アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(以下「ゲイツ財団」)が、就学前児童の住血吸虫症(別名:ビルハルツ住血吸虫症)に有効な小児用製剤の開発を進め、アステラス製薬が参画している国際的な官民パートナーシップ (PPP)に対し、第一相臨床試験前の研究開発活動を支援するために、115万ドルの助成金を提供することを、お知らせします。

本PPPは、昨年7月に創設されましたが、TI Pharmaをコーディネーターとするこのコンソーシアムの現在のパートナーは、アステラス製薬の他、Merck KGaA、スイス熱帯公衆衛生研究所(以下「Swiss TPH」)です。

住血吸虫症は、寄生虫を原因とする重い慢性疾患であり、78ヵ国の発展途上国に蔓延し、世界全体で毎年2億4,300万人以上の人々が感染しています。住血吸虫症は、マラリアに次ぐ規模で世界的に蔓延している熱帯病であり、安全な飲み水や適切な衛生状態の確保が困難な発展途上国を中心に発生しています。この疾患は、適切な治療を受けない場合、貧血や成長阻害、学習能力の減退に繋がることもあり、更には、命にかかわることさえあります。

このコンソーシアムの目的は、世界で1,000~2,000万人にのぼる、住血吸虫症への感染リスクが高い集団である就学前児童のための小児用製剤を開発することです。プラジカンテルによる標準的な推奨治療では、成人および6歳以上の児童を対象とした経口の錠剤が用いられますが、低年齢の児童には、錠剤の大きさや苦みのため、服用できない場合があります。そのため、適切なプラジカンテル治療がない就学前児童でも服用できる小児用製剤の開発が求められていました。

今回のゲイツ財団からの助成金は、コンソーシアムのパートナーであるMerckに提供され、本小児用製剤が第一相試験に入るために必要な研究開発活動に使用されます。また、この助成金により、住血吸虫症の専門家の参画が可能となり、小児にとって最適な製剤の開発にも繋がります。

コンソーシアムBoardの議長で、Merckのバイオ医薬品部門であるMerck Seronoのグローバル・ドラッグ・ディベロップメント・アンド・メディカル・ヘッドのアンナリーザ・ジェンキンス氏は、「ごく低年齢の児童に対する住血吸虫症の治療が早急に必要とされていますが、現在承認されている治療法はありません。今回のゲイツ財団の支援は、住血吸虫症の制圧を究極の目的として、感染リスクが高い集団への新たな選択肢を提供する重要な一歩となります。」と述べています。

 
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