アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、Minovia Therapeutics, Ltd.(本社:イスラエル・ハイファ、CEO: Natalie Yivgi-Ohana、以下「Minovia 社」)と、ミトコンドリア機能不全に起因する疾患を対象とした細胞医療プログラムの創成に向けて、共同研究・開発および商業化に関する全世界における戦略的提携およびライセンスに関する契約を本日締結しました。

 今回の戦略的提携により、アステラス製薬とMinovia社は、他家細胞を用いた革新的なミトコンドリア細胞医療プログラムの創成を加速することを目指します。両社は、アステラスが遺伝子操作を行い作製した独自の多能性幹細胞と、Minovia社独自のMATプラットフォーム技術を組み合わせる細胞医療プログラムの研究を行います。このプログラムの目標は、健康なミトコンドリアを輸送して患者さんの組織を修復することにより、ミトコンドリア機能不全に起因する疾患の患者さんを治療することです。

 Minovia社は、ミトコンドリアトランスファーという現象を活用して健康なミトコンドリアを患者の細胞に輸送する、ミトコンドリア細胞医療分野におけるリーディングカンパニーです。Minovia社は、Mitochondrial Augmentation Therapy (MAT)という独自の技術プラットフォームを持ちます。MATとは、ミトコンドリア機能不全に陥った患者から取り出した細胞に対して、健康なドナーから分離・濃縮した正常ミトコンドリアを取り込ませて、その患者自身の細胞を再度体内に戻して治療することを目指す技術です。Minovia社は現在、ミトコンドリア機能不全に起因する疾患におけるMATの研究、開発、臨床試験を行っています。

 アステラス製薬は、米国子会社のAstellas Institute for Regenerative Medicine (AIRM)やUniversal Cells, Inc.を通じて、他家由来の多能性幹細胞ラインから分化した細胞のプログラムを推進しています*1。今回のMinovia社との提携は、Mitobridge, Inc.およびNanna Therapeutics Limitedの買収に続き、アステラス製薬のミトコンドリアバイオロジーのケイパビリティを強化するものです*2,3

 Minovia 社のNatalie Yivgi-Ohana, Ph.D.は、「アステラス製薬とのコラボレーションを大変嬉しく光栄に思います。Minovia社はアステラス製薬と、ミトコンドリアを探求する情熱と、新しい治療法を必要とする患者へのコミットメントを共有しています。 Minovia社はMATの開発を続けていますが、ミトコンドリア機能不全に起因する疾患をもつ多くの患者のための他家細胞医療プログラムの開発を加速するうえで、今回の戦略的提携は非常に重要であると信じています」と述べています。

 アステラス製薬の代表取締役副社長 経営戦略・財務担当の岡村直樹は、「アステラス製薬では、ミトコンドリアバイオロジーを研究開発戦略上のPrimary Focusの一つに位置づけており、ミトコンドリア細胞医療プラットフォームの構築は目標の一つです。Minovia社は、健康なミトコンドリアの患者細胞への輸送に関わる独自の技術を持ち、この領域を牽引する企業です。今回のMinovia社との戦略的提携により、パイプラインがより充実し、ミトコンドリア機能不全に起因する疾患の治療における選択肢をさらに広げることができるものと期待しています」と述べています。

 本契約に基づき、アステラス製薬は、契約一時金として2,000万米ドルをMinovia社に支払います。さらにアステラス製薬は、将来の前臨床および臨床開発、商業化の進捗に応じたマイルストンとして製品ごとに4億2,000万米ドルを支払う可能性があります。

 なお、本件によるアステラス製薬の通期(2022年3月期)連結業績への影響は軽微です。

以上

 

*1: R&Dミーティング [2020年12月10日]
https://sw4503.swcms.net/ja/ir-library/ir-meetings/inframe/main/014/teaserItems1/07/linkList/0/link/RDmeeting2020_pre_jp.pdf

*2: コーポレートサイト「マイトブリッジを完全子会社にした意義」
https://www.astellas.com/jp/ja/stories/science/mitobridge

*3: コーポレートサイト「Primary Focus - ミトコンドリアバイオロジー」
https://www.astellas.com/jp/ja/partnering/primary-focus#Mitochondria-Biology