- 中間解析での良好な結果に基づき臨床試験を早期に終了 -
- グローバルにおける承認申請を支持し、米国での迅速承認を正規承認に変えうる、臨床的な有用性を確認 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Seattle Genetics, Inc.(以下、「Seattle Genetics社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate: ADC)であるPADCEV®(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))の第III相試験(EV-301試験)に関して、化学療法と比較して主要評価項目である全生存期間(OS)が統計学的に有意な延長を示したことを発表しました。本試験の結果は、中間解析を経て、独立データモニタリング委員会により評価され、試験を早期に終了しています。本試験は、白金製剤を含む化学療法および抗PD-1抗体薬または抗PD-L1抗体薬による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がんの成人患者を対象とし、PADCEV®投与群と化学療法群とを比較したものです。

 本試験において、PADCEV®はOSを有意に延長し、死亡リスクを30%減少させました(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.56, 0.89、p=0.001)。また、PADCEV®は副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、疾患の進行または死亡のリスクを臨床的に有意に39%減少させました(ハザード比:0.61、95%信頼区間:0.50, 0.75、p<0.00001)。

 PADCEV®投与群で認められた有害事象は米国での添付文書に記載されているものと同等であり、最も頻度の高いグレード3以上の有害事象は発疹、高血糖、好中球数減少、疲労、貧血、食欲減退でした。本試験の詳細なデータは、今後の学会で発表される予定です。本試験における化学療法群の患者には、今後PADCEV®を投与する機会が提供されます。

 EV-301試験の結果は、米国での2019年の迅速承認後の検証試験として米国食品医薬品局(FDA)に提出される予定であるほか、その他の地域での承認申請にも使用されます。

 2020年には全世界で約58万人が膀胱がんと診断されると言われています*1。尿路上皮がんは膀胱がん全体の90%を占めており、腎盂、尿管および尿道にもみられます*2。初期治療として白金製剤を含む化学療法が無効となった進行性尿路上皮がん患者の約80%で、抗PD-1抗体薬または抗PD-L1抗体薬は奏効しません*3

 なお、日本において、エンホルツマブ べドチンは承認申請に向けた開発段階にあります。

 本件については、米国において現地時間9 月18日に対外発表しています。

以上

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