アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、サンフランシスコで開催された2018年米国泌尿器学会(AUA 2018: American Urological Association 2018)年次総会のLate-breaker Abstractセッションにおいて、ミラべグロン*1(一般名)の製造販売後臨床試験(MATCH試験)結果が口頭発表されたことを、お知らせします。前立腺肥大症(BPH)にタムスロシン*2(一般名)を投与後、過活動膀胱(OAB)が残存した男性患者に対してミラべグロンを追加投与したMATCH試験において、ミラべグロン群はプラセボ群と比較して、主要評価項目である24時間当たりの平均排尿回数が有意に低下しました。また、忍容性は良好で、QOLスコアの有意な改善を示しました。
AUA 2018で発表した国立大学法人旭川医科大学 腎泌尿器外科学講座 柿崎秀宏教授は、「これまでの治療経験のなかで、タムスロシンにミラベグロンを追加投与する治療は有用であると感じていましたが、明確なエビデンスはありませんでした。今回、プラセボ比較無作為二重盲検試験のMATCH試験でその有用性が証明されたことは大変意義があります。また、世界に先駆けてミラベグロンが発売された日本において、このようなエビデンスが得られたことをうれしく思います。この治療法は、タムスロシン投与後にOABが残存する男性患者さんの有用な治療選択肢となることが期待できます。」と述べています。
MATCH試験では、背景因子を調整した24時間当たりの平均排尿回数のベースラインから投与終了までの平均変化量は、ミラべグロン群 –1.27、プラセボ群 –0.75であり統計的に有意な差が認められました(–0.52; p<0.001)。ミラべグロン群は1回当たりの平均排尿量およびOABSS*3においてもプラセボ群より有意に優れていました。尿意切迫感回数、切迫性尿失禁回数および夜間排尿回数では、ミラべグロン群はプラセボ群と比べて統計的に有意な差はありませんでした。また、OAB-q*4の評価における症状の煩わしさおよび全般的健康関連QOLスコアで、ミラべグロン群はプラセボ群を有意に上回りました。有害事象の発現率はミラべグロン群23.4%、プラセボ群22.5%でした。尿閉および心血管系イベントの発現率において両群に大きな差は認められませんでした。

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