- CytomX社の技術プラットフォームを活用することにより、
次世代がん免疫療法の研究開発をさらに拡充-

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)とCytomX Therapeutics, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、President, Chief Executive Officer and Chairman: Sean McCarthy, D. Phil、以下「CytomX社」)は、CD3抗原およびがん細胞表面の抗原を標的とした新規の二重特異性T細胞誘導抗体について、がん治療を対象とした共同研究開発ならびに商業化に関する契約を締結しました。両社は、CytomX社が有するProbody®技術プラットフォームおよびその技術を用いた独自の二重特異性抗体とCD3タンパクを活用して、革新的ながん治療薬の創出を目指します。

 がん抗原を標的とした通常の抗体はがん細胞に結合しますが、その標的がん抗原が発現している正常細胞にも結合することが知られています。一方で、Probody®技術により作製された抗体は、がん微小環境*1内でプロテアーゼ*2によって活性化されるまで不活性状態を維持するため、正常細胞への結合を最小限に抑えます。その結果、抗体はがん細胞へ選択的に結合し、毒性が低減され、より有効性と安全性に優れた治療を実現できる可能性があります。また、Probody®技術により作製された二重特異性T細胞誘導抗体は、細胞傷害性T細胞をがん微小環境に届けることができ、そのT細胞を介して抗がん活性を導きます。

 本契約に基づき、アステラス製薬とCytomX社は、複数の標的分子に対するプログラムの共同研究開発を行います。CytomX社は、アステラス製薬による資金拠出のもと、臨床開発候補物質を選択するまでの創薬研究を主導します。アステラス製薬は、前臨床および臨床開発、商業化を主導するとともにその資金を拠出します。

 アステラス製薬の代表取締役副社長 経営戦略・財務担当役員である岡村直樹は、「アステラス製薬では、がん免疫を研究開発戦略上のPrimary Focusの一つに位置付け、新たなモダリティ/テクノロジーによる次世代がん免疫療法の開発に取り組んでいます。CytomX社との提携により、両社の持つケイパビリティを活用し、次世代のがん免疫療法に関するパイプラインを拡充させ、患者さんのアンメットメディカルニーズに応える革新的な医薬品の創出に注力していきます」と述べています。

 CytomX社のPresident, Chief Executive Officer and ChairmanであるSean McCarthyは、「アステラス製薬との提携では、がん微小環境に対して様々な種類の抗体をターゲットとする創薬技術において、私たちの専門性を活かすことができると考えています。私たちが確立したプラットフォームのコンセプト検証がより進み、固形がんの治療薬として二重特異性T細胞誘導抗体の可能性が高まることを大いに期待してます」と述べています。

アステラス製薬は、契約一時金として8,000万ドルをCytomX社に支払います。さらにCytomX社は、将来の前臨床および臨床開発、商業化の進捗に応じたマイルストンとして、16億ドル以上を受け取る可能性があります。また、CytomX社は、製品が商業化した場合、グローバルでの売上に応じた一桁台後半から10%台半ばのロイヤリティを受け取る可能性があります。

 CytomX社は、事前に両社で取り決めた数のプログラムについて、ピボタル試験の開始前に事前に定めた臨床開発費用の一部を拠出するオプション権を行使することにより、米国においてアステラス製薬と共同で商業化することが可能となります。このオプション権を行使すれば、CytomX社は当該製品について、米国での利益の一部を受け取るとともに、米国外の売上に応じた10%台前半から10%台半ばまでのロイヤリティを受け取ることができます。

なお、本件によるアステラス製薬の通期(2020年3月期)連結業績への影響は軽微です。

以上