- 免疫療法の治療歴がありシスプラチン治療が不適応の局所進行性または
転移性尿路上皮がん患者における継続的な有効性を確認 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、「Seagen社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate: ADC)であるPADCEV®(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))の第II相単群試験(EV-201試験)において、2つ目の患者群(コホート2)で良好な結果が得られたことを発表しました。コホート2では、抗PD-1抗体薬または抗PD-L1抗体薬による治療歴があり、白金製剤による化学療法未治療かつシスプラチン不適応の局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象に、PADCEV®を評価しています。この試験では、独立画像判定機関により評価された客観的奏効率(ORR)が52%(95%信頼区間:40.8, 62.4)であり、奏効期間の中央値は10.9ヶ月でした。患者の5%以上で発生した頻度の高いグレード3 以上の有害事象は好中球数減少、発疹、疲労、リパーゼ増加、下痢、食欲減退、貧血、高血糖でした。本試験コホート2のデータは、今後開催される学会で発表する予定です。また、規制当局との協議を含め、今後の方針について検討する予定です。

 PADCEV®は、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し細胞間の接着に関連するタンパク質であるネクチン-4を標的とするファーストインクラスのADCです*1, *2。米国食品医薬品局(FDA)は、白金製剤を含む化学療法および抗PD-1抗体薬または抗PD-L1抗体薬による治療中または治療後に病勢の進行が認められた局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象とした本試験コホート1の結果に基づき、2019年にPADCEV®を迅速承認しました。

 尿路上皮がんは膀胱がん全体の90%を占めており、腎盂、尿管および尿道にもみられます*3。2020年には全世界で約58万人が膀胱がんと診断され、約21万人が亡くなると推定されています*4

 局所進行性または転移性尿路上皮がんでは、腎機能の低下やその他の医学的理由により、シスプラチン投与が適用されない場合があります。本試験はシスプラチンによる治療が適用されない免疫療法後の患者さんにとって有望な結果を示しました。

 なお、日本において、エンホルツマブ べドチンは承認申請に向けた開発段階にあります。

 本件については、米国において現地時間10月12日に対外発表しています。

以上

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