治療の経過を通じて定期的に色々な検査を行い、体の状態を確認して、合併症や再発・再燃の有無をチェックします。

10年生存率

生存率とは、病気の診断あるいは治療(手術)を受けてから一定期間後に生存している方の割合です。がん治療では通常、5年または10年を目安に考えます。10年生存率とは、診断あるいは治療を受けた方たちのうち、10年後に生存している方の割合のことです。

前立腺がんは、がんが前立腺だけにとどまり他の臓器への転移がなければ、手術や放射線治療などの適切な治療を行うことで、10年生存率80%以上が期待できます。前立腺から離れた臓器に転移している場合は5年生存率が45%となります。いかに早期発見・早期治療するかが大きな鍵となります。

PSA再発

PSAは前立腺がんの治療後の経過をみる上で鋭敏なマーカーで、一般的には臨床的な症状が出る前にPSAの持続的な上昇が見られ、生化学的再発あるいはPSA再発と呼ばれています。PSA再発までの期間を奏効期間として算出されるのが、PSA非再発生存率で治療の評価に用いられます。

治療の効果確認

前立腺がん治療後の再発や再燃を早期発見し、早期に二次治療を行うため、経過観察が必要です。経過観察はPSA検査を中心に行います。PSA値が10年間がんの再発の基準を超えなければ、ほぼ完治したとみなされます。
経過観察の間隔は、一般的に外科治療後2年間は3か月毎、以降6か月ごと2年間、その後年1回の実施間隔が妥当とされています。
前立腺を切除しない放射線治療やホルモン療法の場合は、3年目以降も6か月から1年ごとにPSA検査の継続が必要といわれています。

手術療法の治療後

外科治療によりがんがすべてなくなっていれば、PSA値は0.1ng/mL未満になります。がんが残っている、あるいは再発している場合の目安は0.2ng/mLを超えているかどうかです。治療後の測定で連続して0.2ng/mLを超えた場合は、がんが残っている、あるいは再発したと判断されます。

放射線療法の治療後

治療後、ゆっくりとPSA値が下がってきます。下がりきったところから上昇をはじめ、最低値から2.0ng/mLを連続して超えた時に、再発したと判断されます。ただし、治療後にホルモン(内分泌)療法などを併用している場合にはあてはまりません。

ホルモン(内分泌)療法の治療中

PSA値の変化を見ながら、薬や治療法の中止・変更を検討します。4週間以上あけて測定したPSA値が最低値より25%以上かつ2ng/mL以上上昇した場合、がんの再発と判断されます。

再発・再燃した時

再発・再燃と判断された場合は、最初に行った治療法によって救済治療の選択肢が変わります。

最初に手術療法を行った場合

再発した場所が特定できれば救済放射線療法を行います。それでもPSA値が下がらなかった場合や、再発の場所が特定できない場合は、ホルモン療法を行います。

最初に放射線療法を行った場合

一度放射線を照射すると、再度放射線療法を行うことはできません。また、救済手術は合併症の危険性が高くなるため、日本ではほとんど行われていません。放射線療法後に再発した場合の治療は、ホルモン療法になります。

最初にホルモン療法を行った場合(詳細は去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の治療法を参照)

去勢抵抗性前立腺がん(CRPC:ホルモン治療によって去勢状態にあるにも関わらず、再燃してきた前立腺がん)に対しては、抗アンドロゲン剤の追加・休止・変更などを行います。