アステラスでは、グループ全体に関わる重要なルールや原則、管理責任を「ポリシー」として定めています。「ポリシー」はアステラスグループ内のすべての役員及び従業員、派遣社員に適用されます。また、契約において特に定めている場合は、エージェント、コンサルタント、請負業者、その他アステラスのために業務を行う第三者に対しても、これらの全部または一部が適用されます。
さらに、「基本的な考え方(ポジションステートメント)」において、さまざまな重要課題に対するアステラスの考え方をまとめています。
これらは定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。なお、本文中では、アステラスグループ全体を指して「アステラス」と記載しています。

 

保健医療へのアクセス

保健医療へのアクセス(Access to Health)についての基本的な考え方

背景

満たされていない医療ニーズに対応する技術や医薬品は、今日までに目覚ましい発展を遂げています。しかし、適切な治療方法が存在しないこと、貧困、保健システムの不備、保健医療に関する情報不足が理由で、必要な医療を受けることが困難な状態にある人がいまだに多くいます。

基本的な考え方

アステラスは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献することを経営理念に掲げています。この経営理念のもと、私たちは、革新的な医薬品を研究・開発し、患者さんへ届けることにより、保健医療へのアクセス(Access to Health)の向上に注力しています。また、医療水準の向上が必要とされる地域での様々な支援活動に取り組みます。そのためにグローバルヘルスの改善に貢献できるよう、私たちの強みや技術、専門性を活かせる活動として、イノベーションの創出、入手可能性の向上、保健システムの強化、健康に対する知識・理解の向上という4つを特定しています。

1.イノベーションの創出

  • 医療ニーズを満たす革新的な医薬品
    グローバルヘルスの改善に向けてアステラスが第一に貢献すべきことは、治療満足度の低い疾患領域において革新的な医薬品と医療ソリューションを創出し、それを世界中の患者さんのもとに届けていくことです。
  • 社会的利益を追求する研究開発
    アステラスは社会的利益を追求する製品の研究開発を促進します。これには、治療満足度が低く医療ニーズが大きいにも関わらず、市場性が見込めないために、優先順位が低く、研究開発が不十分な疾患に対する取り組みが該当します。これらの活動には、そのような疾患に苦しむ患者さん向けの創薬研究、製剤開発、既存製品の新たな適応取得などがあります。

2.入手可能性の向上

  • 知的財産の取り扱い 
    研究開発の成果を知的財産権により保護することは、新薬を継続的に創出するために不可欠です。同時に、途上国の中には特別な配慮を必要とする国もあります。アステラスは保健医療へのアクセス改善の重要性に配慮し、大きな経済的課題がある国において特許出願および特許権の行使を行いません。対象国は、国連の定めるLeast Developed Countries (LDCs)*1および世界銀行の定めるLow Income Countries (LICs)*2を参照して決定しています。
  • 治験薬への拡大アクセス
    治療薬を患者さんに届ける通常の方法は、臨床試験を行い、医薬品として承認を得てそれを販売することです。しかし、重篤な疾患または生命を脅かす疾患を持つ患者さんの中には、現在ある治療法をすべて試みても効果がなく、参加する基準を満たさずに臨床試験で治療薬の投与を受けることもできないため、他の方法での治験薬の投与を求める方がいます。アステラスは、治験薬および患者さんが定められた条件を満たす場合に、該当する国の規制に従い、治験薬への拡大アクセス実施計画を作成します。
  • サプライチェーン・マネジメント
    高品質な製品を適切なタイミングで必要としている患者さんに届けるためには、効果的な医薬品供給・販売網を責任をもって管理することが必要不可欠です。アステラスは、患者さん及び顧客の皆さんに、高品質かつ安全で有効な医薬品を確実に供給します。アステラスは、厳重な品質基準と効果的なサプライチェーン・マネジメント体制を維持することにより、安全性を担保しながら患者さんが継続的に製品を入手できるよう努めます。
  • 患者支援プログラム
    アステラスは、一部の国や地域において、事前に定めた基準を満たす患者さんがアステラスの特定の製品を購入する際に、支援を受けられるプログラムを実施します。このプログラムにおいては、公正で透明性の高い応募プロセス、合理的な基準、プログラム実施地域に適した製品供給の仕組みを確立します。

3.保健システムの強化

  • 医療インフラ、サービス、および治療の質の向上
    アステラスは各種施策を通じ、公衆衛生の向上、医療の質の向上、患者さんをはじめとするステークホルダー並びに保健システム全体に対する価値の提供により、保健システムの改善に貢献するよう努めます。これらの取り組みを通じて、各地域の保健システムを継続的に改善することを目指します。
  • 能力開発を含む技術移転
    アステラスは公的機関や民間企業と連携しながら、医薬品の製造において重要な技術を適切に移転することに貢献します。各地域の保健システムを強化するため、医薬品の製造および品質管理に関するノウハウの共有、トレーニングおよび教育を検討します。

4.健康に対する知識・理解の向上

  • 疾患啓発と患者支援
    アステラスは市民の健康に対する知識・理解の向上に努めます。疾患を予防するとともに適切な診断や治療を受けるためには、疾患啓発を行い、学習の機会を提供することが重要であると考えます。多様な規制環境の中で、患者さんやその家族、介護者、必要に応じてその他のステークホルダーに対し、疾患や製品の適正使用に関する情報を得る機会を提供します。さらに、アステラスは患者さんの健康に対する知識・理解の向上のために活動している患者会を支援します。患者会との関係構築により、アステラスとしても、患者さんのニーズをより理解することにつながります。

こうした取り組みは、保健医療へのアクセスを推進すると同時に、アステラスの企業価値の向上につながると信じています。アステラスはこれらの活動を進展させるために、必要に応じてパートナーとの協働を検討するほか、ステークホルダーと緊密に連携します。

参考資料

  1. 国連の定めるLDCs 
  2. 世界銀行の定めるLICs 
  3. 社会貢献活動に関するポリシー
  4. 治験薬への拡大アクセスについての基本的な考え方
  5. 途上国における知的財産権についての基本的な考え方
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治験薬への拡大アクセスについての基本的な考え方

背景

アステラスは、いまだ治療満足度の低い疾患に対する治療薬を最も効率的に患者さんに届けられるよう取り組んでいます。その通常の方法は、臨床試験を行い、医薬品として承認を得てそれを販売することです。しかし、重篤な疾患または生命を脅かす疾患を持つ患者さんの中には、現在ある治療法をすべて試みても効果がなく、参加する基準を満たさずに臨床試験で治験薬の投与を受けることもできないため、他の方法での治験薬の投与を求める方がいます。

基本的な考え方

アステラスは、以下の条件を満たす患者さんが以下の条件を満たす治験薬を必要とする場合に、拡大アクセス実施計画を作成します。

  1. 対象疾患または症状が重篤または生命を脅かすものであること。
  2. 利用可能な治療法すべてを患者さんが試みたこと。
  3. 拡大アクセスを提供することにより、治験の完了および治験薬の承認取得に遅延や障害が生じないこと。
  4. 当該治験薬の臨床開発が進行中で、市販では入手できないこと。
  5. 患者さんが進行中の治験への組み入れに不適格であること。
  6. 用法用量の情報を含め、安全性及び有効性に関する十分な予備データが存在すること。
  7. 患者さんに対して予想される有用性がリスクを上回ること。
  8. 患者さんの担当医、治験審査委員会/倫理委員会および規制当局が治験薬の提供を承認していること。

アステラスは、条件に該当する拡大アクセスの要請に対し、公正で中立な評価により患者さんへの治験薬提供の可否を決定します。患者さんのニーズに応えるため迅速にこの決定を行いますが、必要に応じてアステラスの医療および臨床チーム、患者さんの担当医、規制当局および外部専門家と適切に相談、協議します。一般的な目安として、拡大アクセスの要請を受けてから遅くとも7日以内に対応します。

拡大アクセスプログラムは、医薬品の臨床開発が進行中で、承認取得が計画されている国で実施され、拡大アクセスの要請があった国の規制に従って手続きが行われます。一般的に、医薬品が承認され、その国で市販が開始されると、拡大アクセスプログラムは終了します。

アステラスは、拡大アクセスに関する情報を適切に提供します*。拡大アクセスを望む患者さんには、プログラム参加への適格性および利用に関して担当医師を通じてご確認いただきます。

*アステラスの拡大アクセス実施計画に関する情報は、アステラスEAPs でご覧いただけます。また、拡大アクセスプログラムに関する詳細は、下記の窓口にお問い合わせください。
医師向け問い合わせ窓口:Eメール [email protected]

参考資料

  • Principles on Conduct of Clinical Trials and Communication of Clinical Trial Results by PhRMA (June, 2015)
  • BIO Principles on Expanded Access to Investigational, Unapproved Medicines (April, 2015)
  • A vision towards a life sciences strategy for Europe by EFPIA (2014)

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途上国における知的財産権についての基本的な考え方

背景

研究開発の成果を知的財産権により保護することは、革新的な新薬や新技術を創出するために不可欠です。 私たちは、一部の途上国において、様々な相互に関連する要因により治療へのアクセスが阻害され得ることを認識する一方で、知的財産権が保健医療へのアクセス(Access to Health)を制限する要因であるとは考えていません。むしろ知的財産権による保護は、新薬や新技術を創出する研究開発を促すことにより医薬品へのアクセスを向上させると考えます。

基本的な考え方

アステラスは、国連の定めるLeast Developed Countries(LDCs)*1および世界銀行の定めるLow Income Countries (LICs)*2において特許出願および特許権の行使を行いません。私たちは、これらの国が社会的、経済的な問題に対処するためにおいて、「TRIPS協定と公衆衛生に関するドーハ宣言*3」が許容する柔軟性の対象となり得ることを認識しています。なお、LDCsは2033年までTRIPS協定の履行義務を免除されており、アステラスはこれを支持します。また、アステラスは、保健衛生の課題は製薬産業を含む多様な関係者が共有する責務であると認識しており、差し迫った保健衛生の課題に対処するため、その他の途上国においても、個別の事案に応じて柔軟な特許権実施許諾を検討します。

アステラスは、革新的な新薬や技術の創出によって患者さんの健康を改善できると信じています。また、強制実施権は、国家緊急事態やその他の緊急事態において、他に代替手段がなくやむを得ない場合のみに、国際的なルールに則り発動されることが妥当であると考えます。
TRIPS協定第31条の2に反映されているドーハ宣言は、知的財産権および、最も緊急性の高い公衆衛生の危機に直面しているLDCsやLICsへ命を救う医薬品を届ける必要性を支えるための基盤です。

参考資料

  1. 国連の定めるLDCs
  2. 世界銀行の定めるLICs
  3. TRIPS協定と公衆衛生に関するドーハ宣言
  4. 知的財産に関するポリシー
  5. 保健医療へのアクセス(Access to Health)についての基本的な考え方
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研究開発

動物の管理および使用に関するポリシー

背景

アステラスは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献することを経営理念に掲げています。医療上の重要なニーズを満たす医薬品が進歩するために、責任をもって動物を取り扱う創薬研究が貢献していることを認識し、アステラスは動物福祉を真摯に受け止めています。

ポリシー

アステラスは、動物の管理および使用に関する各国の法令や規則を遵守するとともに、国際的にも認められた基準・指針に準拠します。

アステラスは、医薬品の開発において責任をもって動物を取り扱う際に、以下の4Rの原則を満たすように努めます。

  • 動物を用いない代替的な実験方法の開発および系統発生学的に低位な動物への置換え(Replacement)
  • 科学的な目的を達成するのに最低限必要な数まで使用する動物を削減 (Reduction)
  • 可能な限り動物に苦痛を与えない配慮 (Refinement)
  • 実験の意義・必要性・予見性等の観点から動物使用の科学的・倫理的な正当性を検証(Responsibility)

アステラスは、動物実験を行うすべての事業場に動物実験委員会を設置し、関連法令や基準を遵守するとともに、4Rの原則の遵守状況の確認・評価・監視、実験計画書の審査および承認、動物の管理および使用に従事する担当者への教育訓練等を行います。また、各動物実験委員会を統括する組織として総括動物実験委員会を設置します。

さらに、高い倫理観をもって適正かつ人道的に動物が管理および使用されていることを担保するため、アステラスでは、動物実験を行うすべての事業場において、国際実験動物ケア評価認証協会 (AAALAC International) の認証を取得します。

アステラスが外部に動物実験を委託する場合、委託先が動物の管理および使用に関する当該国の法令・基準を遵守することを確認します。また、当該委託先が可能な限りアステラスの基準に準拠するように努めます。

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幹細胞の研究開発に関するポリシー

背景

近年、幹細胞に関する研究が著しく進んでいます。幹細胞研究の成果は、これまで治療法のなかった重篤な疾患に対する新たな治療法の開発に大きく貢献すると期待されます。

幹細胞は、分裂して自己と同じ細胞を作り出す「自己複製能」と、体の組織や器官を構成する様々な種類の細胞に分化することができる「多能性」をもつ細胞として定義されます。成人の身体において、幹細胞は障害に対する修復システムとして、組織や器官の恒常性維持を補う機能を有しています。このような特徴的な再生能力により、幹細胞は、新規薬剤の探索における研究ツールとしての可能性があります。さらには、幹細胞そのものあるいは幹細胞から分化誘導した機能細胞を治療薬として用いることで、細胞医療という新たな医療分野を確立できる可能性もあります。

ポリシー

アステラスは、これまでに治療手段のなかった疾患に対し、幹細胞による新たな治療手段を提供できる可能性があると考えています。これを実現するため、幹細胞を治療に利用する研究開発活動を進めています。

一方で、ヒト幹細胞を用いた研究の推進により、慎重に検討すべき懸念が生じ得ることも認識しています。特に、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)を用いた研究に対し、社会的・生命倫理的な課題があることを十分に認識しています。

上記の考え方に基づき、アステラスは、ヒト幹細胞の研究開発を行うにあたり遵守すべき基本的な事項を本ポリシーにまとめました。アステラスは、自ら行う研究開発及び外部機関と共同で行う研究開発において、これらの事項を遵守します。

  1. アステラスは、ヒト幹細胞に関するすべての研究開発活動において、その研究開発を行う国や地域の関連法令や規制を遵守します。
  2. アステラスは、社内責任者及び社外専門家で構成する委員会を設置し、ヒト幹細胞研究開発活動の倫理性及び科学的正当性またはメリットについて同委員会から監督・助言を受けます。さらに、該当する研究開発は、倫理的に問題なく適正な科学的目的に沿った実施という観点で別途審査を受け、承認を要します。
  3. ヒト胚性幹細胞を樹立・利用する場合、米国科学アカデミーによるガイドラインなど、世界中の主要な科学的権威によって制定された倫理基準を満たすようにします。

アステラスでは、ヒト幹細胞を用いたヒト生殖クローニングを実施することはありません。また、ヒト生殖クローニングを目的とする活動を支援・支持することはありません。

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研究者主導研究に関するポリシー

背景

アステラスは、質の高い研究を通して、患者さんや医療関係者、地域社会への貢献に取り組んでいます。患者さんのニーズを理解し、治療に関する知識を向上させて健康を改善するために、医療機関、科学・教育機関の研究を支援することは重要であると認識しています。本ポリシーは、アステラスが販売する製品や関連する疾患領域についての医学的・科学的知識の向上を目的とした研究者主導研究に関して、アステラスと研究者の間に適用される基準を定めています。

ポリシー

アステラスは、研究者主導研究の支援にあたり、関連法規、規制及び業界規範を遵守し、透明性を確保して手続きを文書で記録します。本ポリシーは、アステラスが製造販売承認を持つ製品や関連する疾患領域についての臨床と非臨床の研究を対象とします。

研究者主導研究のコンセプトと提案は、アステラスが要求することなく、研究者あるいは研究機関などにより発案される必要があります。また、アステラスが支援を行うかどうかに関係なく、研究者主導研究の全責任は研究者あるいは研究機関にあります。研究者は、研究者主導研究の実施のために、薬剤や資金の提供を申請することができます。

メディカルアフェアーズ部門は、研究者主導研究の支援を担当し、提案の受領、審査及び承認に関する社内業務を行います。提案は、複数の専門部署で構成される審査委員会において審議されます。承認された後、研究開始までに、研究者あるいは研究機関と、その責任を明記した書面にて契約を取り交わします。契約を締結した後は、研究者あるいは研究機関と定期的に連絡を取り、研究の進捗を確認します。研究提案の開始、申請、評価、承認のプロセスや、進行中の研究の進捗管理に、営業部門が関与することは禁じられています。アステラスは、研究者あるいは研究機関が投稿する公表内容について、アステラスの製品に関連することが事実であるかどうかという観点、知的財産権、安全性とファーマコヴィジランス、アステラスの支援に関する適切な開示という観点に限って事前に確認します。

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科学論文や学会における研究結果の公表に関するポリシー

背景

公表は、アステラスが開発を進めている化合物や製品に関する研究結果を医科学界に伝えるために、信頼できるとともに根拠に基づいた方法です。本ポリシーは、アステラスがこれらの化合物・製品に関する公表を、社外の研究者の協力を得ながら、透明性を保ち、正確で偏りがなく、適時に作成するための道筋を示したものです。本ポリシーは、臨床試験の実施とその結果の公表に関する国際製薬団体連合会(IFPMA)並びに米国研究製薬工業協会(PhRMA)/ 欧州製薬団体連合会(EFPIA)の原則を遵守しています。

ポリシー

アステラスが実施した臨床試験の結果は、査読を経た公表や、公的な登録サイトやウェブサイトに開示することにより、一般に公開されます。査読を経た公表は、当該著者らと同分野の専門家により、厳正に評価された後に受理され、公表されます。

本ポリシーでは、アステラスが著者とどのように対話し協働するかについて、方針を定めています。アステラスは、国際医学雑誌編集者会議(ICMJE)が定めた著者に関する資格要件と推奨事項を遵守します。著者については当該公表の計画を立てる早い段階で決定します。著者は、関連する試験データに全面的にアクセスすることができ、当該公表作成における全過程で関与します。また、アステラスは著者に対し、執筆や内容の評価の対価として報酬を支払いません。さらに、アステラスは試験の主宰、執筆補助、及び資金提供について開示することで、透明性の確保に取り組みます。同様に、著者もアステラスや他の組織から受けた金銭的支援や資金提供について開示する必要があります。また、アステラスは必要な確認を行い、知的財産権を保護します。

アステラスは、実施した研究の結果を、結果によらず適時に投稿します。

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臨床試験データの開示に関するポリシー

背景

 アステラスは、臨床試験データの開示を進め、透明性を高めることに取り組んでいます。科学の進歩やイノベーションの推進などで、臨床試験データの価値を最大化するためには、研究者をはじめ臨床試験データを活用する可能性のある方々が、臨床試験データに適切にアクセスできる必要があります。アステラスは、研究者、医療関係者、患者さんなどの関連するすべて関係者に対して臨床試験に関する情報およびその結果を提供することで、公衆衛生の向上に貢献できると考えています。

ポリシー

 アステラスは、自らが研究主体となって責任を負う臨床試験の情報の登録、および臨床試験結果の開示に際し、関連法令、規制、業界指針を遵守します。

臨床試験の登録

 アステラスは、自社製品または導入品の安全性と有効性の評価を目的として、自らが研究主体として責任を負う介入試験を登録します。本ポリシーの適用対象となる臨床試験情報は、一般に公開されている臨床試験情報登録サイトに登録します(例:http://www.clinicaltrials.gov/)。また、アステラスが研究主体として責任を負うその他の試験(例:非介入臨床研究)についても、各国の法律または規制上の要請がある場合は、各国の登録サイトに登録することがあります。

臨床試験結果の開示

 アステラスは、規制当局の承認を取得した製品が対象とする患者さんにおいて実施した、自らが研究主体として責任を負うフェーズ1から4のすべての介入試験の結果の要約を開示します。さらに、各国の法律または規制上の要請がある場合は、Astellasが研究主体として責任を負うその他の試験(例:非介入臨床研究)の結果の要約も開示します。

 2014年1月1日以降に初めて承認を取得した製品で実施した臨床試験は、試験結果の要約および医療関係者以外の方に向けた臨床試験結果の要約を臨床試験結果ウェブサイト (www.clinicaltrials.astellas.com 及び/又は www.trialsummaries.com/Home/LandingPage)に、製造販売承認取得から3カ月以内に開示します。ただし、試験終了時に当該臨床試験の対象疾患および剤型が既に製造販売承認を取得している場合は、試験終了から12カ月以内に臨床試験の結果を開示します。さらに、2008年11月1日から2013年12月31日に初めて製造販売承認を取得した製品で実施した臨床試験は、一般に公開されている臨床試験結果データベースに試験結果の要約を開示します。

 また、アステラスは、2014年1月1日以降に開発を中止した化合物を用いて実施した臨床試験についても、試験結果の要約および医療関係者以外の方に向けた臨床試験結果の要約を臨床試験結果ウェブサイトに、開発中止の決定から12カ月以内に開示します。ただし、開発中止を決定した時点で試験を継続している場合は、試験終了から12カ月以内に開示します。

研究者が臨床試験データにアクセスする方法

 アステラスは、個人情報保護に関連する各種法律および規制を遵守したうえで、患者レベルのデータ(患者ごとに個別に得られたデータ)、試験レベルのデータ(患者レベルのデータを試験の中で要約して得られたデータ)およびプロトコルへのアクセスを研究者が要求できる仕組みを提供します(www.clinicalstudydatarequest.com)。対象は、当社が自ら研究主体として責任を負う、2010年1月1日以降に終了した患者さんを対象とした臨床試験です。

 上記に該当するデータへのアクセスは、いずれかの国で承認を取得した製品で、第三者の専門家により構成される審査委員会が、科学的な有用性や研究者の適格性などを基に審査して承認した場合に付与されます。また、アクセス権は、審査委員会の審査と承認を受け、データの共有に関する合意書を締結した後に、アステラスにより付与されます。

 患者レベルのデータは、関連する法律および規制を遵守し、臨床試験に参加される被験者の方のプライバシーの権利の尊重および健康状態に関する個人情報の保護のため、匿名化したうえで、研究者へ提供します。

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遺伝資源についての基本的な考え方

背景

生物多様性は、社会に多くの恩恵を与えており、企業活動は、それらに密接に関係しています。地球規模での開発が急速に進む過程において、生物多様性の保全は、後世に向けて取り組むべき重要な課題の一つとして認識されてきました。また、遺伝資源を含む生物由来物質は、医薬品やワクチンの一部として一般的に利用されています。

これらの背景に関連する法律・指針の一つに生物の多様性に関する条約(生物多様性条約)*1があります。この条約は、1992年にリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議で署名に向けて開放され、1993年に発効しました。また、2003年にはバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書*2、2014年には遺伝資源へのアクセスと利益配分に関する名古屋議定書*3が発効しました。

基本的な考え方

生物多様性条約は、①生物多様性の保全、②その構成要素の持続可能な利用及び③遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分の三つの目的からなります。名古屋議定書では、遺伝資源の利用について資源利用国は資源提供国に事前に同意を得ること、遺伝資源の利用から生じる利益は相互に合意した条件で公正に配分すること等が定められています。アステラスは、生物多様性条約と名古屋議定書が定める上記の原則を支持します。

カルタヘナ議定書では、最新のバイオテクノロジーから生み出される遺伝子組換え生物等の安全な取扱い、輸送、利用が定められています。アステラスは、カルタヘナ議定書を遵守して遺伝子組換え生物等を扱います。近年、新育種技術や新たな遺伝子組換え技術のような新規技術が開発されていますが、これらが、環境、生物多様性、人の健康にもたらす影響は、まだ完全には明らかになっていません。アステラスは、学術機関、協議会、所管当局と連携し、倫理面に配慮しながらこれらの技術を慎重に取り扱います。

参考資料

  1. 生物多様性条約
    https://www.cbd.int/convention/text/
  2. カルタヘナ議定書
    http://bch.cbd.int/protocol/text/
  3. 名古屋議定書
    https://www.cbd.int/abs/text/default.shtml

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ヒトゲノム編集に関する基本的な考え方

背景

ゲノム編集技術の飛躍的進歩はライフサイエンスに大きな進展をもたらしています。 ゲノム編集技術は、疾患に対する新規治療アプローチの発展を促進し、社会的利益に貢献するものです。一方で、急速に進展する本技術は、遺伝的変化をもたらす生殖系列細胞の編集を可能とするなど、これまでにない倫理的、法的、および社会的課題も抱えています。

アステラスは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献する使命を持ったライフサイエンスのリーディングカンパニーとして、これらの進歩の最前線に立っています。世界中に拠点を置くアステラスの社員およびパートナーは、 大学等の学術研究機関やバイオテクノロジー企業との連携のもと、疾患生物学への深い理解とゲノム編集/ ゲノム制御等を含む最先端の技術プラットフォームや治療モダリティと組み合わせることにより、革新的な治療アプローチを開発しています。

基本的な考え方

ゲノム編集の基準
アステラスは、ヒトゲノム編集における管理や監視体制に関する国際基準の策定を検討している、米国国立標準技術研究所(NIST)ゲノム編集コンソーシアム、欧州科学アカデミー諮問委員会(EASAC)、米国薬局方、国際標準化機構(ISO)、世界保健機関(WHO)、およびその他の国際機関の考え方を支持しています。

基礎研究と前臨床研究
アステラスは、体細胞や生殖系列細胞にゲノム編集技術を用いる基礎研究および前臨床研究は、患者の健康と福祉に貢献するために適切な法的、倫理的規則と監視のもとに実施されるべきであるという考え方を支持しています。
現時点において、アステラスはヒト生殖系列細胞に対してゲノム編集技術を用いる基礎研究および前臨床研究を実施する予定はありません。

ゲノム編集の臨床利用
アステラスは、関連する法律や指針を遵守し、適切かつ科学的な目的で研究開発を実施します。アステラスは、規制当局の監視のもとで実施される体細胞を標的とするゲノム編集技術の臨床応用を支持しています。しかしながら、生殖系列細胞に対するゲノム編集技術は、まだヒトを対象とする臨床試験が適当であると考えられる段階に至っていないと考えています。各国政府および国際的な専門家委員会は、ヒト生殖系列細胞に対するゲノム編集の臨床応用に関する規制を議論しており、アステラスはこの内容を支持します。
現時点において、アステラスは、ヒト生殖系列細胞に対するゲノム編集の臨床利用を行う予定はありません。

国際対話の必要性
アステラスは、ヒトゲノム編集に関して、以下のような未解決の課題が存在すると考えています。

  • 倫理的、法的、社会的問題
  • 長期安全性
  • 価値評価および医療技術評価
  • 治療へのアクセスを可能にするための適切な支払いモデル
  • 知的財産権
  • 遺伝子組換え生物(GMO)規制の調和

ゲノム編集技術に関する活動は最終的には管轄を有する各国当局による規制に則ることとなりますが、健康へのリスクを最小にしつつ福利の最大化を図るため、ゲノム編集に関する国際基準が必要であると考えます。

アステラスは、政府と国際的な科学コミュニティが協力してヒトゲノム編集の許容可能な使用に関する基準を確立し、規制を調和させるべきだと考えます。これら国際的な専門家委員会のもと、不適切とみなされるような活動がなくなり、人々の健康と福祉が推進されるべきと考えます。
アステラスはまた、この国際的な対話が包括的なものであり、科学者、倫理学者、医療提供者、患者とその家族、政策立案者、規制当局、研究資金提供者、公益提唱者、および世界各国の業界代表者等の広範な視点や専門知識が集約されたものとなることを期待します。

参考資料

  1. Friedmann T, Jonlin EC, King NMP, et al. ASGCT and JSGT Joint Position Statement on Human Genomic Editing. Mol Ther. 2015;23(8):1282. doi:10.1038/mt.2015.118
  2. https://ec.europa.eu/research/ege/pdf/gene_editing_ege_statement.pdf
  3. https://www.cell.com/ajhg/pdf/S0002-9297(17)30247-1.pdf
  4. https://www.bayer.com/en/political-principles-and-positions.aspx
  5. https://alliancerm.org/bioethics/
  6. National Academies of Sciences Organizing Committee for the International Summit on Human Gene Editing report: https://www.nationalacademies.org/news/2015/12/on-human-gene-editing-international-summit-statement
  7. https://de.reuters.com/article/us-health-who-gene-editing/who-panel-calls-for-registry-of-all-human-gene-editing-research-idUSKCN1R02IC

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イノベーションの価値

知的財産に関するポリシー

背景

アステラスの知的財産を適切に保護することは、“先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献する”という経営理念のもと、満たされない医療ニーズに対応できるよう我々の競争力を維持するために重要です。知的財産には、特許・商標・営業秘密・著作権・ノウハウなど、知的財産関係法規によって保護され得るあらゆる成果物が含まれます。

ポリシー

知的財産の重要性に鑑み、アステラスは知的財産に関連する関係法令を遵守しつつ、自社の保有する知的財産を適切に保護、管理します。また、アステラスグループの知的財産は、企業価値向上のため、適切に活用されます。

アステラスの従業員は業務上、発明やその他の保護され得る知的財産を創造したときは、その発明等を速やかに会社に報告します。アステラスは、関係法令やポリシー・規程に従いその発明等の権利を取得します。

発明の開示が早急すぎると特許保護可能性を失うおそれがあるため、アステラスの従業員は故意または不注意にかかわらず、特許保護可能性のある発明等を外部に開示することがないよう注意を払い取り扱います。

アステラスは他社の有効な知的財産権を尊重するとともに、他社の知的財産権を侵害することのないよう必要および適切な対応を行います。

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医薬品の価値と価格についての基本的な考え方

背景

 アステラスは、患者さんに革新的な医薬品を届けることで世界の人々の健康に貢献します。その実現のため、アステラスは革新的な医薬品の研究開発に投資し、患者さんが必要とする医薬品へのアクセスを支援します。

 アステラスは、革新的な医薬品を持続的に創出するために必要なインセンティブの維持と患者さんの医薬品へのアクセス向上の双方を満たすため、様々なステークホルダーと連携しています。

基本的な考え方

 アステラスは、医薬品の価格には患者さん、保健システム及び社会全体にもたらす価値を適正に反映すべきと考えています。死亡率、罹患率、QOL(生活の質)を含む患者さんのアウトカムの改善は、アステラスにとって最も優先すべき事項です。一方で、アステラスは、医薬品の価値を判断する際には、科学的な新規性、エビデンスの強固さと質、既存治療に対する臨床的有用性、患者さんと保健システムの双方における経済性、患者さんへの幅広いアクセスを可能にする保健システムといったことが考慮されるべきだと考えています。医薬品の研究開発プロセスを通して、アステラスは、医療従事者、支払者、患者さんを含む幅広いステークホルダーと連携し、これらの要素等に関する多様な視点を理解します。

 アステラスは、医薬品の価格(経済的負担)は医薬品へのアクセスに影響を及ぼす一つの要素であると理解しています。アステラスは医療に関係する幅広いステークホルダーと連携し、経済的負担の課題に対する持続的な解決を目指します。さらに、患者アクセスイニシアチブ、価値に基づく価格設定等、地理的及び社会経済的な状況を含む様々な要素を考慮しながら、価格やアクセス向上に寄与する多様な解決策を探求していきます。

 アステラスは革新的な医薬品の研究開発への投資と患者さんの医薬品へのアクセス向上の双方を可能にする持続的な解決策を追求するため、関連するステークホルダーと連携していきます。

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環境・公衆衛生

環境・安全衛生に関するポリシー

アステラスは、すべての事業領域で事業活動と地球環境の調和並びに社員の安全と健康の確保が経営において重要な要素であることを強く認識し、主体的に行動します。

  1. 環境・安全衛生に関する法令などの遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に努めます。
  2. 環境・安全衛生活動に対してマネジメントシステムを構築し、組織的かつ継続的にその改善に取り組みます。
  3. 事業活動のすべての領域で、環境・安全衛生への影響を定期的に評価し、目的・目標を定めて継続的改善を図ります。
  4. 環境・安全衛生に配慮した製品及び技術の開発に取り組みます。
  5. 継続的なリスク低減活動により、環境汚染、労働災害などの事故の予防に努めるとともに、緊急時に対しては迅速かつ適切に対応し、被害の拡大防止に努めます。
  6. すべての社員が環境・安全衛生に高い意識を持ち、自ら社会的責任を果たせるよう、継続的に教育・訓練に取り組みます。
  7. 環境・安全衛生活動に関する情報を開示し、社会に対する企業の説明責任を果たします。

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医薬品の安全性に関するポリシー

背景

アステラスは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献することを経営理念に掲げています。本ポリシーは、アステラス治験薬や承認された医薬品の安全性・信頼性に関する責任と原則を定めています。また、安全性の確保が全社を通じて優先的な課題であることを示しています。

ポリシー

アステラスは下記に取り組みます。

  • ファーマコヴィジランス(医薬品の安全性監視)に関する法律及び規制の遵守
  • アステラスの製品の使用による健康被害の発生防止
  • 患者さんの保護及び公衆衛生の向上
  • 最新の手法の利用を含めた医学的、科学的知識に基づく安全性データの包括的な分析
  • すべてのステークホルダーに対するタイムリーかつ信頼性のある安全性情報の提供

さらに、適切な組織、人材、情報技術及び手順に支えられたファーマコヴィジランスシステムを活用することにより、医薬品の安全性プロファイルを継続的に監視し、ベネフィットリスクバランスに生じる変化を見逃さないよう努めます。アステラスはファーマコヴィジランスシステムを活用して患者さんの安全の確保に責任をもって取り組みます。患者さんの安全と安心の確保はアステラスに根付いており、本ポリシーはそれを支えるものです。

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気候変動への対応についての基本的な考え方

背景

アステラスは、世界的な環境問題である気候変動およびそれによってもたらされる結果は、患者さんに貢献していくための私たちの事業の継続性に対して脅威となり得ると考えています。具体的には、気候システムの変化によって生じる極端な天候、降雨変化、伝染病の拡大、エネルギーポートフォリオの変化などがあげられます。このような影響を低減するために、事業活動由来の温室効果ガスが気候システムに対して危険な人為的影響を及ぼさないよう、温室効果ガスの排出を削減することを目標としています。

アステラスは、気候変動を低減し、また、気候変動に適応していくために、長期的で幅広い視野をもって環境に対する企業の責任を果たしていきます。

基本的な考え方

アステラスは世界の人々の健康に貢献する企業として、地球環境と調和した事業活動をしています。環境課題は企業経営の重要な要素であり、事業のすべての側面で配慮されています。

2005年に、「アステラス環境・安全衛生方針」と「アステラス環境・安全衛生ガイドライン」を制定しました。エネルギー使用効率を向上させることにより、積極的にエネルギー需要を低減し、温室効果ガスの排出を削減しています。

温室効果ガス排出削減とエネルギー使用効率向上の取り組みは、企業としての長期的な持続可能性の向上だけではなく、長期的に大きなコスト削減にもつながると考えています。

アステラスは、下記に取り組みます。

  • 省エネルギー・省資源を考慮した効率性の高い機器や製造プロセスの導入および効率的な空調運転などでエネルギー効率性を改善し、温室効果ガスの排出を削減します。
  • 営業車両の効率的な使用により、温室効果ガスの排出を削減します。
  • 温室効果ガス排出が少ないエネルギーや再生可能エネルギーの利用を促進します。
  • サプライヤーや事業パートナーによる温室効果ガス排出削減を支援するために協力します。
  • ステークホルダーとの双方向のコミュニケーションに努め、適切に情報を開示し、企業の透明性を高めます。
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    偽造医薬品対策についての基本的な考え方

    背景

    偽造医薬品とは、固有性、組成又は起源に関して故意又は不正に虚偽表示した医薬品として定義されています1。先発医薬品と後発医薬品のいずれも偽造される可能性があり、偽造医薬品の例としては、不適切な成分が含まれる製品、有効成分が含まれていない製品、成分量が不十分な製品、包装が偽造された製品などがあります。
    医薬品の偽造は、薬効が期待できない潜在的に危険な製品が市場に流入する原因になるため、近年深刻かつ大きな問題となっています。さらに医薬品の偽造は、医薬品の安全性や有効性に対する信頼を損なうと同時に、患者さんの健康や命を危険にさらすことになります。
    世界中で、生命関連性の高い医薬品を含め、医療において必要不可欠な医薬品の偽造が多く報告されています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によりオンライン薬局に対する需要が以前より高まりましたが、正規のオンライン薬局を装う団体を介した医薬品の流通は、引き続き深刻な問題となっています。

    米国における調査では、いわゆるオンライン薬局の94.8%が、患者さんの安全と薬局運営に関する基本的な基準に従っていないという結果が報告されています2。また、認可を受けていない者によるソーシャルメディアを介した違法薬物の販売事例が急速に増加しています。
    近年のインターネットの発展に伴い、正規のオンライン薬局を装う疑わしい団体を介した医薬品は、グローバル市場へアクセスが可能となっています。このような偽造医薬品の流通は、すべての国に影響を及ぼしますが、特に薬事規制が整備されていない国々では、極めて大きなリスクとなっています。低中所得国において流通している10分の1の医薬品が偽造医薬品であるとの調査報告がWHOより報告されています。3

    基本的な考え方

    偽造医薬品や、不正流通につながる各種の違法行為は許されるべきではありません。しかし、この問題はアステラス単独で解決できるものではないこと、また、アステラスはこの問題に直接介入する公的な権限を持っていないことも認識しています。
    私たちの目標は、アステラスの製品が正規ルートによってのみ、患者さんに提供されるようにすることです。偽造医薬品が患者さんの健康へ悪影響を及ぼす可能性や、アステラスの製品が偽造の標的となるリスクを考慮し、アステラスでは、偽薬防止委員会を設置しています。この委員会は、医薬品の偽造、横流し、盗難に対応することで製品のセキュリティを確保する社内の活動や、以下のような対策を取る複数部門の専門家から成るチームを統括しています。

    • アステラスは、偽造医薬品に関する調査、是正措置その他の活動に関し、グローバルレベルで、保健・取り締まり当局や他の医薬品企業と協力します。また、医薬品犯罪の情報を会員企業に提供する体制を構築する業界団体である製薬防護研究所(Pharmaceutical Security Institute)の一員として、偽造医薬品の撲滅に向けて協力するとともに、世界の主要な保健・取り締まり当局と定期的に連携しています。
    • アステラスの製品に関する正規販売網を介さない活動の現状を総合的に把握できるよう、インターネット薬局や市場のモニタリングを実施しています。
    • アステラスでは、真贋判定や偽造医薬品対策のための技術的なセキュリティ手段を開発し、主に偽造医薬品の発生リスクが高い製品に適用しています。

    参考資料

    1. World Health Organization, Appendix 3 to the Annex to document A70/23, 20 March 2017
    2. National Association of Boards of Pharmacy (アメリカ全国薬事評議会連合会): Internet Drug Outlet Identification Program: Progress Report for State and Federal Regulators, June 2018
    3. The WHO Member State Mechanism on Substandard and Falsified Medical Products, April 2019

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    スポーツにおける薬剤の誤用や乱用によるドーピングの防止についての 基本的な考え方

    背景

    スポーツにおける成績向上を目的とした薬物の乱用は世界中のスポーツ関連団体や公的機関にとって深刻な公衆衛生上の問題です。ドーピングは主に、販売中の医薬品や新しく開発中の化合物の誤用や乱用によって行われています。

    2010年7月、国際製薬団体連合会(IFPMA)と世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は、スポーツにおけるドーピング撲滅に向けて協力する旨の共同声明に署名しました。さらに、共同声明の目標を達成するための案内書として「2つの分野で1つの目標へ:科学とスポーツの健全性を守るために」*1を発行し、この協力を具体化しています。同時に、「考慮すべき点:ドーピングに使用される可能性のある化合物の特定とWADAとの情報共有」*2という冊子を発行しています。この2つの文書は、スポーツにおけるドーピング撲滅に向けて製薬業界がどのようにWADAを支援できるかについて、指針を示しています。

    基本的な考え方

    アステラスはこの国際的な取り組みを支持し、本分野における社会的責任を果たせるように取り組みます。その一環として、アステラスはドーピング撲滅に向け、またそれを通じて公衆衛生の向上に貢献するために、WADAとの協約を締結しました。アステラスはWADAと次のように協力します。

    • スポーツ関連ドーピングで乱用の可能性のある開発品を特定します。
    • ドーピングの可能性のある化合物を検出する方法の開発を支援するため、これらの化合物の関連情報をWADAに提供します。
    • 乱用される機会をなくすため、ドーピングに使用される可能性のある治験中の化合物が誤用されないように取り組みます。
    • アステラスの薬剤がドーピングに使われた場合、それを告知するため、WADAと協力して適切なコミュニケーション計画を立案します。

    参考資料

    1. 1. 2 Fields 1 Goal: Protecting the Integrity of Science and Sport 
    2. 2. Points to Consider: Identification of Compounds with Potential for Doping Abuse and Sharing of Inf ormation with WADA 
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    倫理・誠実性

    利益相反に関するポリシー

    背景

    アステラスは、高い倫理観をもちながら、関連法令、規制、加盟業界団体のルールおよび社内規程等に従い、世界中で事業を行っています。倫理的に、かつ客観性を保ちながら事業を行うために、利益相反を回避することは重要です。本ポリシーはアステラスとしての正式な表明であり、アステラスグループ行動基準に定める利益相反に関する規定を補強し、さらに詳しく定めています。本ポリシーは、すべてのアステラス社員等(以下、社員等)が、アステラスの利益に完全に合致するよう行動し、アステラスに影響を及ぼす業務上の意思決定を行うことを目的としています。また、個人および会社の利益相反が生じ得る、または、そう見える状況を回避することも求めています。

    ポリシー

    利益相反に関して本ポリシーよりも高い基準を設定し、独自の利益相反に関する法令、規制または加盟業界団体のルールを有する国で事業を展開する場合、アステラスは当該国の高い基準を遵守します。アステラスにとって、コンプライアンスとは単に関連法令や規制、加盟業界団体のルールを遵守するに留まりません。社員等は、どのような場面においても、常に誠実に行動し、倫理的に正しい決定をするよう求められています。

    利益相反は、直接的か間接的かを問わず、個人的な利害、関係、つながり、投資、または活動がアステラスの事業を行う上での客観性や判断、行動に影響を与える、またはそのおそれがある場合をいいます。個人の利益と会社の利益が相反しうるように見える状況も利益相反に含まれます。例えば、社員等あるいはその家族や親しい関係者が、アステラスのビジネスパートナーに対し金銭的利害を有している場合などが該当します。

    社員等の個人的利益とアステラスの利益との間に利益相反が存在する、または潜在的に存在する(利益相反の様相が生じているものを含む)状況を本ポリシーにおいてすべて記載することは不可能です。社員等は、良識と高い倫理観をもって本ポリシーを特定の状況に当てはめて理解する必要があります。禁止されている利益相反の状況が存在するか否かを判断するためには、透明性が極めて重要であり、社員等は、各地域のコンプライアンス部門に相談するよう求められています。

    社員等は、本ポリシーや、利益相反に関わるその他の社内規程、あるいは法令、規制または加盟業界団体のルールに対し潜在的または実際の違反があると気づいた場合や合理的に判断できる場合には、アステラスに誠実に報告しなければなりません。

    また、社員等は、活動中に利益相反が生じる可能性がある場合には、その活動を開始する前に速やかにアステラスに報告する義務があります。

    なお、本ポリシーは、アステラスにおける階級、地位、年功または職位を問わず、すべての社員等に公平に適用されます。

    本ポリシーに違反した社員等は、法令および社内規程に従って、解雇を含む懲戒処分の対象となる可能性があります。また、アステラスは、本ポリシーの違反を適切な執行当局に報告する法的または他の義務を有する場合や、報告の要否を判断する場合があります。

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    反贈収賄・反不正行為に関するポリシー

    背景

    アステラスは、高い倫理観と誠実さを持ち、反贈賄・反不正行為関連法令、規則、規制、規約及びガイドラインに従って事業を行っています。
    どのような行為が贈賄となるかは、各国ごとに異なります。多くの反贈収賄・反不正行為法が、定められた地域以外でも適用されます。公務員だけでなく民間人の贈収賄が禁止されていることもあります。
    アステラスは各国でのビジネスにおいて、常に高い倫理観を持って公務員や政府機関、医療従事者や医療機関と接します。

    ポリシー

    直接行うものであれ、第三者を介するものであれ、私たちは、公務員や政府機関、医療従事者や医療機関との関係において贈収賄その他の腐敗行為を禁止しています。あらゆるビジネスの局面で、公務員や政府機関、医療従事者や医療機関と適切な関係を維持し、自由で公正な競争を確保することをすべての従業員と業務委託先に求めます。

    アステラスは、公務員や政府機関、医療従事者や医療機関と接する際に、直接又は間接的に、以下の行為を、

    • 賄賂(金銭、接待、その他価値を有するものを含む)の申し出、約束、提供又はその承認、要求又は受領
    • 金銭その他の便益の提供
    • 従業員又は取引先が、アステラスのビジネスに関連して賄賂を申し出・約束・提供・承認・要求・受領することの容認又は黙認

    以下のいずれかの目的で行うことを禁止しています。

    • アステラスとの取引の獲得・維持
    • アステラスのビジネスに関連する判断や行動に影響を及ぼすこと
    • 不適切な便益の獲得
    • 忠実義務に違反する行為
    • 不適切な行動に対する見返りの提供   

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    機密情報に関するポリシー

    背景

    アステラスは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献することを経営理念に掲げています。社会からの信頼を獲得し、競争力をもって事業を行うために、機密情報を適切に保護することが重要です。

    社員や、 業務を委託しているビジネスパートナーは、 日常的に機密情報を取り扱っています。 会社の重要な財産である機密情報を適切に保護し、その逸失を防ぐために、 アステラスでは本ポリシーを定めています。

    ポリシー

    機密情報とは、アステラスの医薬品やビジネスに関わる重要な情報で世間に公開されていないものです。多様な情報が、様々な形式で保管されています。また、第三者に属する機密情報で、アステラスが正当に保有しているものも含まれます。

    すべての社員には、機密情報を保護するための適切な措置をとる責任があります。具体的には、電子媒体及び紙に記録された情報の管理、ビジネスパートナーとの情報交換の際の安全対策、適切な廃棄、アステラスグループ内での適切な情報交換、不用意な情報開示の回避などが求められます。

    アステラスは、第三者に属する機密情報も尊重します。第三者の機密情報については、その権利を有していない限り、受領することはありません。認められている場合にも、契約に基づいて情報を取り扱います。

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    個人情報保護に関するポリシー

    背景

    アステラスは多くの国で事業を行っており、世界のどの国においても、法令を遵守するとともに、高い倫理観に基づいて活動します。企業活動において、個人情報は重要な役割を果たします。アステラスは、公正に、かつ透明性をもって個人情報を取得・利用します。個人情報を安全に管理するために、本ポリシーを定めています。

    ポリシー

    本ポリシーは、個人情報保護に関しグローバル共通で守るべき最低限の基準を定めています。アステラスは、各地域の基準や適用される法令も併せて遵守します。

    私たちは以下のための適切な措置を行います。

    • 公正かつ適法に個人情報を取り扱うこと。
    • あらかじめ特定された適法な利用目的のためにのみ個人情報を収集し、その目的を超えて個人情報を利用しないこと。
    • 収集する個人情報が目的に照らし十分で、目的との関連性があり、目的に必要な範囲を超えないこと。
    • 個人情報の正確性を確保し、必要に応じて情報を更新すること。
    • 利用目的の達成に必要な期間を超えて個人情報を保存しないこと。
    • 本人の法律上の権利を保護すること。
    • 目的外又は違法な個人情報の利用や個人情報の漏洩・滅失・毀損を防ぐため、技術的・組織的な安全管理措置を講じること。
    • 第三者に対する個人情報の提供は適用される法令に則って行うこと。必要に応じてデューデリジェンス、適切な契約の締結、使用の制限を行うこと。
    • マーケティングを目的とした個人への情報送信は適用される法令に則って行い、法的に要求される場合は本人の同意を取得すること。

    アステラスは、本ポリシーに定める原則について契約の相手方にも同意を求め、アステラスに代わって個人情報を取り扱う業務委託先において契約に則った厳格な個人情報の保護がなされるよう努めます。

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    情報開示に関するポリシー

    第1条 基本姿勢

    アステラスグループは、お客様、株主、社会等、すべてのステークホルダーの皆様に対し、適時適切かつ公平に情報を開示します。また、ステークホルダーの皆様との対話を積極的に行い、いただいた意見等を企業活動に適切に反映するよう努めます。このような情報開示と対話により、企業としての透明性を一層高めていくとともに、ステークホルダーの皆様との信頼関係の構築と維持に努めます。

    第2条 対象となる情報

    アステラスグループは、金融商品取引法等の関係法令や当社の株式を上場している証券取引所の定める規則等(「関係法令・証券取引所規則等」)により開示が求められる情報、及びこれに該当しない場合でも投資家の投資判断に影響を与えると思われる情報を「適時開示情報」と位置付け、速やかに開示します。また、これに該当しないもののアステラスグループへの理解を深めていただくために有用と考えられる経営戦略や事業活動等に関わる会社情報についても本ポリシーの対象とし、積極的に開示します。

    (注記)上記のほか、臨床試験データや医療関係者等との連携活動に関わる情報等についても、各国の規制や各種ガイドライン等を踏まえ、別途ポリシーを定めて適切に開示し、透明性の一層の向上を図ります。

    第3条 情報開示の方法

    アステラスグループは、関係法令・証券取引所規則等に従い情報を開示します。「適時開示情報」については、東京証券取引所が提供する適時開示情報伝達システム(TDnet)を通じて公表するとともに、当該公表後速やかにプレスリリース及び当社ホームページへの掲載を行います。また、これ以外の情報についても、当該情報の内容に応じて、適切な方法により開示します。

    第4条 情報開示に関連する社内体制

    1. 企業活動における透明性を確保し、すべてのステークホルダーの皆様からより一層の信頼を得ることを目的に、情報開示委員会を設置し、情報開示活動を推進・管理します。情報開示委員会は、ディスクロージャー・ポリシーの策定・改訂・運用、会社情報に関する開示戦略、情報開示活動の適切性等を協議します。情報開示委員会は部門横断的な委員で構成され、委員長及び委員は取締役社長が任命します。
    2. 株主・投資家等の資本市場関係者に対する情報の開示は、定められた情報開示担当者が原則として行います。
    3. 「適時開示情報」の開示に関連する体制の整備・運用状況を評価するためのモニタリング体制を確保します。

    第5条 個人情報の保護

    情報開示にあたっては、別途定めるポリシーに基づき個人情報を適正に取り扱い、その保護に努めます。

    第6条 誤報及び重大な状況変化に関わる対応

    アステラスグループが過去に開示した情報に誤りがあったことが判明した場合には、その誤りを訂正し速やかに開示します。また、過去に開示した情報から大きな変化が生じた場合にも、情報を更新し速やかにその内容を開示します。

    第7条 資本市場参加者に対する情報の開示と株主・投資家との対話

    アステラスグループは、上記に加え、特に株主・投資家等の資本市場参加者に対して公平かつ適切に情報を開示するため、下記に配慮します。また、株主・投資家と建設的な対話を行います。

    1.株主・投資家との対話と社内へのフィードバック

    アステラスグループは、面談や説明会等の様々な機会を活用しながら、株主・投資家との建設的な対話を行います。また、対話を通じていただいた意見等は、経営陣を含む社内関係者にフィードバックし、企業活動に適切に反映するよう努めます。

    2.未公表情報の取り扱いについて

    未公表の「適時開示情報」が一部の資本市場参加者のみに選別的に開示されることのないよう、当該情報に関わる関係者に対して社内の規程に従った情報管理を徹底します。

    3.沈黙期間

    決算情報の漏洩防止のため、各四半期の決算発表日前の4週間を沈黙期間とします。この期間は、決算に関連する直近の開示情報とは異なる新たなコメントを差し控えます。ただし、当該期間中に従来の業績予想を大きく外れる見込みが出てきた場合は、適時開示規則に基づき、適宜、情報を開示します。なお、沈黙期間であっても、既に公表されている情報に関する問い合わせには対応します。

    4.業績予想及び将来情報の取り扱い

    アステラスグループが業績予想及び経営戦略や研究開発等に関わる将来予測を開示する場合には、これらがその時点で入手している情報及び合理的であると判断される一定の前提に基づくものであり、既知あるいは未知のリスクや不確実な要素を含んでいること、また実際の結果は、様々な要因によりこれら将来に関する記述とは大きく異なる可能性があることに配慮し、注意喚起をした上で開示します。

    5.不明瞭な情報に対する対応

    アステラスグループに関して流布されている噂や報道が資本市場に大きな影響を及ぼすと認められ、真偽を明らかにする必要があるときには、適時開示情報伝達システム(TDnet)等を通じて、適切に情報を開示します。

    6.第三者による業績予想等について

    第三者によるアステラスグループに関するいかなる意見や推奨、業績予想等に対して、原則としてコメントはしません。ただし、著しい事実誤認や間違いがあれば、その旨指摘することがあります。

    以上

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    記録と情報の管理に関するグローバル規程

    背景

    適切な記録の保存は、アステラスの事業の成功と信用の維持において重要です。「記録と情報の管理に関するグローバル規程」(以下、「本規程」といいます。)は、「アステラスグループ行動規準」に基づいて、ビジネスニーズへの適合性を更に高めるとともに、作成から処分に至るライフサイクルを通じて記録を系統的に管理することによって、適用される法規制上の要求を遵守するために策定されています。原則として、当社のあらゆる記録は、紙・電子を問わず本規程に従って維持され、廃棄されなければなりません。

    ポリシー

    「記録」とは、媒体、フォーマットまたは場所を問わず、アステラスが取得または作成して記録された情報であり、事業内容の証拠となり事業をサポートする情報であり、保存年限表に従って一定期間保存を求められる情報的価値のある情報をいいます。保存年限表は、各組織における記録クラス別の記録保存規定を明示し、法規制上の要求をそれぞれの記録クラスに紐づけています。

    アステラスの記録と情報の管理手順や手続は、グローバルで統一されていなければなりません。

    アステラスの記録は、適用される法律上、契約上および規制上の義務に合致していることはもちろんのこと、アステラスのビジネスニーズを満たす方法によって管理されなくてはなりません。

    アステラスの記録は、信頼性の高い方法で保護・維持されなければならず、そのライフサイクルを通じてアクセス可能でなければなりません。

    アステラスの従業員等は、業務の一環として、記録と情報を適切に管理しなければなりません。 アステラスが作成または取得した記録や情報はアステラスの財産であり、個人や機能、部門、関係会社または部などに帰属するものではありません。

    記録と情報は、保存・保護されるべき要求を満たした後に、通常の業務過程の中で本規程に従って適切に処分されなければなりません。

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    アドバイザリー業務に関するポリシー

    背景

    アステラスは、製品や化合物の開発・商業化、及びその他の適切な目的に関して外部の専門 家の助言・意見又はフィードバックを得るために、医療関係者やその他の外部アドバイザーへ 業務を委託することがあります。

    アステラスは、関連法令、規則、規制、業界ルール及びガイドラインに則り、高い倫理基準 をもって世界で事業を行っています。このポリシーは、業務を委託する際の原則を定めるもの です。

    ポリシー

    私たちが医療関係者にアドバイザリー会議・科学専門家会議・意見交換会議への参加、コン サルティング等のアドバイザリー業務を委託するときは、次の要件を満たす必要があります。

    • 業務を委託する正当な目的が存在すること。
    • 製品の処方・購入・推奨の誘因、又はその謝礼の手段として偽装されたものではないこ と。
    • 委託業務の目的に直接関係のある資格、専門知識、能力、経験や他の適切な基準に基づい て医療関係者が選定されること。
    • 委託業務の内容・対価を正確に記載した契約書が当該業務の開始前に締結されること。
    • 委託業務の対価が公正な市場価値を反映したものであること。
    • 委託業務を行うために医療関係者が参加する会議・イベントがその目的にふさわしい適切 な場所で開催されること。
    • 委託業務に関連して当社が負担する医療関係者の移動・宿泊・飲食の費用が関連する社内 規程に従ったものであること。

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    ソーシャルメディアに関するポリシー

    背景

    ソーシャルネットワークサービスやブログ、その他の情報共有サービスやウェブサイト等、ソーシャルメディアは広く普及しており、人々の交流やコミュニケーション、及び事業の進め方にも影響を及ぼしています。アステラスの社員が私的活動又は業務でソーシャルメディアを使用する際には、個人あるいは企業として責任をもつようにしています。

    ポリシー

    本ポリシーは、アステラスの社員が節度を持って個人的にソーシャルメディアを利用する場合の指針及び会社承認の上で公式にソーシャルメディアを使用する際の原則を示しています。

    1. 基本原則

    アステラスの社員は、業務中か否かに関わらず、アステラスにおける自らの役割と責任に常に留意してソーシャルメディアを利用します。事前の会社の許可無しに、アステラスまたは第三者の秘密情報がインターネットまたはソーシャルメディアサイトに掲示されたり、一般に開示されたりすることはありません。社員は、会社から権限を与えられない限り、会社を代表して発言しません。他者の著作物、シンボル、ロゴ、商標または画像を許可なく使用しません。

    2. 責任をもって個人がオンラインで情報を発信する際の遵守事項

    個人的にソーシャルメディアを使用する場合、アステラスの社員は、自らの個人的な立場で発言していることを明らかにします。社員は、ソーシャルメディアでのコミュニケーションに個人として責任をもちます。

    3. アステラスを代表して発信する場合の遵守事項

    社員は特に許可されない限り、当社を代表する立場でソーシャルネットワークに参加することはありません。商品または疾患や治療に関係するコンテンツは、それぞれの国の規約や規制に準拠し、会社によりソーシャルメディアでの使用が個別に許可された場合のみ発信します。

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    危機管理に関するポリシー

    背景

    アステラスは、危機的な事象が発生した時に、柔軟、タイムリーかつ効果的に対応することを可能とするグローバル体制を規定する危機管理に関するグローバルポリシーを策定しました。本ポリシーは、適切な優先順位付けとグローバルに一貫したアプローチにより、重大な事象の積極的な特定、評価及び対応に関するアステラスの業務手順を反映したものです。

    ポリシー

    アステラスでは、危機的な事象を、予期できない重大な特定の状況で、直ちに対処しなかった場合や不適切な対処をした場合、アステラスの外部要因や内部要因に深刻な悪影響を及ぼす可能性があるもの、と定義しています。危機的な事象は、いまだ健在化していないものの、不適切な対処をした場合やタイムリーに対処しなかった場合に、重大な悪影響を引き起こす可能性がある状況も含みます。

    危機的な事象の事例としては、患者さんの安全、社会的責任、事業運営、コンプライアンス問題、従業員の安全に関する状況が含まれますが、これらに限定されるものではありません。

    本ポリシーにおいて、グローバルおよび各地域単位で役割と責任が特定され、事象の報告をするための伝達経路が定められています。本ポリシーは、危機的な事象に対応するための手順も定めています。

    実際の事業環境において本ポリシーを適用することにより、危機的な事象に起因するアステラスの事業活動および社会全体への潜在的な悪影響に対して、適切かつタイムリーに対処することができます。

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    職場における尊重と、差別及びハラスメント防止に関するポリシー

    背景

    アステラスは、互いを尊重し、不当な差別やハラスメントのない職場環境の提供・維持に努めます。本ポリシーには、法令を遵守するとともに、高い倫理観をもって世界で企業活動を行うアステラスの意志が表れています。アステラスが持続的に発展していく上で社員の貢献は重要であり、社員は互いに敬意を持ちながら協力して働く必要があります。このポリシーでは、良好な職場環境を支えるためにグローバルで守るべき最低限の行動と、差別・ハラスメント・いじめの禁止について規定しています。

    ポリシー

    互いを尊重し合う良好な職場環境を維持し、不適切又は違法な行為を防止していく責任は、社員一人ひとりが負っています。すべての人に公正に接すること、率直にコミュニケーションがとれる環境を維持すること、多様性を認め合うこと等、社員には前向きな行動が期待されます。

    アステラスは、年齢、肌の色、身体障がい、雇用形態、民族、婚姻状況、国籍、人種、性別、性的指向、宗教や信条、性別認識や性別表現、軍役経験、その他法的に保護される事由による違法な差別・ハラスメントを禁じています。たとえその国の法に触れないとしても、いじめやパワーハラスメントは不適切な行為です。いじめには、他人を傷付ける、困らせる、辱める、弱らせる、脅す等の、攻撃的、威圧的、悪意のある、又は侮辱的な行為が含まれます。これに権力の濫用が伴う場合はパワーハラスメントになります。

    このポリシーを含め、差別やハラスメントに関する社内規程や手続、法令又は業界ルールへの違反、あるいはその疑いに気付いた社員は、会社に誠実に報告を行う必要があります。このポリシーに違反した者は、勤務地における法令が許容する範囲で、懲戒処分の対象になる可能性があります。

    また、アステラスでは、ハラスメントや差別等の問題について善意で報告を行った者、又はそれに対する調査に協力した者への報復行為を禁じています。報告の内容が最終的に事実ではないと結論付けられた場合でも同様です。

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    メディカルアフェアーズ部門と営業部門の活動に関するポリシー

    背景

    アステラスの製品や疾患領域に関連し、医療情報に関する活動や営業活動を倫理的かつ関連法令等に則って行うことは、患者さんのニーズへ対応し、グローバルで事業を順調に行うために不可欠です。このポリシーの目的は、これらの活動に関する原則を定め、営業部門とメディカルアフェアーズ部門の倫理的かつ関連法令等に則った連携など、これらの活動の方向性を示すことです。

    ポリシー

    営業部門は、アステラスの方針、関連法令、規則、規制、業界ルール及びガイドライン、並びに現地の規制当局が承認した製品の添付文書に従い、アステラスの製品の安全で有効な使用を促進します。

    メディカルアフェアーズ部門は、患者さんの治療や医学的知見の獲得に役立つことを目指し、医学情報に関する活動を担当します。この活動では、医学的な観点に関するリーダーシップと専門性により、開発中の化合物に関する理解や科学的な知識を進展させ、既存製品の適正で安全かつ有効な使用を促進します。また、メディカルアフェアーズ部門は、科学的な情報交換も担当します。開発中の化合物や既存製品に関連して意義のある、科学的に正確かつ客観的で信頼性が高く、誤解を招かない情報の創出と適切な普及を図ります。

    社外へ向けた活動や社内においてメディカルアフェアーズ部門と営業部門が倫理的かつ関連法令等に則って協力・連携することは、アステラスの成功のために重要です。メディカルアフェアーズの機能と営業の機能の独立性と誠実性が担保されていれば、アステラスの製品に関する科学的知見や理解及び適正な使用を促進し、患者さんや他のステークホルダーのニーズに応えることにつながります。

    これらの理由から、メディカルアフェアーズ部門及び営業部門間の協力と連携は、現地の法令、規則、規制、業界ルール及びガイドラインに準じた方法で実施しなければなりません。また、具体的には以下に示すように、メディカルアフェアーズ部門及び営業部門の独立性と誠実性を維持しなければなりません。

    • 営業部門は、医療情報に関する活動又は科学的情報交換について指示・命令しません
    • メディカルアフェアーズ部門は、営業活動又はプロモーション活動について指示・命令しません。

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    医療従事者向けプロモーション資材の社内審査に関するポリシー

    背景

    アステラスが行う医療用医薬品のプロモーションは、安全かつ効果的に製品を使用いただくための情報を医療従事者に伝える重要な活動です。これは、患者さんの医療ニーズを満たすことにつながります。このような情報提供において使用するプロモーション資材や製品メッセージは、社内審査の対象となり、各地域の添付文書や規制に沿って作成されます。

    情報提供で使用するプロモーション資材や製品メッセージが社内ポリシーや各種規制要件に違反しないよう、作成や審査の過程において、世界中で一貫した取り組みを行うことが重要です。そのため、私たちは医療従事者向けのプロモーション資材と製品メッセージを審査する際に世界中で適用される共通の原則として、本ポリシーを制定しました。

    ポリシー

    アステラスは以下のようなプロモーション資材と製品メッセージを作成します。

    • 正確である
    • 誤解を招かない
    • 安全性と有効性に関してバランスがとれている
    • 科学的な根拠に基づいている
    • 規制当局が承認している添付文書の情報と一致している

    さらに、すべてのプロモーション資材と製品メッセージは、各地域の適切な部門による審査と承認を経て使用されます。メディカルアフェアーズ部門は、プロモーション資材と製品メッセージが科学的根拠に基づいたものであるか確認するために、審査・承認を行います。法務、薬事、コンプライアンス部門も、プロモーション資材が現地の規制、社内規程、本ポリシーを遵守していることを確認するために、審査を行います。営業担当者は、審査・承認過程に関わらないものとします。

    本ポリシーの遵守により、アステラスは、活動するいかなる場所においても、プロモーション資材や製品メッセージに一貫した高い倫理基準を適用します。これらの質の高いプロモーション資材や、事実に即した正確な情報により、製品の安全かつ効果的な使用に関する医療従事者の理解を深め、ひいてはそれが患者さんの利益につながるものと考えます。

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    社会貢献活動に関するポリシー

    背景

    アステラスは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献することを経営理念に掲げています。さらに、良き企業市民としてコミュニティに参加し、社会貢献活動を積極的に行うことをアステラス企業行動憲章において宣言しています。社会の持続可能性の向上に貢献することによって、アステラスという企業および製品に対する社会からの信頼を獲得し、それがアステラスの持続可能性も向上させるものと考えます。

    ポリシー

    本ポリシーでは、アステラスが世界中で行う社会貢献活動の進め方や優先分野を特定しています。営利目的で行う内容は本ポリシーの対象としません。

    1.社会貢献活動の進め方

    アステラスは、世界中の患者さんや社会にとって長期的に有益となるよう、また、それが持続可能であるよう、戦略的に社会貢献活動を行います。人や技術、専門性といった自社の資源を有効に活用し、効果的な社会貢献を行います。単一企業では解決できない保健医療関連の課題には、業界団体や慈善団体など他のステークホルダーと連携して取り組みます。また、広く認められている指標に基づき、社会貢献活動の影響を測定、評価し、必要に応じて将来的な目標の見直しを行います。さらにアステラスは、実施した社会貢献活動をステークホルダーに対し適切な方法で報告します。

    2.社会貢献活動の優先分野

    アステラスは、事業活動との関連性や社会からの期待を考慮し、優先順位の高い下記の分野の社会貢献活動に経営資源を重点的に投入します。

    • 第一優先分野:保健医療へのアクセス(Access to Health)課題*の解決
    • 第二優先分野:医学振興への貢献
    • 第三優先分野:慈善活動/コミュニティ振興

    これらの優先分野における社会貢献活動を選択するにあたっては、以下の活動をより重視します。

    • 医療に関わる活動
    • 満たされていない医療ニーズが存在する領域での活動
    • アステラスの強み、技術、専門性を活かせる活動
    • 公的機関、政府機関やその他大手非政府団体(NGO)が一般的に支援しない活動
    • 有意義で長期的に有益な影響を社会にもたらす活動

    * 保健医療へのアクセス(Access to Health)課題:アステラスでは、世界の保健医療において、適切な治療方法が存在しないこと、貧困、保健システムの不備、保健医療に関する情報不足が理由で、必要な医療を受けることが困難な状態を、保健医療へのアクセス(Access to Health)課題と呼んでいます。

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    人権についての基本的な考え方

    背景

     アステラスは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献することを経営理念に掲げています。アステラスは、あらゆる医薬品等の開発ステージにおいて個人の尊厳を尊重・保護することは最優先と認識しています。そして、私たちのステークホルダーの人権を尊重する責任があると認識しています。

    基本的な考え方

     アステラスは、社内外のすべての人々の人権を尊重し、高い労働基準の維持に努めます。事業活動を行う全ての場所において、各国の労働と雇用に関する法律を遵守し、人権・労働に関する国際的な基本原則(「国際人権規約」「ビジネスと 人権 に関する 指導 原則」「労働における基本的原則と権利に関する国際労働機関(ILO)の宣言」など)を尊重します。さらに、アステラスは国連グローバルコンパクト10原則に署名しており、英国現代奴隷法等の遵守要請にも対応しています。

     アステラスは「子どもの権利とビジネス原則」に基づき「児童労働の禁止」だけではなく、小児用製剤等の研究開発分野においても、子どもの人権を尊重します。

     私たちはビジネスパートナーに対しても基本的な人権や労働に関する基準への準拠を求めます。

     人権が侵害された場合には、国家と企業は共同して被害者が実効的な救済(法的なものかどうかを問わない)を受けられるようにする責任があることを明らかにしています。

    1.アステラスが注視する人権課題

     アステラスは人権を尊重します。なかでも事業活動が大きな影響を及ぼす以下の人権課題について特に注意を払います。

    • 臨床試験および研究開発活動における人権
      アステラスは、最高水準の科学と倫理をもって医薬品等の研究開発に取り組みます。適用法令、業界ルールのみならず国際的に認められている非臨床・臨床試験の基準(「ICHガイドライン」、「ヘルシンキ宣言の倫理原則」など)に従います。

      私たちは、被験者の健康と安全を最優先として治験(市販後臨床試験を含む)を行います。また、被験者の人権(個人の尊厳、自己決定権、プライバシー、個人情報保護など)を尊重・保護し、すべての治験参加者(あるいは代諾者)から適切にインフォームドコンセントを取得します。

      また、ヒト由来物質(血液、組織、細胞等)およびその関連データを、責任をもって適切に取り扱います。各国の法令、指針又は業界ルールにより要求される場合は、提供者のインフォームドコンセントを適切に取得します。
       
    • 製品の安全性と偽造医薬品
      アステラスは、世界の患者さんに高品質の製品を安定的に供給します。製品の有効性、安全性および供給を確保するため、私たちは厳しい品質基準と強固なサプライチェーンを全世界で維持します。また、患者さんの安全を守るため、医療過誤および医薬品偽造を防止するための対策も講じます。

      また、医薬品等の安全性情報は市販後に得られる情報によって更新されていく可能性があります。これを踏まえ、適用法令やファーマコビジランスガイドライン(GVP)のような業界ルールに従い、アステラス製品の安全性をそのライフサイクルを通じて継続的に注視します。私たちは適用法令や業界ルールに従って安全性情報を収集・評価し、世界各地の薬事当局に適時に報告を行います。
       
    • 保健医療へのアクセス
      満たされていない医療ニーズに対応する技術や医薬品は、今日までに目覚ましい発展を遂げています。しかし、適切な治療方法が存在しないこと、貧困、保健システムの不備、保健医療に関する情報不足が理由で、必要な医療を受けることが困難な状態にある人がいまだに多くいます。人々の健康への権利を保護することは一義的には国家の責任ですが、私たち製薬会社は、保健医療へのアクセス拡大を通じて、人々の健康に貢献するという役割を果たすことができます。この趣旨にそって、私たちは、国連の「持続可能な開発目標」達成への貢献、市場性が見込めないために研究開発が不十分な疾患の撲滅、非感染性疾患の予防と管理、技術移転の支援など、さまざまな取り組みを行います。

      アステラスは、国連の定めるLeast Developed Countries(LDCs)*1および世界銀行の定めるLow Income Countries (LICs)*2において特許出願および特許権の行使を行いません。これらの国が社会的、経済的な問題に対処するためにおいて、「TRIPS協定と公衆衛生に関するドーハ宣言」が許容する柔軟性の対象となり得ることを認識しています。詳細は「知的財産に関するポリシー」「途上国における知的財産権についての基本的な考え方」を確認ください。
      *1:LDCs defined by United Nations
      *2:LICs defined by World Bank
       
    • 職場における人権
      すべての業務を遂行し、経営理念を実現する原動力となる社員は、アステラスの事業の中心にいます。アステラスは社員の人権を尊重します。これには、差別の禁止、結社・団体交渉の自由、強制労働の禁止に関する権利が含まれます。加えて、私たちは、職場の多様性とその受容(ダイバーシティ&インクルージョン)を推進し、安全で働きがいのある労働環境を提供します。私たちは、ビジネスパートナーに対してもこれらの人権を尊重することを求めます。

      私たちは児童労働に関する法令を遵守し、ILOコンベンション(C138 および 182)に記載されているすべてのILO労働基準を支持します。
       
    • コミュニティならびに環境における人権
      アステラスは事業所や工場がある地域において、近隣住民の人権を尊重します。私たちは事業活動が近隣地域に与える環境の影響についても継続的に監視し対処します。

    2.実行

     この基本的な考え方は、アステラスの世界各地の事業活動に適用されます。アステラスは、ここで述べた取り組みを行い、人権尊重の理念を社内に浸透させるよう努めていきます。また、関連規程や手順により、各地域の実情に沿って、人権についての基本的な考え方を根づかせます。

     さらにAstellas Business Partner Code of Conductに基づき、ビジネスパートナーが事業活動において人権を尊重することを求めます。

     私たちは、社員からのフィードバックの必要性や、社員が救済を受ける権利を理解しています。そのため、私たちは社員が報復を心配することなく秘密扱いで苦情を報告する仕組みを整えています。このシステムは従業員と外部ステークホルダーが使用できます。使用者は電話またはウェブベースで懸念事項を報告でき、法律で許されている場合には匿名で使用できます。

    3.ステークホルダーとの対話

     企業による人権尊重は継続的に発展させながら取り組むものであるとアステラスは考えています。アステラスは関連するステークホルダーとの対話を継続し、影響を受ける人々の立場から、事業に関連する人権への影響を理解し、対応を続けます。例えば、アステラスは、重要なビジネスパートナーに対して、サードパーティライフサイクルマネジメント(TPLM)プログラムの中で、主要な属性を確認します。こうした努力を継続するとともに、活動を公開することを通じて人権に関する取り組みを改善します。

    4.ガバナンス

     この基本的な考え方は、アステラスグループ内の関連部門の協力のもと、アステラスの人権活動の戦略的方向性を作成し確認する責任部門であるコーポレートアドボカシー部が作成し、代表取締役社長が承認したものです。

    参考資料

    1. 国際人権規約
      https://www.ohchr.org/Documents/Publications/FactSheet2Rev.1en.pdf
    2. ビジネスと人権に関する指導原則
      http://www.ohchr.org/Documents/Publications/GuidingPrinciplesBusinessHR_EN.pdf
    3. 労働における基本的原則と権利に関する国際労働機関(ILO)の宣言
      https://www.ilo.org/declaration/lang--tr/index.htm
    4. 国連グローバルコンパクト10原則
      https://www.unglobalcompact.org/what-is-gc/mission/principles
    5. 子どもの権利とビジネス原則
      https://www.ungcjn.org/activities/topics/detail.php?id=123
    6. ヘルシンキ宣言
      https://www.wma.net/policies-post/wma-declaration-of-helsinki-ethical-principles-for-medical-research-involving-human-subjects/
    7. ILOコンベンション
      https://www.ilo.org/moscow/areas-of-work/gender-equality/WCMS_249143/lang--en/index.htm
    8. アステラスグループ行動規準
    9. Astellas Business Partner Code of Conduct
    10. 職場における尊重と、差別およびハラスメント防止に関するポリシー
    11. 保健医療へのアクセス(Access to Health)についての基本的な考え方
    12. 偽造医薬品対策についての基本的な考え方
    13. 知的財産に関するポリシー
    14. 途上国における知的財産権についての基本的な考え方
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    患者団体との関わり方についての基本的な考え方

    背景

     患者団体(患者団体及び患者さんの療養環境向上を目指す支援団体等)は、社会や医療コミュニティーに患者さんの意見を表明する上で積極的な役割を果たしています。患者団体は、アステラスにとって重要なステークホルダーです。

    基本的な考え方

     アステラスは、患者団体との協働により、患者さんの視点、患者さんが望むアウトカム及び医療環境を幅広く理解することができ、効果的な治療方法を開発できると考えています。また、アステラスは、患者団体と協働し、長期的な関係を構築することで、患者団体とアステラスの共通の目的である患者さんやその家族等の経験とアウトカムの向上を達成できると考えています。

     患者団体は患者さんやその家族等と日々連携し、患者さんの満たされていない医療ニーズについて深い知識を有しています。そのような知識には大きな価値があり、アステラスにとっても患者さんの治療の道のりを理解する上で非常に重要であると考えています。例えば、アステラスは、適宜患者団体と協働し、臨床試験の計画や実施、重要な評価項目の特定に患者さんの声を活かし、研究開発の質の向上に努めています。

     アステラスは患者団体との協働を通じて、患者さんや他のステークホルダーと信頼を構築し、医療環境においてさらなる価値を届けることができると考えています。例えば、アステラスは、患者団体による健康に対する知識・理解を深めるための活動を支援し、患者さんやその家族等が疾患をよく理解し対処できるように努めています。

     患者団体との協働では、誠実さ、透明性の確保、倫理観及び専門性が重要であり、アステラスと患者団体が互いに独立し、尊重し合い、信頼関係を構築する必要があります。アステラスは、各国や地域の関連法令・規則、業界規定及びガイドラインを遵守し、患者団体と有意義かつ透明性の高い関係構築に努めます。

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    税務についての基本的な考え方

    背景

    アステラスは、多くの国々で事業を展開するとともに従業員を雇用し、法人税などの事業活動に伴い生じる租税や、従業員の雇用により生じる租税など様々な税金を支払っています。同時に、アステラスは、持続的に企業価値を向上させるため、適用される税法を遵守しつつ、株主に対して税務を管理する責任を負っています。

    上記の責任を果たすため、アステラスは、アステラスで働くすべての者に適用される「アステラスグループ行動規準*1」に則り、その事業活動を行うすべての国・地域において、税務に関する以下の取り組みを行っています。

    基本的な考え方

    1. 税務ガバナンス

    アステラスは、事業実態に沿った納税義務を履行するため、社内規程・手続を明確に定め、その規準に則り、税務リスクの把握、評価及び管理を実施し、適切に説明する責任を負っています。

    アステラスのグローバル税務ポリシー及び移転価格ポリシーは、代表取締役社長により承認され、アステラス全体で運用されています。

    アステラスの税務グループ責任者は、これらのポリシーがアステラス全体で遵守されていることを担保するための手続を構築し、それを維持し、さらに、グローバル税務チームがその手続に従い、職務を遂行する能力と経験を有することを確保する責任を負っています。

    2. 税務コンプライアンス

    アステラスは、事業活動を行っている各国の税務法令を遵守するために定めた税務に関する行動規準を有し、適用される法令の内容だけでなくその趣旨も含め理解し、各国における適正な納税の実施に努めています。

    3. 移転価格

    アステラスは、OECD移転価格ガイドラインをはじめ各国の移転価格税制及び関連規則に準拠し、機能リスク分析に基づいた移転価格算定方法を適切に適用し、グループ会社間の取引価格を決定し、移転価格文書の作成を行っています。

    さらに、二国間事前確認(Advance Pricing Agreements 、”APA”)により税務当局間による事前合意を適宜取得します。APAは、移転価格に係る予測可能性を確保し、税務当局とアステラスの双方にとって、長期にわたる税務の確実性を担保します。

    4. 税務当局との関係

    アステラスは、各国政府及び税務当局と建設的且つ相互尊重に基づく関係を構築・維持し、税務当局と協力して、税務の紛争解決、早期合意・確実性の担保を目指します。

    5. 税務に対する姿勢

    アステラスは、事業活動を行う際に、持続可能な成長の観点を以って、各国の税務法令を考慮します。この例として、二重課税(同じ所得に対して複数の国で課税されること)リスクを適切に軽減するための対策を講じています。すべての取引は、事業上の目的又は商業上の合理性を以って実施されます。さらに、アステラスはOECDによる租税回避行為防止のためのBEPS*2の取り組みを支持しています。

    6. 法定開示要件

    本ステートメントは、アステラスが事業活動を行う国・地域における法定開示義務を果たすことを意図しています。なお、当開示義務には、英国2016年度財政法附則第19条第16項(2)における税務戦略開示要件を含み、 2021年3月期事業年度に関して、アステラス製薬及びその英国における子会社は当要件を満たしています。

    参考資料

    1. アステラスグループ行動規準
    2. BEPS
      BEPSとはBase Erosion and Profit Shifting の略語であり、日本語では一般的に「税源浸食と利益移転」と訳される。

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    以下は日本(アステラス製薬株式会社)のみに該当するポリシーです。

    医療機関等との連携活動に関するアステラス透明性ポリシー

    I. 公開目的

     本ポリシー(以下、本POL)の公開目的は、アステラス製薬株式会社およびその国内外の子会社(以下、「アステラス」)が実施する日本国内の医療機関等(※1)との連携活動に関して、医療機関等との関係の透明性・信頼性を確保するために必要な方針を示すことにあります。

     アステラスは、医療機関等と連携協力して、医学・薬学の基礎研究、新薬の臨床開発、製造販売後の安全対策など様々な活動を行い、医薬品やワクチンの提供を通じて国民、患者さんの保健医療水準の向上に貢献することを目指しています。このような活動を行うにあたり、アステラスと医療機関等との連携は不可欠なものとなっています。

     アステラスと医療機関等の交流(以下、「産学連携活動」)には、共同研究、委託研究の他、寄附金等を通じた学術研究活動に対する助成があります。これらの産学連携活動は医療機関等における研究成果を日本の医療水準の向上という形で社会へ還元することに貢献しており、政府の科学技術基本計画においても推進されているものです。

     また、製薬企業は医療機関等の協力のもと、新薬の発売後もさらなる安全性や有効性のデータを収集・分析・検討し、医療機関等に情報提供することが義務付けられています。このためアステラスは学術講演会や研究会などの様々な場面を通じて、専門医の協力を得ながら多数の医療機関等に対して自社医薬品の適正使用情報の浸透、より安全で効果的な使用のための情報共有、最新の知見に関する情報交換の機会を提供しています。

     これら医学・薬学の研究、実用化および適正使用の普及に不可欠な医療機関等との連携活動は、医療機関等との契約等に基づき実施されています。その中には、対価として金銭の支払いが発生する活動もありますが、アステラスはこれまで、関連法規制は当然のこと、業界自主規制(※2)や自社の行動規準に則した事業活動を行うことにより透明性を高める努力を行ってきました。しかしながら、これらの連携活動が盛んになればなるほど、医療機関等がアステラスの医薬品に深く関与する場面が生じることもあり、医療機関等の判断に何らかの影響を及ぼしているのではないかとの懸念を持たれる可能性も否定できませんでした。

     以上からアステラスは、アステラスの事業活動が高い倫理性を担保した上で医学・薬学をはじめとするライフサイエンスの発展への寄与を目指していることを広く関係者に理解して頂くことを目的に、日本製薬工業協会(以下、「製薬協」)のガイドライン(※3)に従い、医療機関等との連携活動に関する情報を以下の通り一般に公開します。

        
    ※1 「医療機関等」とは、製薬協のガイドラインに基づき、
    (1) 病院等の医療機関
    (2) 大学等の研究機関
    (3) 医師会等の医療関係団体
    (4) 医学・薬学系の財団法人やCRO等の財団等
    (5) 医師等の医療関係者等
    (6) 医学、薬学系の他、理学、工学等におけるライフサイエンス系の研究者
    をいいます。
    ※2製薬協企業行動憲章、製薬協コード・オブ・プラクティス、医療用医薬品プロモーションコード、医療用医薬品製造販売業公正競争規約など
    ※3製薬協「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」

    II. 適用範囲

     本POLは、全ての常勤および非常勤のアステラスの役員および従業員ならびにアステラスに派遣されている派遣労働者に適用されます。更に、契約において定めている場合、あるいは別の方法で権限が委譲されている場合は、エージェント、コンサルタント、請負業者その他のアステラスの代わりに医療機関等との連携活動を行う者に対しても、本POLの全部または一部が適用されます。

    III. 原則

     A. 公開方法
      アステラス社外向けウェブサイト等にて公開します。

     B. 公開時期
      2019年度の実績を2019年度決算終了後1年以内の適切な時期に公開します。
      以降、毎年前年度分実績を当該年度の決算終了後、1年以内の適切な時期に公開します。

     C. 公開期間
      2019年度以降の実績を対象に、公開日より5年間とします。

     D. 公開対象
      医療機関等との連携活動に伴う金銭支払い実績を以下の区分によって公開します。
     

     1. 研究費開発費等

     (1) 特定臨床研究費(*1)
        年間総額(*2)、jRCT(Japan Registry of Clinical Trials)に記録される識別番号、提供先施設等の名称(*3)、当該年度に支払のある契約件数、金額

     (2) 倫理指針に基づく研究費(*4)
        年間総額(*2)、提供先施設等の名称(*5)、当該年度に支払のある契約件数、金額

     (3) 臨床以外の研究費(*6)
        年間総額(*2)、年間総契約件数、年間総額、提供先施設等の名称一覧

     (4) 治験費
        年間総額(*2)、提供先施設等の名称(*5)、当該年度に支払のある契約件数、金額

     (5) 製造販売後臨床試験費
        年間総額(*2)、提供先施設等の名称(*5)、当該年度に支払のある契約件数、金額

     (6) 副作用・感染症症例報告費
        年間総額(*2)、提供先施設等の名称(*5)、当該年度に支払のある契約件数、金額

     (7) 製造販売後調査費
        年間総額(*2)、提供先施設等の名称(*5)、当該年度に支払のある契約件数、金額

     (8) その他の費用(公開対象先以外に提供した資金等)
        各項目を合算した年間総額

      (*1)臨床研究法に定義される特定臨床研究に基づいて医療機関等に支払った費用をいいます。

      (*2)医療用医薬品の研究・開発、製造販売後の育薬にかかる費用等の各項目の年間総額を指します。

      (*3)「提供先施設等の名称」「研究実施医療機関の施設名」「所属等の名称」「研究代表医師名/研究責任医師名」を公開します。なお、「提供先施設等の名称」は、原則として契約相手方の名称とします。

      (*4)「倫理指針」とは、“人を対象とする医学系研究に関する倫理指針”を指します。

      (*5)原則として契約相手方の名称とし、「施設名」「施設内組織名」「個人の所属・役職・氏名」を公開します。

      (*6)第Ⅰ相以降の臨床研究(特定臨床研究、倫理指針に基づく研究、治験および製造販売後調査等)以外の研究であり、いわゆる「基礎研究」や「製剤学的研究」などに要した費用をいいます。
     

     2. 学術研究助成費

     (1) 奨学寄附金 研究機関(教室)毎の年間の件数と総額
     (2) 一般寄附金 研究機関毎の年間の件数と総額 
     (3) 学会等寄附金 学会等毎の寄附額 
     (4) 学会等共催費 学会等毎の支払額

     3. 原稿執筆料等

     (1) 講師謝金 年間の総額、医療関係者毎の年間の件数と総額
     (2) 原稿執筆料・監修料 年間の総額、医療関係者毎の年間の件数と総額 
     (3) コンサルティング等業務委託費 年間の総額、医療関係者毎の年間の件数と総額
     ※ 個人に属する情報であるため、業務委託契約時に予め本人に了解を得るための手続をとります。

     4. 情報提供関連費

     (1) 講演会等会合費 年間の件数と総額
     (2) 説明会費 年間の件数と総額
     (3) 医学・薬学関連文献等提供費 年間の総額

     5. その他の費用

     (1) 接遇等費用 年間の総額
        なお、上記第1項、第4項および第5項における「総額」、「件数」は、アステラスにおける各項目の年間の合計実績とします。
     

     E. 発効日
     本POLは、2019年4月1日を発効日とします。
     

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    患者団体との関係のアステラス透明性ポリシー

    1. 公開目的

    製薬企業には、医薬品と患者さんが関わるあらゆる場面において、患者さんやそのご家族のニーズや悩みを理解し対応することが求められます。また、患者さん等の声を代表する患者団体との協働が深まるなか、製薬企業は、その協働について、一般社会から正しい理解を得るために透明性を確保する必要性が増してきました。
    このような背景を踏まえ、今般、日本製薬工業協会(以下、製薬協)は、2012年3月に「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」を策定いたしました。
    アステラスグループ(アステラス製薬及び国内グループ会社、以下、アステラス)は、これまで、当社経営理念に基づく社会貢献活動等を通じて患者団体との協働を推進し、その実績の一部を公開してきました。今後、アステラスが患者団体に提供している金銭的支援等に関する情報は、製薬協のガイドラインに則して公開することで一層の透明性を確保できると考え、情報公開の指針として「患者団体との関係のアステラス透明性ポリシー」(以下、本ポリシー)を新たに策定いたしました。

    今後は社会貢献活動による支援実績の開示に加えて、以下の基準により患者団体との関係を幅広く公開いたします。

    2. 公開方法

    当社社外向けウェブサイト等にて公開する。

    3. 公開時期

    2013年度の実績を2013年度決算終了後の適切な時期に公開する。
    以降、毎年前年度分実績を当該年度の決算終了後の適切な時期に公開

    4. 公開対象

    患者団体への金銭支払い実績等と労務提供を行った内容を以下の区分によって公開する。

    1)寄付金・協賛費、会費・賛助会費、広告費等
    患者団体名及び費用項目ごとの年間総額
    但し、社会貢献活動(スターライトパートナー活動)の公募制活動資金助成については、企画名を併せて開示します。

    2)患者団体支援を目的とした企業主催・共催の講演会、説明会、研修会等に伴う費用
    患者団体名及び年間総額

    3)患者団体支援に関連して外部業者に委託した費用
    患者団体名及び年間総額

    4)講師、原稿執筆・監修、調査、アドバイザー等の費用
    患者団体名及び費用項目ごとの年間総額

    5)労務提供の有無
    提供した患者団体名

    制定日:2012年10月31日
    改訂日:2013年4月1日

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