サイエンス
2020.12.23

アステラスの強みである最先端の医療技術と、異分野の先端技術を融合 ~Rx+

アステラスの強みである最先端の医療技術と、異分野の先端技術を融合 ~Rx+®

製薬会社のアステラスが製薬以外の事業に乗り出すユニークな取り組みが本格化したのは、Rx+事業創成部が新設された2018年4月。アステラスがビジョンで掲げている「患者さんの価値」とは何かを改めて追求し、Rx+®事業創出への道を切り拓いてきました。

 

 


 

Rx+事業創成部が新設される前のアステラスは患者さんが人生で経験するペイシェントジャーニー(診断、予防、治療および予後管理を含む医療シーン全般)において、医療用医薬品(Rx)事業を通じ「予防」と「治療」という面で患者さんに価値を提供していました。Rx+事業創成部を新設した目的は、Rx事業で培ったアステラスの強みをベースに、最先端の医療技術と異分野の先端技術を融合させることで、Rxでは満たせないニーズに応えるためにペイシェントジャーニー全体において患者さんに価値を提供し、かつ単独で収益を生み出せる事業を創出することです。 

Rx+事業創成部新設の5か月ほど前の2017年暮れ、渡辺勇太は、当時副社長だった安川健司(2018年4月に社長CEO就任)に呼ばれて、Rx+事業創成部の部門長就任を打診されました。渡辺は「いよいよ、本格的に会社としてRx以外の事業に取り組むことを決めたのだな」と感じたと言います。安川から医療変革や、スタートアップ事業などに関する5冊の本を渡された渡辺。その際に安川から「こういうものは何事を持ってしても本人のやる気次第、胆力次第である。もし迷いや不安があるのであれば、それは率直に言ってくれ」と言われ、渡辺は正月休み返上で本を読みました。

年明けに、渡辺は安川に決意を伝えました。「ぜひやらせてください」――。
 

RX 画像

Rxの経験を活かし、新たなヘルスケアソリューションを創出

渡辺はRx+事業創成部の部門長を引き受けた経緯を語ります。「Rx以外の事業に対する検討が進んでいることは社内で誰もが知っていました。私自身はこの検討のことを、医療環境に新しいソリューションを提供していくための先進的な取り組みとして、ポジティブにとらえていました。その当時、患者さんが人生で経験するペイシェントジャーニーに鑑みるとアステラスが貢献できるシーンは限定的でした。これまでとは違う方法論で社会や患者さんに価値を提供することはとても意義の大きなことですので、ぜひ新たなヘルスケアソリューションの創出を実現したいと思いました」

安川から部門長を打診された当時、渡辺は担当していたRxの開発部門の年度計画、中期計画をほぼ策定し終えた段階であり、「いよいよこれを実行に移すぞ」という気持ちでいたことから、後ろ髪を引かれる思いもありました。「安川から、すでに社内にはいくつかRx+®に関するアイデアが存在しており、そのアイデアを事業化に向けて進めていくことが次のアクションだと言われました。その時に、Rx+®も開発実行のフェーズに来ているのだなと感じました。そこで、私はRxの開発部門の経験を活かすことを期待されて、今度はRx+®事業の開発にアサインされたのだと思いました。Rx+®では医療機器やデジタルなどを取り扱います。扱う製品の種類はRxとは違いますが、開発という意味では自分自身の経験が生きる、『これは面白そうだ』と考えて、渡辺は安川の打診を快諾しました。」

さらに渡辺は、Rx+®事業について以下のように説明を続けます。「アステラスのビジョン『科学の進歩を患者さんの価値に変える』を推進するためには、Rx事業を越えた新規事業を創出する必要がありました。また、進歩著しいヘルスケアテクノロジーと、アステラスにはない異分野の先端技術を併せることで、これまでにない価値を生み出すことができます。アステラスのRx+®事業は、決して自社Rx製品に付随するものではなく、単独で収益を生みだす新たな製品あるいはサービスでなくてはいけません」
 

科学的根拠に基づくヘルスケアソリューションによって、心身ともに健康に、自分らしく生きることができる社会、Rx+ Story®の実現を目指して

アステラスとしてどのようにRx+®事業に取り組んでいくのか――。

渡辺は新規事業創出に向けて、熱い想いを持って日夜業務に取り組んでいる部員を集め、ワークショップや意見交換を実施しました。新規事業を推進するにあたって「内発的動機」(強い意志と動機づけ)が重要となることから、「社会に提供したい価値」、また「仮に社内で反対意見が出たとしても、社会に向けて実現したいことは何か」について、各自の想いを、キーワードを出し合いながら言語化しました。

「将来について検討する際、過去や現状の知識や経験から未来を予測する、『Forecasting』という思考法がしばしば用いられます。不確実性が高まる世界では『実現したい社会』を思い描き、これを手繰り寄せて実現するために、自らが今、何をすべきか考えるという未来起点の発想法が重要です。こうして策定されたのがアステラスのRx+ Story®です。『科学的根拠に基づくヘルスケアソリューションによって、心身ともに健康に、自分らしく生きることができる社会』が、アステラスがRx+®によって実現したい社会です」と渡辺は語ります。


 

【用語解説】アステラスの提唱する「Rx+ Story®」とは?

【用語解説】
アステラスの提唱する「Rx+ Story®」とは?

「科学的根拠に基づくヘルスケアソリューションによって、心身ともに健康に、自分らしく生きることができる社会」――これは、私たちがRx+®事業創出の戦略的方向性として定めた「Rx+ Story®」において目指す社会です。

Rx+ Story®は主に以下の3つの要素で構成されています。

  • Rx+®によって実現したい社会: Rx+ Story®において思い描く社会です。
  • 提供価値: Rx+®事業がその社会を実現するために提供する価値です。
  • スフィア: その価値を提供するために注力する事業領域です。 

Rx+ Story®の各構成要素は不変のものではなく、世の中のニーズの変化、技術の進展、あるいはその時点までの検討を通じて得られた学びに応じて柔軟に変化、アップデートしていきます。

Rx+ Story®の実現に向けて、注力する事業領域「スフィア」を設定

さらに渡辺はこう続けます。「私たちは、(1)パーソナルデータを活用して発症や重症化を予防する、(2)既存の医療手段が利用できない人の選択肢を広げる、(3)身体機能を支えて活動的な暮らしを可能にする――の3つの価値を提供します。そして、具体的に注力する事業領域として、以下の6つを設定し、事業創出活動に鋭意取り組んでいます。アステラスではこれら事業領域を『スフィア』と呼んでいます」


 

【用語解説】アステラスの提唱する「スフィア(事業領域)」とは?

【用語解説】
アステラスの提唱する「スフィア(事業領域)」とは?

現在、Rx+ Story®実現に向けて具体的に注力する事業領域として、以下の6つを設定し、事業創出活動に鋭意取り組んでいます。アステラスではこれら事業領域を「スフィア」と呼んでいます。

  • 慢性疾患の重症化予防
  • 身体・運動機能の補完・代替
  • デジタルxニューロサイエンス
  • 薬が届きにくい患者さん
  • 手術・診断精度向上による患者アウトカム最大化
  • 感覚機能の補完・代替

「スフィアにはそのゴールを共有する、つながりを持った複数のプログラムがあります。これらのプログラムを進めるにあたっては、それを担当するビジネスプロデューサー(BP)たちの内発的動機にこだわり、徹底的に議論します。BPは覚悟と胆力が必要です。例えば、ゲーム業界など、私たちとは全く違う異業種の会社に飛び込んでいき、当社の考え方に賛同してもらい、協業するというプログラムもあります。ですから、BPは、その事業を実現させるための強い意志を持ち、伝える力が強く、他人から信頼を得られるような資質を持っていることが重要です」と渡辺は語ります。

このようにアステラスは、Rx+ Story®が描く社会の実現に向けた取り組みに日々邁進しています。


 

【コラム】Rx+®のロゴマーク

【コラム】Rx+®のロゴマーク

コンセプト:
Rxと異分野の融合で新しい「+」(プラス)を生み出し、その「+」を原動力とすることで新たな可能性を無限に創出していくRx+®事業のサイクルを表現


 

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