アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、2011年7月12日(米国時間)に、米国の医薬品会社バイカル社(英名:Vical Incorporated、本社:カリフォルニア州サンディエゴ、President & CEO:Vijay B. Samant)と、同社が創製、開発している移植時のサイトメガロウイルス血症予防ワクチン「TransVax(トランスバックス)」*について、全世界における開発・商業化に関する独占的ライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。但し、米国についてはバイカル社が共同販促を行うオプション権を留保しています。
   本契約は、米国の独占禁止法「Hart-Scott-Rodino Antitrust Improvements Act of 1976」の承認取得後に発効となります。なお、当期第2四半期間(2011年7月1日~9月30日)に承認を取得できるものと考えています。
 
   本契約に基づき、アステラス製薬は今後、「TransVax」の開発・製造・商業化を行い、これらに関わる費用を負担します。また、バイカル社は開発・製造に関わる支援を行い、アステラス製薬はバイカル社で発生した支援に関連する実費を負担します。なお、アステラス製薬はバイカル社に対し、契約締結時一時金25百万ドルのほか、本剤の造血幹細胞移植時のサイトメガロウイルス血症予防での第III相臨床試験計画を最終化した時点で、さらに10百万ドルの対価を支払います。また、本剤上市までの間に、種々の開発マイルストン達成に伴う総額95百万ドルの追加一時金を支払う可能性があります。また、アステラス製薬は、バイカル社に対し、正味売上高に対する二桁台のロイヤリティを支払います。
   なお、契約締結時一時金については当期(2012年3月期)の通期業績予想に織り込んでいます。
 
   アステラス製薬は、「TransVax」について、造血幹細胞移植時のサイトメガロウイルス血症予防での第III相臨床試験及び臓器移植時のサイトメガロウイルス血症予防での第II相臨床試験を、2012年前半までに複数国で開始する予定です。
  
   アステラス製薬は、泌尿器、移植・免疫疾患及び感染症、がん、精神・神経疾患、糖尿病合併症および代謝性疾患の5領域を重点研究領域に掲げていますが、本剤を導入することにより、移植・免疫疾患及び感染症領域でのパイプラインが拡充することになります。また、2014年度を最終年度とする現在進行中の中期経営計画において、ワクチン事業の強化を掲げていますが、このたびの契約締結は、ワクチン事業を強化する第一歩になると考えています。
 
* サイトメガロウイルスと「TransVax」について
サイトメガロウイルスは、ヘルペスウイルス科に属するDNAウイルスで、半数以上の成人が不顕性感染していると考えられています。免疫機能が低下した移植患者や、妊娠初期に初回感染した母親から生まれた新生児では、サイトメガロウイルスの再活性化により重度の感染症を発症する場合があり、最悪の場合死に至ります。「TransVax」はサイトメガロウイルス抗原であるpp65及びgBを発現する遺伝子を組み込んだ二つのプラスミドDNAを主成分とするDNAワクチンで、造血幹細胞移植時のサイトメガロウイルス血症の発生率を有意に抑制した(第II相臨床試験結果)世界で初めてのワクチンです。米国において造血幹細胞移植患者及び臓器移植患者に対する希少疾病用医薬品指定を受けています。
 


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