データ、インフォマティクス、アナリティクス


データ活用による価値向上

ヘルスケアやライフサイエンスのデータが急増し、社会全体に計り知れない価値を生み出しています。アステラスは、これらのデータやデータに対して高度な分析手法を適用して得た知見を基にして、新しい治療法の発見、開発、提供を探求し、患者さんのための新たな価値を生み出し続けます。

アステラスのVISIONは「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」ことです。データの爆発的な増加により、実験室のみで革新的なサイエンスを生み出す時代ではなくなってきています。価値あるイノベーションは、データとアナリティクス*1によってもたらされる事例が増えているため、アステラスではさらにこの取り組みを加速することを目的とした「アドバンストインフォマティクス&アナリティクス機能(AIA)」を設置しました。

私たちは様々なパートナーと協力しながら、探索研究から開発研究、商業化、そしてそれ以降にわたる、私たちの事業のすべてのフェーズにおいて、あらゆるアイデア、化合物、治療法への価値を創造し、また、その価値最大化を目指します。この統合されたアプローチにより、私たちは疾患、バイオロジー、モダリティ/テクノロジー、治療法に対する高いニーズへの理解を効率よく深めることができます。

多くの会社や組織がデータやアナリティクスの能力に関して議論していますが、情報やインサイトだけでは、ある価値を届けるには不十分です。アステラスではデータ、インフォマティクス*2、アナリティクスを活用した以下のような取り組みを既にはじめており、アステラスのバリューチェーンと事業活動全体を底上げしています。

  • 業務効率の最適化と意思決定の強化
  • 既存の製品とパイプラインの価値最大化
  • 価値を創造する新たな手法の開発

インフォマティクス、アナリティクスを駆使したデータ駆動型アプローチは、アステラスの経営計画2018を支えるものです。私たちは、この分野に引き続き積極的な投資を行い、アイデアレベルから新しい治療法(薬物療法、生物学的療法、遺伝子治療、細胞医療、デジタル治療など)に至るまで、製品ライフサイクルの加速化を目指します。アステラスは今後も様々なパートナーと協力しながら、ヘルスケアやライフサイエンスにおけるビッグデータを活用し、患者さんにとって意味のある価値を画期的な最先端のアプローチで創造していきます。

*1:アナリティクス:分析学、解析学のこと。統計学や数学、機械学習、人工知能技術などの分析手法によって、大量のデータに潜むパターンや特徴を発見し、意味のある知見を導き出して様々な予測を可能にします。

*2:インフォマティクス:情報学、情報科学、情報処理技術などの周辺分野全体を指す言葉。例えばバイオインフォマティクスにおいては、これらの分野の技術を応用して、各種生物情報を整理、解析し、生物学上の重要な知見の抽出を行います。
 

データ分析・解析の事例

データ、インフォマティクス、アナリティクスを活用した事例を紹介します。バイオインフォマティクス活用の拡大、AI駆動型の医薬品候補物質探索、営業活動におけるリアルワールドデータ活用に関するものです。

1)拡大するバイオインフォマティクスの活用
人工知能や機械学習といった最先端のデータサイエンス技術を駆使し、生物にかかわる膨大なデータから創薬研究開発を推進するための知見を見いだすことが、製薬会社におけるバイオインフォマティクスの使命です。数年前までは、オミックスデータ解析による標的探索や薬効メカニズム解明といった創薬研究への貢献が主な目的となっていました。最近は画像、テキスト、センサー、電子カルテといった様々な種類のデータが膨大に入手できるようになり、それを処理するための人工知能や機械学習の技術も成熟してきました。このような背景のもと、例えば、画像データからのデジタルバイオマーカーの開発、画像やセンサーデータの活用による創薬研究の効率化、他社動向や論文、特許情報の解析による戦略策定への貢献など、これまでのバイオインフォマティクスの範疇を超えた取り組みを進めています。
 

データ分析・解析の事例1



2)AI駆動型の医薬品候補物質探索
近年の創薬研究では、科学技術の進歩により日々様々な種類の膨大なデータが生み出されています。製薬企業では、これまでの創薬研究で蓄積されたデータに加え、日々の実験から生み出される化合物の活性・物性・薬物動態・安全性など種々のデータを活用して、医薬品候補物質の探索・特定を行っています。機械学習やAIなどを活用したデータ駆動型の創薬手法に対するニーズの増加および技術の成熟化に伴い、アステラスではディープラーニングなどの最先端技術を実用化し、化合物の効率的な分子設計や高精度な化合物特性予測などへの応用研究を進めています。また、創薬研究の生産性向上に向けて特定の実験を自動化するRobotとAIの統合的な運用にも取り組んでいます。
 

データ分析・解析の事例2


 
3)営業活動におけるリアルワールドデータの活用
リアルワールドデータの一つの効用は、新しい疾患領域における医薬品の発売に際し、セールス&マーケティングの活動の準備に用いることです。製薬会社は、患者さんと医師のダイナミクスについての理解を深めることで、マーケティングの戦術と戦略をより適切に立案できるようになります。保険償還の目的で入院、外来、調剤などの情報が記録されたレセプトデータは、患者数や患者セグメントを推定し、また保険償還の戦略とそれに必要なリソースの理解を得るために用いられます。また、レセプトや電子カルテのデータは、医薬品の新しい適応症や製剤を含むライフサイクルマネジメントのシナリオを調査するためにも用いられます。ペイシェント・ジャーニーや市場での医薬品のポテンシャルを調査するために、時系列分析や機械学習といったデータ分析が実施されます。自然言語処理やソーシャルメディア・リスニングを活用することで、医薬品の使用や疾患に関する患者さんの負荷を言語化し、患者さんへの啓蒙資材作りに役立てています。これらの事例からも分かるように、リアルワールドデータは、アステラスにおけるデータに基づく種々の意思決定を高質化し、より情報を駆使した戦略的な意思決定を推進しています。
 

データ分析・解析の事例3

 

AIA 部門長からのメッセージ

AIA 部門長からのメッセージ

ネイト クライセル
AIA 部門長

新たな発見や知見を見いだすことはライフサイエンスに携わる企業にとって長い間、課題となってきました。アステラスは、こうした知見を患者さんのために役立てていくことが重要と考えています。近年、医療やライフサイエンスに関するデータや情報は爆発的に増加しており、これまでになかった価値を創出するための新たな機会が数多く生まれています。これらの可能性は、新たな発見を生み出すためだけでなく、患者さんにとって価値ある治療法の開発につながる機会(アステラス内外を問わず)を最大化することにも役立ちます。アステラスは、この分野で世界最高レベルの能力を獲得しようと積極的に投資をしており、データから得られる新たな知識を通して科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。

 

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