住血吸虫症はアフリカや南米を中心とする発展途上国に多い寄生虫感染症で、特に小児の罹患率が高い疾患です。しかし、幼児を含む就学期前の児童の臨床データが不足していることに加え、その標準治療薬であるプラジカンテル錠は、錠剤が大きく薬剤に苦みがあることなどから児童の治療には適しておらず、感染している児童が治療を受けられないという現状があります。

そこでアステラスは、他の製薬企業や研究機関、国際非営利組織とともに小児用プラジカンテル・コンソーシアム*を設立し、プラジカンテル錠の小児用製剤の開発を進めています。

この小児用製剤の創製にあたり、アステラスは自社の製剤技術を供与しました。開発中の小児用製剤は、現行のプラジカンテル錠よりも小さく、口腔内で崩壊しやすいため水がなくても服用できる上、苦みを低減する工夫も施されています。また、生産コストを抑えつつ、簡素な生産技術で製造でき、熱帯地域の高温多湿な環境でも品質を維持できるなど、さまざまな特長を有しています。さらに、アステラスから提供した小児用製剤開発の技術やノウハウは、ブラジルおよびドイツの製造委託先において治験薬の製造と委託先の現地生産能力の構築にも貢献しています。

開発中の小児用プラジカンテル製剤については、第Ⅱ相試験が無事完了し、現在、承認取得と医療アクセスの確保に向けて第Ⅲ相の準備が進められています。アステラスは、今後もコンソーシアムへのノウハウや技術の提供を継続していきます。

*コンソーシアムの活動は、GHIT Fundをはじめ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、The European & Developing Countries Clinical Trials Partnership(EDCTP)からの資金提供により支えられています。

小児用製剤の画像
新しく開発された小児用製剤(上)と既存の製剤(下)
コンソーシアムの参加者と協力者の画像
プラジカンテル小児用製剤の開発に関わるコンソーシアムの参加者と協力者
©Global Health Innovative Technology Fund

 

 


※本動画は、GHIT Fundにより2019年7月に作成されました