アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、FLT3/AXL阻害剤であるギルテリチニブ(一般名、開発コード:ASP2215)が、FLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病を予定される効能・効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けましたのでお知らせします。
日本における希少疾病用医薬品の指定制度は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少なく、研究開発が十分に進んでいない医薬品等の開発を支援することを目的としています。医薬品医療機器等法第77条に基づき、対象患者数が本邦において5万人未満であること、代替する適切な医薬品等または治療法がないこと、既存の医薬品等と比較して著しく高い有効性または安全性が期待されることなどの条件に合致するものとして、厚生労働大臣が指定するものです。具体的な支援内容は、試験研究費への助成金交付、優先的な治験相談、治験相談手数料の減額、税制措置上の優遇、優先審査の実施、審査手数料の減額、および再審査期間の延長です*1。
急性骨髄性白血病(AML: Acute Myeloid Leukemia)は血液と骨髄に影響を及ぼし、高齢者が多く罹患するがんであり、加齢とともに患者数が増加します。日本では毎年約5,500人が新たにAMLと診断されます*2。がん細胞の増殖に関与する受容体型チロシンキナーゼであるFLT3およびAXLを阻害するギルテリチニブは治験中の化合物です。AML患者の約1/3で認められるFLT3の2つの遺伝子変異である遺伝子内縦列重複変異(ITD: Internal Tandem Duplication)とチロシンキナーゼドメイン変異(TKD: Tyrosine Kinase Domain)の両方を阻害します。さらに、ギルテリチニブはAML細胞株のAXL受容体に対する阻害効果も示します。
アステラス製薬は、FLT3遺伝子変異陽性AML患者さんにギルテリチニブを一日でも早く届けられるよう、引き続き取り組んでまいります。
以上
*1: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html
*2: KantarHealth. TREATMENT ARCHITECTURE: JAPAN LEUKEMIA, ACUTE MYELOID. CancerMPact® Japan, February 2017.