アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)とユーシービージャパン株式会社 (本社:東京都新宿区、社長:ジョエル・ピーターソン、以下「ユーシービージャパン」、また、ユーシービーグループを総称して以下「UCB」)は、本日、両社で共同開発・商業化を進める、PEG化*1抗TNF-α(腫瘍壊死因子α)抗体「セルトリズマブ ペゴル」(一般名、日本での製品名「シムジア®」欧米での製品名Cimzia®)について、日本で効能・効果追加の申請をしましたので、お知らせいたします。

原則として「シムジア」の使用は既存治療で効果不十分な関節リウマチ(RA)に限定されておりますが、今回の効能・効果追加は、抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも関節の構造的損傷の進展が早いと予想される患者さんに投与を可能とするものです。

今回の申請は、メトトレキサート(MTX)投与歴がない発症後1年以内の患者さんを対象としてセルトリズマブ ペゴル(CZP)及びMTX併用、あるいはMTX単独で治療したときの関節の構造破壊の進行抑制、臨床的有効性及び安全性に関する第Ⅲ相C-OPERA試験の結果に基づいて行いました。

シムジア®は、世界初のPEG化抗TNF-α抗体医薬品です。本剤は、関節リウマチなどの炎症性疾患の発症や悪化に関与するTNF-αに強い親和性を示し、TNF-αの作用を選択的に阻害します。本剤は、ヒト化抗体のFc部分を除いたFab部分*2にPEGを結合させることで血中半減期が延長されるため、関節リウマチ治療において2週に1回あるいは月1回の皮下投与で効果を示します。本剤は、既に海外臨床試験においてMTX併用で、導入治療及びその後の維持治療において速やかに症状および徴候が改善し、その後も効果が維持されることが確認されています。また、関節の骨破壊の進行を抑制することも明らかにされています。国内臨床試験においても、MTX併用の有無に関わらず速やかに症状および徴候が改善し、その後も効果が維持されること、関節の骨破壊の進行を抑制することが確認されています。シムジア®は、関節リウマチ患者さんが使いやすい形状に配慮したプレフィルドシリンジで、医師により適用が妥当と判断された場合には、自己投与も可能となっており、有効性、安全性に加え、患者さん自身による使用にも配慮した製剤で、関節リウマチ患者さんの症状改善、QOL及びアドヒアランス*3向上に重要な役割を果たすものと期待しています。

アステラス製薬とUCBは、2012年1月にシムジア®の日本における共同開発・商業化契約を締結しました。シムジア®については、同年12月にユーシービージャパンが日本において製造販売承認を取得し、2013年3月に発売しております。今回の申請に伴い、アステラス製薬はマイルストンをUCBに支払いますが、当期(2015年3月期)業績に与える影響は軽微です。

アステラス製薬とUCBは、シムジア®の効能・効果追加により、関節リウマチ疾患治療の向上に、より一層貢献ができるものと考えています。

*1: 抗体をポリエチレングリコール(PEG)で修飾すること

*2: 抗体はY字に似た構造を持ち、上部のFab(抗原認識部位)と下部Fc(補体結合部位)に分かれている

*3: 患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること

 

以上

メディアからのお問い合わせ
広報
TEL: 03-3244-3201 
受付時間:月曜~木曜日 8:45~17:45、金曜日 8:45~16:00(土日・祝日・会社休日を除く)