アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦)は、米国アンビット社と共同で開発を進めている経口FLT3チロシンキナーゼ阻害剤キザルチニブ(一般名、開発コード:AC220)に関し、FLTの遺伝子内縦列重複変異(以下、FLT3遺伝子変異)がみられる再発・治療抵抗性急性骨髄性白血病を対象とする単剤療法としての後期第II相用量設定試験(オープン試験)を開始しましたので、お知らせします。

 この試験では、米国および欧州の成人患者64例(プロトコール上の目標症例数)を対象に、2つの用量のキザルチニブを28日サイクルで評価します。試験の主要評価項目は、複合完全寛解(CRc)率(完全寛解(CR)、血小板の回復不完全をともなう完全寛解(CRp)および血液の回復不完全をともなう完全寛解(CRi)の合計と定義)ならびに各用量におけるグレード2以上のQT間隔延長です。

 本試験は、別の単剤第II相試験であるACE試験の中間解析結果(昨年の米国血液学会(ASH: American Society of Hematology)年次総会で発表)にもとづいてデザインされています。ACE試験に参加した患者333例は、60歳以上のファーストライン化学療法に対する再発・治療抵抗性患者(コホート1)、または18歳以上のセカンドライン化学療法ないしは造血幹細胞移植に対する再発・治療抵抗性患者(コホート2)から構成されています。中間解析において、コホート2の反応率と全生存データは良好でした。ACE試験の最終結果は、2012年中に学会で発表されます。

 今回の単剤療法での後期第II相用量設定試験では、有効性を最大化しつつより良い忍容性が得られるよう、より低用量で評価します。

 急性骨髄性白血病は血液悪性腫瘍の中でも最も治療が困難なものであり、この数十年でも治療法はごくわずかしか進歩していません。患者さんの多くが活性化FLT3遺伝子変異を有し、このような患者さんは特に予後が悪く、現在の治療法ではしばしば再発・難治性を示しています。

 アステラス製薬は、今後、キザルチニブの開発を進めることにより、急性骨髄性白血病治療に新たな選択肢を提供できることを期待しています。

 

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