アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、米国子会社であるアステラス ファーマ US, Inc.(本社:イリノイ州ノースブルック)とジェネンテック社(英名:Genentech)が米国で共同販促をするHER1/EGFRチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ®(一般名:エルロチニブ)に関し、米国食品医薬品局(FDA)より既承認の診断法で確認されたEGFR遺伝子変異を有する転移性の非小細胞肺がんに対する一次治療の追加適応症について、FDAから承認を取得しましたので、お知らせします。また、FDAは本適応症の承認と同時に、ロシュ・モレキュラー・ダイアグノスティック社によって開発された、EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者の同定を目的とするコンパニオン診断薬(cobas® EGFR Mutation Test)についても、承認を通知しています。
FDAによるタルセバの追加適応承認は、第III相試験(EURTAC試験)の結果に基づくものであり、本試験ではEGFR遺伝子変異を有する進行性の非小細胞肺がん患者を対象に、プラチナベースの化学療法と比較したタルセバの一次治療としての有用性を評価しました。本試験において、タルセバによる治療ではプラチナベース化学療法と比較して、無増悪生存期間(中央値)の延長を示しました(10.4ヵ月対5.2ヵ月、ハザード比 0.34、p<0.001[95%CI 0.23~0.49])。また、腫瘍縮小(奏効率による効果判定)は、タルセバによる治療、プラチナベース化学療法を受けた患者のそれぞれ65%、16%に認められました。EURTAC試験におけるタルセバ群の安全性プロファイルは、非小細胞肺がん患者に対しこれまでに行われたタルセバの臨床試験結果と同様であることが確認されました。
アステラス製薬は、このたびのタルセバの追加適応症の承認取得により、肺がん治療に新たな選択肢を提供するとともに、Precision Medicine創薬アプローチを通じたがん治療への一層の貢献ができるものと期待しています。
本件については、米国において、現地時間5月14日に対外発表しています。
以 上