アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、日本において2011年3月に承認申請していた高リン血症治療剤「キックリン®カプセル」(開発コード:ASP1585、一般名:ビキサロマー)について、本日、透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善の効能・効果で製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。

  腎機能が低下した透析患者の多くでは、腎臓からリンが十分に排泄されなくなるため、体内にリンが蓄積して高リン血症を発症します。高リン血症が持続すると、骨が痛んだり骨折しやすいなどの症状を特徴とする腎性骨症や、心血管系組織の石灰化による虚血性心疾患のリスクが高くなることが知られており、透析患者では血清リン濃度を適正値に維持することは極めて重要とされています。

  キックリンカプセルは、アミン機能性ポリマーであり、消化管内でリン酸と結合し体内へのリン酸吸収を阻害することにより、血清リン濃度を低下させることが期待されます。国内で実施した透析中の慢性腎不全患者を対象とした第III相試験において、血清リン濃度の低下作用及び長期投与時における安全性が確認されました。

  アステラス製薬は、2006年4月、米国イリプサ社(現アムジェン子会社)と、同社が創製したキックリンカプセルの日本での独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を締結し、日本での開発を手掛けてきました。今回の承認取得に伴い、アステラス製薬はマイルストンとして22百万ドルをイリプサ社に支払いますが、その影響は、当期(2012年3月期)業績予想に織り込んでいます。

  また、アステラス製薬と株式会社三和化学研究所(本社:名古屋市、代表取締役社長:山本 一雄、以下「三和化学研究所」)が2012年2月に合意した国内腎疾患領域医薬品市場における戦略的提携に基づき、キックリンカプセルについては、アステラス製薬が販売し、アステラス製薬と三和化学研究所で共同販促を実施する予定です。

  アステラス製薬は、キックリンカプセルを日本市場に投入することにより、新たな選択肢を提供することで、高リン血症治療に貢献ができるものと考えています。なお、発売時期、売上規模等は、わかり次第、お知らせいたします。

 

以 上

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