アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁、以下「アステラス製薬」)は、このたび、米国のバイオ医薬品会社メディベーション社(英名:Medivation Inc.、本社:カリフォルニア州サンフランシスコ、CEO:Dr. David Hung)と、同社の前立腺がん治療剤である「MDV3100」について、全世界での開発・商業化に関する契約を締結しましたので、お知らせします。「MDV3100」は現在、ドセタキセルによる化学療法の治療歴を有する去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験が進められています。

 本契約に基づき、アステラス製薬はメディベーション社に対し契約締結一時金として110百万ドルを支払います。また、種々の開発マイルストン達成に伴う総額335百万ドルの一時金支払いのほか、売上達成に応じて最大320百万ドルの追加一時金を支払う可能性があります。両社は今後、後期及び初期ステージの前立腺がんを対象に追加試験を含む「MDV3100」の広範囲な開発プログラムを共同で進めていきます。また、両社は米国における「MDV3100」の商業化を共同で行ないます。なお、米国における開発・販売に要する全ての費用、並びに利益は両社で折半します。米国を除く全ての地域については、アステラス製薬が独占的開発・販売権を有し、アステラス製薬はメディベーション社に対し米国以外の全地域の売上に応じて漸増する二桁台のロイヤリティを支払うことになります。

 「MDV3100」は、第二世代の経口抗アンドロゲン剤です。「MDV3100」は、前臨床試験において、最も汎用されている抗アンドロゲン剤であるビカルタミドよりも優れたアンドロゲン受容体経路の抑制作用を示しました。また、「MDV3100」はビカルタミド抵抗性がんにおいて、アンドロゲン受容体へのテストステロン結合阻害、前立腺がん細胞核へのアンドロゲン受容体の転移(核転移)阻害、並びにDNAへの結合阻害という3つの補完的な作用により、がん細胞の増殖抑制ならびに細胞死を誘発します。なお、本年初めに発行された科学誌Scienceに、「MDV3100」のこれら3つの作用がいずれもビカルタミドより優れているという前臨床試験データが掲載されました。

 アステラス製薬は、過活動膀胱治療剤「ベシケア」や前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤「ハルナール」のグローバルでの販売に加えて、前立腺がん治療剤では「エリガード」を欧州で販売するほか、日本でASP3550(一般名:デガレリクス)が臨床開発段階にあるなど、泌尿器領域において既に強固な事業基盤を構築しています。また、がん領域を当社のフォーカス疾患のひとつに位置づけ経営資源を集中しています。当社では、このたびの契約締結により、泌尿器領域並びにがん領域における事業基盤が一層強化されるものと考えています。

 

[メディベーション社(Medivation Inc.)について]
 メディベーション社は、本社を米国カルフォルニア州に置くバイオ医薬品会社であり、特に治療の選択肢が限られた重症疾患に対する新規低分子治療薬の開発にフォーカスしています。

 

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