アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)とChromocell Corporation(本社:米国ニュージャージー州、以下「Chromocell社」)は、神経障害性疼痛および他の疼痛の新しい治療薬開発、商業化のライセンスおよび提携に関する契約を締結しましたのでお知らせします。

この度の契約締結により、アステラス製薬はChromocell社のChromovert®技術によって見出されたCC8464およびバックアップ開発候補化合物を全世界で開発、販売する権利を有することになります。アステラス製薬は契約一時金として、1,500万ドルを支払います。また、開発および販売マイルストンの達成に伴い合計5億ドル以上、およびCC8464の売上に対して二桁台のロイヤリティを支払う可能性があります。また、CC8464の神経障害性疼痛を対象とする開発では、初めに行う第II相POC試験まではChromocell社が実施しますが、その後、上市に至るまでのすべての開発をアステラス製薬が実施します。Chromocell社は希少疾患適応などの追加適応、または非経口剤など、一定の追加開発を実施する権利を保持し、アステラス製薬は、当該開発を引き継ぐ権利を取得します。この権利が行使された場合、Chromocell社は追加の支払を受領し、一定の場合、米国において当該追加適応等を対象とした共同販促を行う権利を有します。

NaV1.7は痛みの伝達に関わるイオンチャネル*1)です。Chromocell社の先行化合物であるCC8464は、末梢に作用する選択的NaV1.7遮断経口薬であり、アンメットニーズが存在し治療満足度の低い慢性疼痛疾患のほか、現在治療が困難な希少疾患に対する有効性が期待されています。CC8464は2016年初めのIND*2)申請を予定しています。

ChromovertはChromocell社独自の創薬技術で、効果的なハイスループットスクリーニングに適した希少な細胞を同定することが可能です。Chromovert は治療標的を生理学的に適切な形態で発現している細胞を同定し、CC8464のような有望な薬剤候補を発見することを可能にします。

アステラス製薬の上席執行役員・経営戦略担当である安川健司は次のように述べています。「今回、革新的な新薬の開発へつながる高い科学技術を有するChromocell社と提携したことを嬉しく思います。CC8464開発の協働を通じて、アンメットニーズの高い神経障害性疼痛およびその他の疼痛に対して新たな治療選択肢を提供し、患者さんへ一層の貢献ができるものと期待しています。」

Chromocell社のCEO、Christian Kopfliは次のように述べています。「疼痛に対する治療は未だ満足できるものではなく、アステラス製薬とCC8464の開発・商業化で協働できることを嬉しく思います。Chromovert 技術はNaV1.7のような複雑な標的に効果のある薬剤の創製を可能にし、アンメットニーズの存在する領域における様々な機会を生みだすことを可能にします。アステラス製薬とCC8464の開発で密に協力し、疼痛の患者さんに革新的な治療を提供できることを期待しています。」

以上

*1) イオンチャネル:生物の生体膜に存在する、イオンを透過させる役割を持つ膜タンパク質。神経回路の活動、筋収縮、感覚など、イオンが関わるあらゆる生理機能に深く関与している。

*2) IND:Investigational New Drugの略、新薬の臨床試験開始届