アステラス製薬株式会社(代表取締役社長:畑中 好彦、本社:東京都中央区、以下「アステラス製薬」)と第一三共株式会社(代表取締役社長:中山 讓治、本社:東京都中央区、以下「第一三共」)は、両社における革新的な新薬の創出を目指し、それぞれが保有する化合物ライブラリーの内、交換可能な約40万化合物を、相互に交換・利用する提携契約を締結しましたので、お知らせします。
アステラス製薬と第一三共は、創薬の基盤となる化合物ライブラリーを有しており、それを用いたハイスループットスクリーニング(HTS:High Throughput Screening)1)により、短期間で効率的に新薬の種となる候補化合物を探索しています。保有する化合物ライブラリーが多数・多様・高質であることは、新薬探索の成功の重要な鍵になります。
今回の提携では、両社それぞれの対象疾患戦略に基づき構築された質的に異なる化合物ライブラリーへの相互アクセスを可能とし、より幅広いHTSを実施することにより、両社における革新的な新薬の創出を図ります。このような大規模な化合物ライブラリーの相互利用は、本邦において初めての試みになります。
本提携契約に基づき、アステラス製薬と第一三共は、それぞれが保有する化合物ライブラリーの内、自社合成化合物を相当数含む交換可能な約40万化合物を相互に交換します。両社は、2014年4月1日から3年間、疾患領域を制限されることなく、相手方から受領した化合物を用いて幅広いHTSを実施することができます。併せて、受領会社が独自にHTSを実施できる十分な情報を相互に開示し、効率的にHTSを実施していきます。
受領会社によるHTSの結果、新薬の種となる候補化合物が得られた場合、受領会社は、契約条件に従い、すべてのヒト疾患を適応疾患として、その化合物に基づき研究、開発および商業化することができます。
アステラス製薬および第一三共は、世界の人々の健康に貢献していくことをそれぞれ企業理念に掲げています。今回の提携により、一製薬企業という枠を超え、両社が保有する資産・英知を有効に活用し、自社の強みを活かしながらオープンイノベーションを加速し、革新的な医薬品を提供することを目指します。
高度にシステム化された手法で、非常に多数の化合物から創薬標的に反応する分子を高速にスクリーニングする方法をいいます。創薬の初期において重要な役割を担っており、新薬の種につながる良好な候補化合物を発見するための技術です。
以上