ACTION ON FISTULATMは、フィスチュラ基金が2014年に立ち上げた取り組みです。このプログラムではアステラスの欧州子会社であるアステラス ファーマヨーロッパLtd.がフィスチュラ基金に資金を拠出しており、2020年までの6年間で合計4,500人以上の患者さんを治療することを目標にしていました。2014年の開始以降、このプログラムによりケニアの7つの病院で6,223人*1の産科フィスチュラ*2の患者さんが手術を受け、生活が改善されました。

産科フィスチュラの撲滅に向け、ACTION ON FISTULAではアウトリーチ活動やパートナーの協力を通じて、ケニアで様々な取り組みを行ってきました。活動開始からプログラム終了時点までに、Gynocare Women’s and Fistula Hospitalにおいて11名の外科医に研修を実施したほか、ケニア以外の地域の外科医もこのプログラムに参加し、サハラ以南のアフリカや東南アジアでも産科フィスチュラの治療が進展しました。また、Gynocare Women’s and Fistula Hospitalにおいて、合計で19名の看護師にも研修を提供しました。

2019年4月には、地域コミュニティへの働きかけを行うボランティアパートナーが5つに増えました。この地域ボランティアパートナーは、プログラムを成功させる上で重要な役割を果たしており、今日までに、約200万人のコミュニティの人々にフィスチュラについての知識を届けています。この地域コミュニティへの働きかけによって、地域の健康ボランティアの育成や、地域のリーダーへのフィスチュラに関する情報提供、ラジオなどのメディアを活用した啓発活動、フィスチュラ患者さんの治療が進んでいます。

また、ACTION ON FISTULAでは、治療を受けた産科フィスチュラの患者さんが社会復帰できるよう、精神面や経済面でのサポートも提供しており、これまでに治療を受けた患者さんを支援する22のグループが設立されています。

 

*1 プログラム終了時点
*2 産科フィスチュラ:救急医療を利用できない状況下での長期にわたる分娩により膣と直腸、または膀胱との間に孔(あな)が形成される疾患で、大便失禁や尿失禁を誘発します。先進国では実質的に根絶されていますが、UNFPAによればケニアでは依然として年間3,000例の新たな症例が生じていると推定されています。患者さんは疾患による異臭のため深刻な差別に悩まされ、家族や友人、隣人から距離を置かれることも少なくありません。教育や雇用の機会から遠ざけられて孤立と貧困の中で生きることを強いられる場合もあります。

フィスチュラ患者さんの画像1
フィスチュラ患者さんの画像2
社会復帰サポートの場に参加する治療を受けたフィスチュラ患者さん
写真:©Georgina Goodwin
ケニアのGynocare Women’s and Fistula Hospitalでフィスチュラ疾患の啓発プログラムに参加した患者さん

Action on Fistula™プログラムの進捗(2014年5月-プログラム終了時点)

手術により完治した患者数 6,223人
Gynocare Women’s and Fistula Hospitalで研修を受けた外科医数
(ケニア以外の外科医も参加し、サハラ以南のアフリカや東南アジアでもフィスチュラ治療が進展)
11人
フィスチュラ治療ネットワークの病院数(新規) 7病院
FIGO*1認定のフィスチュラ治療研修センター Gynocare Women’s and Fistula Hospitalを設立
活動を展開したケニアのカウンティ*2 47カウンティ
コミュニティの健康ボランティア育成数 424人
地域に展開した活動数 20,050の活動を実施
フィスチュラの知識を届けたコミュニティメンバー数 1,964,452人

 

*1 FIGO: International Federation of Gynecology and Obstetrics(国際産婦人科連合)
*2 ケニアには47のカウンティ(地方行政区)が設置され、地方自治を担当しています。カウンティの下には、サブカウンティ、区、村の各行政区分が設けられています。