アステラスは、環境と社員の安全衛生に対する基本的な姿勢を「環境・安全衛生に関するポリシー」に定め、目指すべき姿を「アステラス環境・安全衛生ガイドライン」に示し、組織的・継続的に取り組んでいます。また、優先的に取り組むべき課題については、「環境・安全衛生行動計画」で中期的な目標を設定して取り組みを進めています。

環境・安全衛生に関するポリシー

環境・安全衛生に関するポリシーは、環境・安全衛生への取り組みに対するアステラスの普遍的な姿勢を表しています。
このポリシーは、国内外のすべてのグループ会社にも適用されており、すべての活動の基本となります。

行動規範体系

アステラスは、経営理念においてステークホルダーのひとつとして環境を位置づけ、環境への責任を誠実に果たすために、アステラスグループ行動基準に基づき具体的な取り組みを行っています。

アステラス環境・安全衛生ガイドライン

「アステラス環境・安全衛生ガイドライン」は、環境および安全衛生への取り組みにおいて、アステラスが将来に目指すべき姿を統一の基準として示しています。
2016年度には、これまでの取り組み成果などを踏まえて内容を見直すとともに、「サプライチェーンマネジメント」の項を追加して改訂を行いました。ガイドラインではアステラスの目指す姿を定性的に示しており、達成期限も含めた具体的な数値目標は、年度ごとに更新する短期・中期の行動計画で設定していくことにしています。

アステラス環境・安全衛生ガイドライン
1 遵法・自主管理活動 5 項目
2 環境・安全衛生管理 7 項目
3 リスク管理及び事故・緊急時対応 6 項目
4 施設ならびに車両管理 7 項目
5 製品・技術の開発 3 項目
6 教育・訓練活動 6 項目
7-1 環境課題対応(生物多様性) 5 項目
7-2 環境課題対応(エネルギー・気候変動対策) 7 項目
7-3 環境課題対応(化学物質管理) 7 項目
7-4 環境課題対応(資源循環) 4 項目
7-5 環境課題対応(大気・水質・土壌汚染対策) 4 項目
7-6 環境課題対応(感覚公害) 1 項目
8 地域社会との共生 5 項目
9 サプライチェーンマネジメント 4 項目

環境・安全衛生管理体制

環境や安全衛生への取り組みに関する基本的な方針や行動計画などは、CSR経営の課題のひとつとしてCSR委員会(議長:経営管理・コンプライアンス担当役員)で審議・決定され、下部組織であるグローバル環境安全分科会で具体的な対応策などが検討されます。また、環境・安全に関するリスク管理は、経営管理・コンプライアンス担当役員が直接報告を受け、必要な指示を行う体制です。併せて、気候変動対策への投資や環境・安全に関するリスク対応などの案件については、その重要度により「エグゼクティブ・コミッティ *」や取締役会において協議し、意思決定を行っています。
各事業所では、事業所の状況などを加味した独自の行動計画を策定するとともに、内部監査、実績評価、見直しなどを行う、PDCAサイクルに則った活動を行っています。そして、それらの活動を全社環境・安全衛生監査により評価し、その結果を次期計画や方針に反映することで、アステラスとしてのPDCAサイクルが回転する仕組みになっています。

* アステラスグループ全体の経営上の重要案件を協議し、意思決定を行うための諮問機関。

環境管理システムの流れ

ISO14001認証取得の状況

国内外の全ての生産拠点でISO14001認証を取得しています。

環境・安全衛生監査

アステラス全体の環境・安全衛生活動の状況や事業所の課題を明らかにするため、アステラス環境・安全衛生ガイドラインを指標として、全社環境・安全衛生監査を行っています。抽出された課題に対しては、その実施状況を書面によるフォローアップ調査と次年度の監査で確認しています。環境・安全管理統括部門と現場が意見交換することにより、社会的な要請や現場の問題意識を共有し、アステラスが目指す方向性を常に一致させることも、監査を行う目的のひとつです。

環境・安全衛生アセスメント制度

一般に製品を製造、販売、流通、廃棄する際の環境への負荷は、製品設計を行う研究・開発段階でほとんど決定されます。
とくに、医薬品の製造・販売には、製品ごとに国の許認可が必要であり、作業の安全性や環境負荷低減の目的といえども、一旦承認を受けた製造方法や包装仕様を変更する場合は、新たに国の許認可が求められ、多くの時間と費用が必要となります。
このためアステラスでは、研究開発段階から生産段階、さらに流通・廃棄段階において、環境負荷の最小化を確保する努力を義務づける仕組みとして「環境・安全衛生アセスメント制度」を導入しています。グリーンケミストリーの概念にもとづく開発をはじめ、工業的規模での生産が行われる前に、有害大気汚染物質削減や過剰包装の回避、製造現場での安全対策などが検討されます。

アセスメント制度の運用

製品開発の重要なステップごとに、アセスメントチームによるアセスメントを実施します。アセスメントの結果は、製品開発を次のステップに進めることの可否などを決定する際の重要な判断材料になります。
具体的には、まず環境や安全衛生に影響を与える可能性のある原材料や作業を把握し、課題を抽出します。次いで、抽出された課題に対する対応策の状況や対応のための計画が評価されます。検討途中の対応策については、次段階のアセスメントで確認されます。

アセスメント制度の概念図

アセスメント制度の概念図

教育・訓練

環境や安全衛生の改善活動を進めていくには、すべての社員による正しい理解と自らの役割・責任を認識した取り組みが必要です。
そのため、環境や安全衛生に関する公的資格者の育成、環境保全業務や危険有害作業などの専門的な知識や技能が必要な従事者に対する教育など、さまざまな教育訓練を通じて、能力向上に取り組んでいます。
常駐している工事関係者、原材料の納入事業者、廃棄物の処理委託事業者に対しても、方針や事業所のルールを説明するとともに、アステラスの環境・安全衛生活動への協力を要請しています。

事故・緊急事態への対応

天災や偶発的な事故により引き起こされる緊急事態による環境への影響や災害を防止し、被害を最小化するため、優先度の高いリスクについて具体的な対応手順を作成しています。また、定期的な教育・訓練を実施し、その有効性や連絡体制、役割分担の再確認・再検討を進め、環境リスクの低減に努めています。
特に河川や海の汚染、下水処理場のトラブルにつながる水域への有害物質の流出は、地域社会に対して重大な影響をもたらす恐れがあることから、事故・緊急事態の発生に備え、バックアップ設備の設置など、環境汚染を防止できるシステムを計画的に整備し、汚染リスクの低減に努めています。また、事故やトラブルを回避するために、排水処理設備の運転管理の適正化と最終排水口での監視・測定の強化にも努めています。

環境関連法規の遵守状況 

過去5年間、国内および海外の事業所において環境関連の法律や条例に違反する事例、および訴訟はありませんでした。なお、つくば東光台事業所において自治体と結ぶ騒音協定値の上限を超える事象がありました。改善に向け、自治体と確認を進めています。

環境関連の事故・苦情 

2017年度は、環境関連の事故はありませんでした。なお、2015年度には高萩事業所の医薬品製造工程において、反応容器の圧力が通常より高くなったことから、発生するガスの一部を大気に放出する事故がありました。排出したガスが大気汚染防止法の特定物質に該当することから、再発防止策を含む事故報告を行いました。
本事故以外の過去5年間(国内)における環境関連の事故はありません。
事業所の活動に伴う環境に関連する苦情はありませんでした。

土壌調査

2016年度について、2017年4月に閉鎖した加島事業場の土壌汚染対策法に基づく汚染区域の指定が行われました。解体工事などにおいて、行政と相談しながら拡散防止措置を行い、適切に対応しています。
基準超過をした物質は以下の通りです。

  • トリクロロエチレン
  • ベンゼン
  • 六価クロム化合物
  • 水銀及びその化合物
  • セレン及びその化合物
  • 鉛及びその化合物
  • 砒ひ素及びその化合物
  • ふっ素及びその化合物

なお、過去5年間の土壌調査の結果、本件以外に汚染が発見された事例はありませんでした。