アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁、以下「アステラス製薬」)のグループ会社である米国アジェンシス社(英名:Agensys, Inc.)は、このたび、米国のバイオベンチャー企業シアトルジェネティクス社(英名:Seattle Genetics, Inc.、本社:ワシントン州ボセル、CEO:Eric L. Dobmeier)と、同社の抗体医薬の関連技術である抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)技術*に関するライセンス契約を一部修正しましたので、お知らせします。

 シアトルジェネティクス社とアジェンシス社は、2007年1月にADC技術に関するライセンス契約(以下、「原契約」)を締結しました。原契約では、最初のADCプログラムであるASG-5MEについて、共同開発・商業化を行い、費用および利益を両社で折半することになっています。また、アジェンシス社は、そのほか3個のADCプログラムについて、単独で開発・商業化を行うための独占的ライセンスを取得しており、その対価としてシアトルジェネティクス社に対し、開発マイルストンに応じた一時金および売上に応じたロイヤリティ等を支払うことになっています。但し、シアトルジェネティクス社は、これら3個のうち1個のADCプログラムについて、アジェンシス社と共同して開発・商業化を行うことのできるオプション権を有しています。当該オプション権が行使された場合、アジェンシス社からシアトルジェネティクス社へのマイルストンおよびロイヤリティ等の支払いに代わり、同プログラムに伴う費用および得られた利益を両社で折半することになっています。

 このたびの契約修正に基づき、アジェンシス社は原契約でライセンスを取得しているADCプログラムに加えて、複数個のADCプログラムについて開発・商業化権を有することになります。また、シアトルジェネティクス社は、3個目のADCプログラムについて、費用および利益を折半することを条件にアジェンシス社と共同して開発・商業化を行うことができるオプション権を留保します。残りのADCプログラムおよびシアトルジェネティクス社がオプションを行使しないADCプログラムについては、アジェンシス社が独占的ライセンスを取得し、シアトルジェネティクス社に対し、開発マイルストンに応じた一時金ならびに売上に応じた1桁台半ばのロイヤリティ等を支払うことになります。尚、今回の修正契約の締結一時金として、アジェンシス社はシアトルジェネティクス社に対し12百万ドルを支払います。また、今回の修正契約に基づき、追加のADCプログラムが成功した場合、種々の開発マイルストン達成に伴い最大250百万ドル、売上達成に伴い最大100百万ドルの一時金支払いが生じる可能性があります。

 アジェンシス社は、独自に保有する癌関連の標的分子群に対し、VelocImmune®マウス技術(2007年にアステラス製薬がRegeneron社より導入)あるいはXenomouse®技術(Agensys社がAbgenix社(現Amgen社)より導入)にて作製した完全ヒト型抗体にシアトルジェネティクス社のADC技術を適用することで、癌領域における製品候補を強力に生み出していきます。

 アステラス製薬は、がん領域をフォーカス疾患のひとつに位置づけ経営資源を集中しています。当社では、このたびの契約修正により、がん領域における開発パイプラインが一層強化されるものと考えています。

 *抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)技術:癌細胞表面の抗原に結合する抗体に毒素を付け、細胞内で毒素を放出させることで、がん細胞を死滅させる技術。

 

以 上

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