アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、新薬創出力の更なる強化を図るため、研究体制の再編と、新たな仕組みの導入を決定しましたので、お知らせします。

 今回の改革は、研究開発に関わる経営資源配分の最適化により、 i) 外部資源の更なる活用、ii) 新規領域と再生医療やワクチンなどの新技術への取り組み、iii) 有望な前臨床開発プロジェクトの加速、iv) 後期臨床開発プロジェクトへの十分な資源投下、を目的として行うものです。

 具体的な取り組みは、以下のとおりです。

Astellas Innovation Management(AIM)の設置
前臨床開発段階における外部イノベーション機会の探索・獲得活動を強化するため、これまでAstellas Venture Management LLC(AVM)を含む複数部門が行っていた外部イノベーション機会の探索・獲得機能を統合し、新たにAstellas Innovation Management(AIM)を2013年10月に設置する予定です。AIMの設置により、従来のAVMの強みを活かしながら、バイオベンチャーやアカデミアなどからより幅広く、かつ体系的にイノベーション創出の機会獲得を目指します。

研究マネジメント体制の強化
各疾患領域毎の研究ユニットに、開発候補品探索におけるより幅広い権限と責任を付与し、各領域の研究の自律性と機動性を高めていきます。AIMとの連携や社内外の知見を積極的に取り入れる活動をはじめとして、新規領域ならびに新技術を含む先端サイエンスに、常に挑戦し続けることができる新たな研究体制の構築を目指します。

研究プロセスの複線化
従来から取り組んできた「マルチトラックR&D」を、より早期の研究段階から積極的に推進します。具体的には、優先度の高い研究プロジェクトは、“Fast Track”と位置づけ、重点的に経営資源を投入することにより、研究開発期間の一層の短縮化を図ります。また、ユニークで挑戦的な研究プロジェクトの一部を、“Ex. Track”と位置づけ、外部資源も柔軟に活用しながら効率的にPOC(Proof of Concept:概念実証)の取得を目指します。

研究機能の最適化
経営資源の戦略的な再配分、およびオペレーションの高質化・効率化を目指し、以下の再編を行います。

①研究組織の閉鎖および縮小
(2013年度内予定: 一部の機能はつくば研究センターへ移転)
・OSI ファーマシューティカルズ社(米国):閉鎖
・パーシード セラピューティクス社(米国):閉鎖
・アステラス リサーチ インスティテュート オブ アメリカ社(米国):縮小
(中枢神経領域のみに集中)
・自社による醗酵創薬研究からの撤退
② 加島事業所(大阪府)の閉鎖 (2015年度内予定)
加島事業所にある複数の機能を、つくば研究センターを含む適切な場所に統合・移転します。

本再編に関し、約110億円の特別損失(研究所の閉鎖に伴う損失等)を2014年3月期通期業績予想に織り込んでいます。

 また、今回の研究体制の再編と併せて、全社的なオペレーションの高質化に向けた取り組みの一環として、東京都板橋区蓮根地区に拠点を置く臨床開発および信頼性保証などの機能を、2014年4月に東京都中央区日本橋の本社近隣のオフィスビルへ移転・集約する予定です。

 今回の取り組みにより、世界最先端のサイエンス(Best Science)に基づいて、社内外を問わず最適な人材・研究者(Best Talent)を登用し、最適な環境(Best Place)で研究活動を機動的に展開し、新薬創出力を強化していきます。

以上

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