- アデノ随伴ウイルスを用いた遺伝子治療法の創出を目指す -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)とUniversity of Pittsburgh(米国、以下「ピッツバーグ大学」)は、後眼部疾患の一つである萎縮型加齢黄斑変性の治療に対する開発候補品創出を目的として、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた遺伝子治療に関する共同研究を開始しました。

 加齢黄斑変性は、高齢者における中途失明の主要原因の一つです。特に萎縮型加齢黄斑変性は、網膜の黄斑部において網膜色素上皮細胞が徐々に変性し、重症化すると視力が著しく低下する疾患です。病変に至るメカニズムはいまだ十分に解明されておらず、臨床的に明確な有効性を示す治療法は確立されていません。

 本共同研究では、後眼部疾患研究における世界的権威であるピッツバーグ大学医学部教授Debasish Sinha博士と、創薬ケイパビリティを持つアステラス製薬が協働して、創薬シーズの検証および最適化に取り組み、萎縮型加齢黄斑変性に苦しむ患者さんへ視力の維持や回復をもたらす可能性のある新たな治療選択肢の提供を目指します。なお、アステラス製薬は本共同研究で見いだされた開発候補品に対する開発・商業化に関する独占交渉権を有します。

 Debasish Sinha博士は、「人口の高齢化に伴い、萎縮型加齢黄斑変性による健康への悪影響とそれにかかる医療費は今後10年で劇的に増加するでしょう。進行性の滲出型加齢黄斑変性に対する効果的な治療法は開発されている一方で、現在、萎縮型加齢黄斑変性の有効な治療法や予防法は見いだされていません。アステラス製薬との協働により、革新的な治療法の開発に向けて前進できることを期待しています」と述べています。

 アステラス製薬研究本部長の岩井晃彦は、「アステラス製薬では、「再生と視力の維持・回復」および「遺伝子治療」を研究開発戦略上のPrimary Focusに位置づけています。開発中の細胞治療プログラムに加え、今回の共同研究を通じて、アンメットメディカルニーズの高い萎縮型加齢黄斑変性に悩む患者さんに治療手段を届けるための取り組みを加速することができると確信しています。私たちは、国内外の大学、研究機関およびバイオベンチャーなどとの提携やパートナーシップを通じて様々な優れたケイパビリティを積極的に取り入れながら、科学の進歩を患者さんの価値に変えるための革新的な医療ソリューション創出を目指していきます」と述べています。

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