機能性ディスペプシア(FD)の治療は、生活習慣の改善を基本に、さまざまな薬物療法が行われます。

生活習慣の改善

生活習慣を改めることによって、機能性ディスペプシアの症状が良くなることは少なくありません。機能性ディスペプシアに影響するような生活習慣はできるだけ避けるような指導が行われます。

薬物療法

患者さんの症状原因に応じて、医師が次のような薬の中から適切な薬を処方します。

消化管運動機能改善薬

胃もたれや早期飽満感がある場合には、消化管のはたらきを活発にする消化管運動機能改善薬が使われることがあります。ドパミンD2受容体拮抗薬やセロトニン5-HT4受容体作動薬、漢方薬など、さまざまな種類があります。

酸分泌抑制薬(ヒスタミンH2受容体拮抗薬;H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬;PPI)

十二指腸に胃酸が流れ込むことによって胃の運動機能が低下し、さまざまな機能性ディスペプシアの症状が引き起こされることが知られています。また、胃が知覚過敏の状態では、正常な胃酸分泌であってもみぞおちの焼けるような感じや痛みを感じることがあります。

酸分泌抑制薬は、胃酸の分泌を抑え、みぞおちの焼けるような感じや痛みを改善させます。

酸分泌抑制薬には、ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)や、プロトンポンプ阻害薬(PPI)といった種類があります。

抗うつ薬、抗不安薬

消化管運動機能改善薬や酸分泌抑制薬でも症状が良くならない場合は、抗うつ薬や抗不安薬が使われることがあります。

ピロリ菌を除菌するための薬物療法

ピロリ菌に感染している機能性ディスペプシア患者さんに除菌療法を行うと、機能性ディスペプシア症状が改善するという報告もあります。ピロリ菌の除菌のために3種類の薬(主に抗菌薬2種類とプロトンポンプ阻害薬)を7日間飲み続ける治療法があります。しかし、現在我が国においてピロリ菌の除菌治療は一部の疾患にしか保険適応が認められていないため、機能性ディスペプシアの場合は保険適応が認められていません。