アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、本日(日本時間)、Quethera Limited(本社:英国ケント州、CEO: Peter Widdowson、以下「Quethera社」)を買収しましたので、お知らせします。Quethera社は、緑内障*1など眼科領域における新規の遺伝子治療の開発に注力する英国のバイオベンチャー企業です。

 本買収により、アステラス製薬は緑内障患者の網膜に治療遺伝子を発現させる遺伝子組換えアデノ随伴ウイルス(recombinant adeno-associated viral vector system: rAAV)を活用した遺伝子治療プログラム(以下「rAAVプログラム」)を獲得します。rAAVプログラムは、前臨床試験において網膜神経節細胞の生存率の改善が確認されています。

 アステラス製薬の代表取締役社長CEOの安川健司は、「本買収は、最先端の科学、技術を積極的に取り込み、患者さんの価値に変えていくというアステラス製薬の戦略に基づく取り組みです。眼圧のコントロールに依存しないユニークな作用メカニズムを有するrAAVプログラムは、難治性の緑内障の治療選択肢となる可能性があります。本プログラムが、視力を失うリスクのある緑内障患者さんのアンメットメディカルニーズに応える治療法となることを期待しています」と述べています。

 Quethera社CEOのPeter Widdowsonは、「Quethera社は、患者さんの失明につながり、生活の質(Quality of Life: QOL)を著しく低下させる緑内障などの眼科疾患に対する革新的な治療法の開発に注力しています。本買収により、rAAVプログラムの有効性を確認するための研究が一層加速していくことを期待しています」と述べています。

 アステラス製薬は、Quethera社を100%子会社化するための対価として、一時金およびあらかじめ契約で定められた条件に基づく支払いを合わせ、最大で85百万ポンドをQuethera社の株主に支払う可能性があります。

 買収手続きはすでに完了しており、Quethera社はアステラス製薬の完全子会社となりました。

 なお、本件によるアステラス製薬の2019年3月期業績への影響は軽微です。

買収の概要

(1)    株式取得者:アステラス製薬株式会社
(2)    Quethera社の主要株主:UK Innovation and Science Seed Fund (UKI2S), Cambridge Enterprise
(3)    株式の取得方法:現金(手元資金を充当)
(4)    対価:一時金およびあらかじめ契約で定められた条件に基づく支払いを合わせ、最大で85百万ポンド

対象会社の概要

(1)    名称:Quethera Limited
(2)    所在地:英国ケンブリッジ
(3)    代表者:CEO Peter Widdowson
(4)    設立:2013年
(5)    従業員 1名(2018年8月現在)
(6)    アステラス製薬との関係:対象会社との間には、記載すべき関係はありません。

以上

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