-アステラス製薬とエムハートが共同開発
エムハートのクラウド心電図解析サービスにマイホルターIIを実装-

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)と株式会社エムハート(本社:岩手、代表取締役:水沼 吉美、以下「エムハート」)は、両社が共同開発したホルタ解析装置用プログラム「マイホルターII」の商業化を7月15日から開始しました。マイホルターIIは、ホルター型心電図検査*1のデータを人工知能(AI)を用いたアルゴリズムにより解析するプログラムであり、エムハートのクラウド心電図解析サービスに実装され、医療関係者へ提供されます。

 アステラス製薬は、マイホルターIIについて日本における独占的ライセンスを付与する契約をエムハートと5月に締結しており、エムハートがマイホルターIIを使用して提供するクラウド心電図解析サービスの売上の一部を受け取ります。これはアステラス製薬がRx+®事業*2の一環として進めている、慢性疾患の重症化予防への取り組みの一つであり*3、初めて本格的に事業化されたRx+®事業です。

 アステラス製薬とエムハートは、国内で70万人以上と推計される患者さんがいる心房細動1の早期発見を目的に、2019年12月からマイホルターIIの共同開発を進めてきました。マイホルターIIは、厚生労働大臣の登録を受けた認証機関から、エムハートが2021年3月に医療機器プログラム(クラスII)として認証されています。

 心疾患を始めとする循環器系疾患の国内における医科診療医療費は年間6兆円を超え、傷病分類別で最多となっています2。中でも、心臓にできた血栓が脳や頸部の動脈に詰まることによって起こる心原性脳塞栓症は死亡率が高く(2割)、また、寝たきりなどの重い後遺症が残るケースが多い(4割)とされています1。この心原性脳塞栓症の原因の4分の3とされるのが心房細動で1、早期発見は極めて重要です。

 ホルター型心電図検査で分析する心拍数は約10万拍におよび、大量のデータを解析する医療関係者にとっての負担となり、自動解析の精度にも課題がありました。これらの課題解消に向け、マイホルターIIは、独自のAIを用いた解析アルゴリズムにより、効率的かつ高い精度で心電図データの自動解析を実現しました。また、この心電図解析サービスはクラウドを活用することによって医療関係者が場所を選ばずにリモートで解析作業を行うことができます。さらに、国際規格(Medical waveform Format Encoding Rule:MFER*4)準拠のデータ形式を採用することで、多くの心電計メーカーに対してこのプログラムを適用できるオープンな環境を提供します。これらにより、「より身近に、より手軽に」心電図検査の受診が可能となり、心房細動の早期発見、適切な治療につなげることで、健康寿命の延伸への貢献を目指します。また、今後、臨床研究で得られた心電図検査データを用いて追加の学習をさせることによって、さらなる精度向上を図ります。

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