アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁、以下「アステラス製薬」)は、このたび、免疫抑制剤「プログラフ®」(一般名:タクロリムス水和物)に関し、日本において2008年9月に「重症筋無力症」の追加適応症について承認を申請しましたが、2009年10月16日付けで承認を取得しましたので、お知らせします。プログラフは、すでに2000年9月に「全身型重症筋無力症(胸腺摘出後の治療において、ステロイド剤の投与が効果不十分、又は副作用により困難な場合)」を効能・効果として、承認を取得していますが、今回、既承認効能・効果以外の重症筋無力症への適応拡大を含む、「重症筋無力症」を効能・効果として承認を取得しました。

   重症筋無力症とは、神経と筋肉の接合部分の異常のために、易疲労性及び筋力低下を生じる自己免疫疾患です。これは、主に神経筋接合部において、神経伝達に関与しているアセチルコリン受容体に対して、自ら産生する抗アセチルコリン受容体抗体が障害を引き起こすことが原因と考えられています。この抗体はB細胞によって産生されますが、このB細胞の抗体産生は、T細胞から産生されるさまざまなサイトカインの刺激により活性化すると言われております。タクロリムスはこれらのサイトカインの産生を抑えることにより、B細胞からの抗体産生を抑制し、重症筋無力症に対して効果を発揮すると考えられます。

   タクロリムスは、アステラス製薬が創製した免疫抑制剤です。現在、プログラフの製品名のもと、臓器移植における拒絶反応抑制剤として80以上の国と地域で発売しています。日本においては、さらに骨髄移植、全身型重症筋無力症、関節リウマチ、ループス腎炎、潰瘍性大腸炎の適応症を追加取得しています。また、プログラフに加えて、タクロリムス1日1回投与の徐放性製剤について日本(製品名:グラセプター®)、欧州(製品名:アドバグラフ®)をはじめ、29の国と地域で発売しています。

   このたびの承認取得により、同剤が日本における重症筋無力症に対する薬物療法の新たな選択肢として貢献できるものと考えています。

 

以   上

メディアからのお問い合わせ
広報
TEL: 03-3244-3201 
受付時間:月曜~木曜日 8:45~17:45、金曜日 8:45~16:00(土日・祝日・会社休日を除く)