬とTBアライアンスは、既に2017年10月から結核菌治療薬の探索に関する共同研究(スクリーニングによるヒット化合物探索プロジェクト、以下、「スクリーニングPJ」)を行っていました。スクリーニングPJで見出したヒット化合物群は、既存の結核治療薬と異なる化学構造を有しており、異なる作用機序を示す可能性が高く、薬剤耐性を持つ結核菌に対する治療への貢献が期待できます。今回の共同研究(以下、「リード化合物探索PJ」)では、スクリーニングPJから得られたヒット化合物群を活用し、薬理活性、薬物動態、安全性を改善したリード化合物を創出することを目指します。なお、本リード化合物探索PJは、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金*2(以下、「GHIT Fund」)から資金提供を受け実施します。

 アステラス製薬は、経営理念のもと、革新的な医薬品を研究開発し患者さんへ届けることにより、保健医療へのアクセス(Access to Health)の向上に注力しています。その中で、アステラス製薬の強みや技術、専門性を活かせる活動として、「イノベーションの創出」、「入手可能性の向上」、「保健システムの強化」、「健康に対する知識・理解の向上」という4つを特定しており、今回の取り組みは「イノベーションの創出」活動の一つです。

 TBアライアンスは、結核治療薬パイプラインとしては最大の30以上のプロジェクトを有し、医薬品開発のパートナーシップを基盤にし、アステラス製薬やGHITをはじめ、さまざまな組織との緊密な協力関係の下、新薬や新規治療法の研究開発および提供を進めています。TBアライアンスは創出した新規結核治療薬や治療法を、必要とする患者さんに確実に届けることを約束いたします。

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