アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:竹中 登一、以下「アステラス製薬」)は、本日、免疫抑制剤「プログラフ®カプセル0.5mg/1mg」(一般名:タクロリムス水和物)について、「関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を適応とした効能・効果の追加承認を国内で取得しましたので、お知らせします。
本剤は、「肝移植における拒絶反応の抑制」を適応として1993年6月より国内で販売を開始し、その後順次、効能・効果を追加してきました。「関節リウマチ」への適応拡大につきましては、2002年11月に承認申請を行い、本日の承認取得となったものです。なお、本適応へは本日より使用可能となります。
関節リウマチは、関節を病変の主座とする難治性の炎症性疾患です。滑膜の炎症によって血管新生が起こり、様々な血球,マクロファージ,リンパ球の浸潤と共に滑膜組織が増殖することによって骨・軟骨の破壊が引き起こされ、関節機能の低下へと至ります。関節リウマチの病因には、T細胞の関与が強く示唆されていますが、最近では特に、T細胞とマクロファージなどの抗原提示細胞から産生される炎症性サイトカインが、関節において種々の炎症反応を引き起こすことが明らかとなってきています。
「プログラフ®」は、T細胞の増殖・分化および炎症性サイトカインの産生を阻害することにより、サイトカインが誘導する一連の反応を抑制する薬剤です。従来の抗リウマチ剤とは異なる作用機序により、関節における骨・軟骨の破壊を抑制し、さらには疼痛を抑える効果が見込まれます。このたびの「関節リウマチ」への効能・効果追加によって、既存治療で効果が不十分な患者さんに新たな治療オプションを提供することとなり、関節リウマチ治療に貢献できるものと期待しています。アステラス製薬では、本製品を安全かつ適正にご使用頂くために、当初はリウマチ専門医の皆様方を中心に的確な情報伝達を行っていきます。
なお、「プログラフ®カプセル0.5mg/1mg」の概要は下記の通りです。
[記]
商品名 | プログラフ®カプセル0.5mg/プログラフ®カプセル1mg |
一般名 | タクロリムス水和物 |
今回追加された効能・効果 | 関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る) |
用法・用量 | 通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。 なお、高齢者には1.5mgを1日1回夕食後経口投与から開始し、症状より1日1回3mgまで増量できる。 |
包装 | カプセル 0.5mg,カプセル 1mg |
薬価 | 0.5mg 588.50円,1mg 1,034.70円 |
追加承認日 | 2005年4月11日 |
以上