アステラス製薬株式会社(本社:東京都、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、クリアパス デベロップメント社(英名:ClearPath Development Company、本社:米国メリーランド州、会長:Chuck Finn、以下「クリアパス社」)と、感染症領域におけるワクチンのポートフォリオ構築に関する戦略的提携関係を結びましたので、お知らせします。アステラス製薬は、今回の戦略的提携を通じ、クリアパス社の管理・運営下にあるRSV社(英名:RSV Corporation、以下「RSV社」、2013年12月より事業開始)がマイメティックス社(英名:Mymetics Corporation、以下「マイメティックス社」)より導入した呼吸器合胞体ウイルス感染予防ワクチン(以下「本ワクチン」)の開発に投資し、ワクチンポートフォリオの拡充を図ります。

 呼吸器合胞体ウイルスは、あらゆる世代に感染し、呼吸器感染症を引き起こすリスクがある病原体です。同ウイルスにより引き起こされる呼吸器感染症は、特に乳幼児、慢性呼吸器疾患や循環器疾患を罹患している高齢者において、重症化する恐れがあり、毎年、全世界で、6,400万人が感染し、160,000件の死亡の原因になっていると報告されています。しかし、未だ同ウイルスに有効なワクチンは開発されていません。

 本ワクチンは、Virosome技術を用いて創製され、免疫系のターゲットとなるウイルスの主要な表面抗原蛋白質を保持する膜成分から構成されていますが、感染を引き起こす遺伝物質は含んでいません。非臨床試験において、本ワクチンが強い免疫反応を誘導し、呼吸器合胞体ウイルスに対して防御効果を有することが確認されました。また、Virosome技術をベースとしたワクチンは既にインフルエンザワクチン等で実用化されており、その効果と安全性が示されています。

 本ワクチンの開発は、35年以上のワクチン開発の経験を有するジョージ・シバー氏(George Siber)が率いるクリアパス社を中心とした開発チームが行います。シバー氏は、1996年から2007年までWyeth Vaccines ResearchのExecutive Vice President and Chief Scientific Officerのポジションにあり、その間Prevnar、Meningitec、Rotashield、FluMistを含む6つの小児用ワクチンの承認・販売を統括しました。またマイメティックス社は、RSV社との契約に基づき、非臨床試験、製剤開発及び製造を担当します。

 なお、アステラス製薬は、本戦略的提携において、本ワクチンのPOC (Proof of Concept:ヒトでの薬効確認)試験終了までの開発費用を負担します。また、アステラス製薬は、RSV社を買い取り、本ワクチンの開発・事業化を行う独占的な権利を有しています。

 マイメティックス社は、本ワクチンのRSV社への導出に関し、契約一時金及び開発マイルストンとして最大で82百万ドル、並びに売り上げに対する二桁パーセントのロイヤリティなどを受け取る可能性があります。

 アステラス製薬の上席執行役員・経営戦略担当である安川 健司は、次のように述べています。

 「本戦略的提携は、グローバルにワクチンビジネスを構築し、革新的なワクチンを患者さんに届けるという、アステラスの決意の表れです。また、本戦略的提携は、昨年5月に発表した新薬創出力強化の手立てとして謳っている世界最先端技術の社内への取り込みを具現化するよい機会であります。」

 アステラス製薬は、今後も、クリアパス社との本戦略的提携を通じ、感染症領域における革新的なワクチンシーズの探索・獲得活動をグローバルで推進し、ワクチンのポートフォリオを拡充することにより、革新的な新薬を患者さんに届けていくことを目指します。

 

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