アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁、以下「アステラス製薬」)は、2011年2月16日に、米国の医薬品会社アヴェオ社(英名:AVEO Pharmaceuticals, Inc.、本社:マサチューセッツ州ケンブリッジ、President & CEO:Tuan Ha-Ngoc)と、同社ががん治療薬として開発している「tivozanib(チボザニブ)」について、日本を含むアジア・中東を除く全世界での開発・商業化に関する契約を締結しましたので、お知らせします。なお、「tivozanib」については、進行性の腎細胞がん患者を対象とするグローバル第Ⅲ相臨床試験が進行中です。

 
   本契約に基づき、アステラス製薬はアヴェオ社に対し、契約締結時一時金として125百万ドルを支払います。また、種々の開発マイルストン達成に伴う総額575百万ドル(腎細胞がんにおける申請および承認時の90百万ドルを含む)のほか、売上達成に応じて780百万ドル以上の追加一時金を支払う可能性があります。なお、契約締結時一時金については2011年3月期第4四半期の研究開発費に計上しますが、2011年3月期の通期業績予想には織り込んでいません。なお、現時点では2011年3月期の通期業績予想を変更する予定はありません。
 
   両社は今後、「tivozanib」の広範囲な開発プログラムを共同で進めていきますが、北米での開発・商業化はアヴェオ社の主導で、欧州での開発・商業化はアステラス製薬の主導で行います。「tivozanib」の北米および欧州における開発・商業化に関わる費用及び利益は両社で折半します。なお、北米・欧州を除く契約地域についてはアステラス製薬が独占的開発・販売権を有しており、アステラス製薬が当該地域における開発及び商業化に関わる費用を負担するとともに、アヴェオ社に対し当該地域の売上に応じて漸増する二桁台のロイヤリティを支払います。また、製造についてはアヴェオ社が責任を持ちます。
  
   「tivozanib」は、2006年12月にアヴェオ社が協和発酵キリン株式会社より導入した経口トリプル血管内皮細胞増殖因子(VEGF:Vascular endothelial growth factor)*受容体阻害剤です。現在、進行性腎細胞がん患者においてsorafenibを対照薬としたグローバル第Ⅲ相臨床試験(試験名称:TIVO-1)が進行しているほか、単剤及び他の抗がん剤との併用で乳がん、大腸がんなどの様々な固形がんの臨床試験が進められています。なお、TIVO-1試験については、2011年半ばに試験結果の速報が判明する見通しです。
 
   アステラス製薬は、2014年度を最終年度とする中期経営計画において、がん領域に積極的に取り組んでいくことを掲げています。当社は、この度の契約締結により、がん領域における事業基盤が一層強化されるものと考えています。
なお、tivozanibの発売時期、売上規模等は、わかり次第お知らせいたします。
 
*tivozanibと血管内皮細胞増殖因子(VEGF:Vascular endothelial growth factor)
   「tivozanib」は、新規の経口VEGF受容体阻害剤です。VEGFはがんを増殖させる血管新生に重要な因子であり、「tivozanib」はVEGF-1,2,3それぞれの受容体を選択的かつ強力に阻害します。その高い強度と特異性から、これまでに行われた臨床試験において、有効性のみならず、既存VEGF阻害剤でみられる作用機序に起因しない毒性を最小限にすることも確認されています。
第II相臨床試験では、腎摘出を受けた腎明細胞がん患者群において「tivozanib」は無増悪期間(PFS: Progression Free Survival)を、14.8ヶ月に延長しました。この成績は、これまでに報告されてきた既存の単剤治療薬の結果と比べて良好な結果でした。
 
アヴェオ社について
   アヴェオ社は、独自のがん生物学研究・技術基盤と開発・商業化の専門知識を組み合わせることで、がん治療薬の創出を目指す製薬企業です。同社で最も開発が進んでいる化合物は、経口トリプルVEGF受容体阻害剤「tivozanib」です。「tivozanib」は他剤と差別化された特徴を有しており、現在、進行性腎細胞がん患者を対象とした、グローバル第III相臨床試験が進行中です。このほか、抗HGF抗体AV-299が第II相臨床試験段階にあります。また、アヴェオ社は2010年6月にアステラス製薬が買収したOSI Pharmaceuticals, Inc.との間で、がん領域創薬ならびにトランスレーショナル研究に関して研究提携しています。アヴェオ社について、さらに詳細な情報が必要な方は、同社のホームページwww.aveopharma.comをご参照下さい。