アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、日本において2010年6月に承認申請していた過活動膀胱治療剤「ベタニス®錠」(一般名:ミラベグロン)について、本日、過活動膀胱(OAB*)における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁の効能・効果で製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。

  「ベタニス錠」はアステラス製薬によって創製・開発された1日1回経口投与の選択的β3アドレナリン受容体作動性の過活動膀胱治療剤です。同剤は、膀胱平滑筋に存在するβ3アドレナリン受容体を選択的に刺激し膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高めることにより、OABにおける尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁などの症状を改善します。国内で実施した第III相臨床試験では、主要評価項目である24時間あたりの排尿回数の平均変化量において、プラセボ群との比較でミラベグロン群の有効性が認められました。

  現在、アステラス製薬はミラベグロンをグローバルで開発していますが、米国・欧州で実施した第III相臨床試験においても申請可能な結果が得られ、米国と欧州についても2011年度第2四半期での申請を予定しています。また、アジア地域では、中国・韓国・台湾・インドにおける国際共同試験として第III相臨床試験を実施中です。

  アステラス製薬は、2006年に日本でベシケアを発売以来、OABに伴う諸症状に苦しむ患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献しています。現在、OAB治療薬においては、ベシケアに代表される抗コリン剤が標準治療薬となっています。当社は、ベシケアに加えて、OAB治療薬として世界初のβ3アドレナリン受容体作動性の過活動膀胱治療剤「ベタニス錠」を世界に先駆けて日本市場に投入することにより、『新たな選択肢』を提供することで、OAB治療に貢献ができるものと考えています。

*OAB=Overactive Bladderの略。 尿意切迫感を必須症状とし、頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁などの症状症候群です。日本においては、40歳以上の男女の8人に1人が過活動膀胱の患者であると推定されており、これらの症状は患者さんの日常生活に大きな支障をきたし、煩わしさや精神的苦痛を与えるなど、QOLを低下させる要因となっています。

 

以 上


承認内容の概要は以下の通りです。
製品名 ベタニス®錠25mg/50mg(英名:Betanis)
一般名 ミラベグロン(英名:mirabegron)
効能・効果 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
用法・用量 通常、成人にはミラベグロンとして50mgを1日1回食後に経口投与する。
なお、動物実験(ラット)の所見との関連で、「警告」として、生殖可能な年齢の患者への本剤投与はできる限り避けること、と記載されています。

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