アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、Dana-Farber Cancer Institute(所在地:米国マサチューセッツ州ボストン、以下「DFCI」)と、肺がんをはじめとする様々ながんに対する新規がん治療薬・変異KRAS阻害剤の共同研究契約(開発・商業化に関するオプション権を含む)を締結しましたので、お知らせします。

 ras遺伝子は細胞の増殖に関与し、変異による機能活性化が、がん化を引き起こす発がん遺伝子であることが知られています。がん全体の約30%にras遺伝子の変異があるとも報告されており、中でもk-ras遺伝子の変異は、肺がん、大腸がん、すい臓がんをはじめとする様々ながんで見られることから、その産物である変異KRASタンパクは、新規がん治療薬の有望な標的分子と考えられています。しかし、KRAS阻害剤の研究開発は、過去20年以上にわたり製薬企業や研究機関で検討されてきましたが、未だ有効な治療薬の創出には至っていません。

 今回の共同研究において、アステラス製薬とDFCIは、KRAS阻害剤研究における第一人者であるDFCIのNathanael Gray, Ph. D主導の下、有望ながん治療薬につながる新規の変異KRAS阻害剤を創製していきます。Nathanael Gray, Ph. Dは、最近の研究において、KRASタンパクのG12C変異(KRASタンパクの12番目のアミノ酸が、グリシンからシステインに変異)に結合する阻害剤の開発について、新たなアプローチを発見し、発表しています。

 共同研究の期間は3年間で、アステラス製薬は、本共同研究の結果得られる新規の変異KRAS阻害剤に関する全世界を対象地域とする独占的ライセンスのオプション権を有しています。アステラス製薬は、当該オプション権を行使した場合、独占的ライセンスに基づき、治療薬を研究・開発し、商業化を行います。またDFCIに対して開発・商業化の進捗に応じて、一定のマイルストンとロイヤルティを支払います。

 アステラス製薬の上席執行役員・経営戦略担当である安川 健司は、次のように述べています。「アステラス製薬は、創薬のオープンイノベーションを推進し、外部との連携を積極的に図りながらアンメット・メディカル・ニーズを満たす創薬機会の獲得を進めています。今回のDFCIとの提携は、その一環です。本提携により、世界中の患者さんに革新的ながん治療薬を届けられることを期待しています。」

 Nathanael Gray, Ph. Dは、次のように述べています。「本提携は、KRAS阻害剤開発に新たな可能性を広げるものとなります。アステラス製薬のような多くの革新的な新薬を研究、開発してきた製薬企業と提携し、今まで成し得なかった新規の変異KRAS阻害剤の研究開発に挑戦できることを大変嬉しく思っています。」

 また、本共同研究の共同研究者の一人であるDFCIのPasi A. Jänne, MD, Ph. Dは次のように述べています。「肺がんの治療においては、まだアンメット・メディカル・ニーズが存在します。そのような領域において、アステラス製薬と提携できることを大変光栄に思っています。我々が持つそれぞれの専門性を活かし、k-ras遺伝子変異を有するがん患者さんに対する治療薬を提供できることを期待しています。」

 本提携は、アステラス製薬のイノベーションマネジメント部(通称:AIM)が主導しています。AIMは、前臨床段階における外部イノベーション機会の探索・獲得活動を一層強化・加速するため、2013年10月に新たに設置されました。AIMは、前臨床段階における戦略的な外部提携活動を統括し、外部イノベーションの機会獲得に関する戦略策定、探索、科学性評価、提携交渉などの一連の活動を一気通貫して担い、外部提携活動を戦略的かつ体系的に行っています。

以上