アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米国ニューヨーク州、以下「Pfizer社」)と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤であるXTANDI®(一般名:エンザルタミド*1)について、米国食品医薬品局(FDA)から非転移性去勢抵抗性前立腺がんへの適応を認められ、去勢抵抗性前立腺がんの全患者層に対する治療薬として承認されましたので、お知らせします。

 XTANDI®は、2012年に米国において、ドセタキセルによる化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として承認を取得し、2014年には化学療法施行歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がんにも使用可能になりました。このたびの追加適応の承認取得により、XTANDI®はFDAから非転移性および転移性去勢抵抗性前立腺がんへの適応が認められた初めての治療薬となります。

 Jonathan Simons, M.D., Prostate Cancer Foundation President and CEOは、「今回の承認により、XTANDI®はアンドロゲン除去療法(androgen deprivation therapy: ADT)では効果が不十分な非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんの新たな治療選択肢となりました。私たちは患者さんの転帰改善を目的としたがん治療の研究開発をサポートする財団の一つとして、患者さんのアンメットメディカルニーズに応えていくための重要なステップに立ち会えたことをうれしく思います。」と述べています。

 今回の承認は、第III相PROSPER試験のデータに基づいています。この試験において、ADTとエンザルタミドを投与した群はADT単独治療群と比較して統計学的有意に転移および死亡するリスクが減少しました。無転移生存期間(中央値)は、ADTとエンザルタミドを投与した群では36.6カ月であったのに対し、ADT単独治療群では14.7カ月でした(n = 1401; HR = 0.29 [95% CI: 0.24 - 0.35]; p < 0.0001)。ADT単独治療群と比較して最も多く認められた有害事象(≧10%)は、無力症(40% vs 20%)、ホットフラッシュ(13% vs 7.7%)、高血圧(12% vs 5.2%)、めまい(12% vs 5.2%)、吐き気(11% vs 8.6%)、転倒(11% vs 4.1%)でした。グレード3以上の有害事象は、ADTとエンザルタミドを投与した群では31%、ADT単独治療群では23%認められました。PROSPER試験の結果は、2018年2月の米国臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウム(Genitourinary Cancers Symposium of the American Society of Clinical Oncology: ASCO GU)、および2018年6月発刊のNew England Journal of Medicineにおいて発表しています。

 アステラス製薬は、より早期の患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、去勢抵抗性前立腺がん治療に一層の貢献をしていきます。

 なお、本承認取得による業績への影響は、2019年3月期連結業績予想に織り込み済みです。本件については、米国において、現地時間7月13日に対外発表しています。

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