アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁)は、下痢型過敏性腸症候群治療剤「イリボー®錠2.5μg/5μg(一般名:ラモセトロン塩酸塩)」について、「男性における下痢型過敏性腸症候群」を効能・効果として、本年10月7日に国内で新発売しますので、お知らせします。

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)は器質的疾患を伴わず、腹痛・腹部不快感と便通異常(下痢、便秘)を主体とし、それらの消化器症状が長期間持続もしくは悪化・改善を繰り返す機能性疾患です。過敏性腸症候群の便通異常や腹部症状は、ストレスをはじめとする種々の病因によって引き起こされ、最終的には腸管神経の過緊張に伴う腸の運動機能亢進によって生ずると考えられています。IBSはその病態から、下痢型、便秘型および両方を繰り返す交替型の3つに分類されますが、日本における成人のIBS全体の有病率は12.5%との報告があり、患者数は約1,200万人と推定されています。また、IBSは若年層に多く、男性では下痢型が多い傾向があります。

「イリボー錠」は、アステラス製薬によって創製されたセロトニン5-HT 3受容体拮抗剤です。セロトニンは、神経伝達物質の1つで、消化管の運動に大きく関係しています。ストレスなどによって遊離が促進されたセロトニンが、腸管神経に存在する5-HT3受容体を活性化することにより、消化管運動を亢進させ、便通異常を引き起こします。また、腸が受けた刺激によってもセロトニンが遊離し、求心性神経終末の5-HT3受容体に結合することで、脳に痛みを伝えます。
「イリボー錠」は、5-HT3受容体を選択的に阻害することで、消化管運動亢進に伴う便通異常(下痢・排便亢進)を改善するとともに、大腸痛覚伝達を抑制し、腹痛及び内臓知覚過敏を改善することが期待できます。

アステラス製薬は、今回の「イリボー錠」の新発売により、同剤が過敏性腸症候群の新たな治療の選択肢として、貢献できるものと期待しています。

「イリボー錠2.5μg/5μg」の概要は別紙のとおりです。

 

〔記〕

[商 品 名]      イリボー錠®2.5μg/5μg(英名:Irribow)

[一 般 名]      ラモセトロン塩酸塩(英名:ramosetron hydrochloride)

[効能・効果]      男性における下痢型過敏性腸症候群

[用法・用量]      通常、成人男性にはラモセトロン塩酸塩として5μgを1日1回経口投与する。
                            なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10μgまでとする。

[特   徴] 1. 国内初、セロトニン5-HT3受容体拮抗作用に基づく男性における下痢型過敏性腸症候群(下痢型IBS)治療薬です。
2. 下痢、腹痛・腹部不快感など、男性の下痢型IBSに伴う諸症状に1日1回投与で優れた改善効果を示します。
3. ストレスによる脳腸相関の異常を改善します。
4. 長期にわたる男性の下痢型IBS治療が可能です。
5. 国内開発試験における安全性解析対象例(男女)921例中、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は259例(28.1%)に認められました。主な副作用症状は硬便65例(7.1%)、便秘63例(6.8%)でした。また、主な臨床検査値異常はALT(GPT)上昇12例(1.3%)、γ-GTP上昇12例(1.3%)でした。(承認時)
なお、重大な副作用として、抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)の治療のためにラモセトロン塩酸塩を静脈内投与された患者において、ショック、アナフィラキシー様症状が報告されています。また、類薬では海外において、虚血性大腸炎、重篤な便秘が報告されています。

[包   装]      イリボー錠2.5μg:100錠(10錠×10)*、140錠(14錠×10)、500錠(バラ)*、
700錠(14錠×50)
イリボー錠 5μg:100錠(10錠×10)*、140錠(14錠×10)、500錠(バラ)*、
700錠(14錠×50)

[薬   価]      イリボー錠2.5μg           :86.30円
                         イリボー錠 5μg           :141.10円

[薬価収載日]      2008年9月12日

[発 売 日]      2008年10月7日

*100錠(10錠×10)、500錠(バラ)包装につきましては12月頃の発売を予定しています。

 

以上

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